
自宅でのボーカルレコーディングをプロ級に!高音質で録音するための5つのコツ
「歌ってみた」動画の制作などで、自宅でボーカルレコーディングを行う機会が増えています。最近は手軽な機材でも高品質な録音が可能になりましたが、「家で録ると、なんだか音がショボい」「プロの音源のようなクリアさが出ない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
その原因は、機材の性能だけでなく「録音環境」や「正しいセッティング」にあるかもしれません。せっかくの歌声を台無しにしないためには、最低限のコツを押さえることが重要です。
今回は、自宅でボーカルレコーディングをする時に絶対に気を付けたい5つのチェック事項をご紹介します。これを実践するだけで、あなたの歌音源のクオリティは劇的に向上します。
自宅でボーカルレコーディングを始めるための必須機材

まずは、自宅録音でクオリティを担保するために最低限揃えておきたい機材をおさらいしましょう。
- マイク
細かなニュアンスまで拾えるコンデンサーマイクが主流ですが、部屋のノイズが気になる場合は、周囲の音を拾いにくいダイナミックマイク(SHURE SM58など)も選択肢に入ります。 - マイクケーブル(XLRケーブル)
マイクとインターフェイスを繋ぐ専用ケーブルです。ノイズの混入を防ぐ役割があります。 - DAW(録音ソフト)
歌を録音し、編集するためのソフトです。最近は無料のものからプロ仕様まで幅広く存在します。 - オーディオインターフェイス
マイクの声をパソコンに取り込むための必須デバイスです。音の解像度を左右する重要なパーツです。 - モニターヘッドホン
自分の声を正確に聴きながら歌うために必要です。スピーカーから音を出すと、その音がマイクに入ってしまい(フィードバック)、録音クオリティが著しく低下します。
1. 「部屋の響き」を抑えるマイクの位置

自宅録音において最大の敵となるのが、壁や天井に反射して返ってくる声、いわゆる「部屋鳴り」です。お風呂場で歌うように声が響いてしまうと、後からの編集(ミックス)で修正することが非常に困難になります。
具体的な対策:
マイクは「部屋の真ん中付近」に設置するのが理想です。壁のすぐ近くで歌うと、跳ね返った音がダイレクトにマイクに入ってしまいます。また、角に向かって歌うのではなく、角を背にして部屋の広い方へ向かって歌うと、不要な反射音を抑えやすくなります。
2. 「家にあるもの」で録音環境をグレードアップ

防音室がなくても、身近な布製品を使うだけで驚くほど音がクリアになります。コツは「音を吸い込ませる」ことです。
おすすめは、厚手の服がかかったクローゼットに向かって歌うこと。服が吸音材の代わりになり、余計な反響をシャットアウトしてくれます。また、マイクの背後に毛布を吊るしたり、究極の方法として布団を頭から被って録音するクリエイターも少なくありません。
見た目よりも「音がデッド(響かない)」であることを優先しましょう。ただし、無理な体勢で歌うと肝心のパフォーマンスが落ちてしまうので、リラックスして歌える工夫も大切です。

3. 録音ボタンを押す前の「徹底ノイズ対策」

マイクは人間が気付かないような小さな音まで拾ってしまいます。録り直しを防ぐために、以下のチェックを習慣にしましょう。
- 窓とカーテンを閉める: 外を通る車の音や風の音を防ぎます。
- 電化製品をオフ: エアコンの送風音や冷蔵庫の「ブーン」という音は、後から消すのが非常に大変です。
- PCファンから離す: デスクトップPCやノートPCの冷却ファンの音が入らないよう、マイクをできるだけ遠ざけましょう。
- スマホは機内モードへ: 通知音はもちろん、電波の送受信による「ジー」というノイズが乗るのを防ぎます。
4. ポップガードで「吹かれ」と「近接効果」を防ぐ

歌っている最中に「パ・ピ・プ・ペ・ポ」などの発音で出る強い息がマイクに当たると、「ボフッ」というノイズが発生します。これを防ぐのがポップガードです。
また、マイクには「近づきすぎると低音が強調される(近接効果)」という性質があります。ポップガードは、マイクとの適切な距離(こぶし1個〜2個分程度)を保つためのガイド役にもなります。
もしポップガードがない場合は、マイクを口の真正面ではなく「鼻の高さ」にセットし、少し見上げるように歌うと息が直接当たらず、クリアに録音できます。
ヒント:最近は高音域がこもりにくい「金属製(メタルメッシュ)」のポップガードが、お手入れも簡単で人気です。
5. DAWのセッティング(音割れ厳禁!)

最後に重要なのが、録音レベルの設定です。一番大きな声で歌った時に、DAWのメーターが赤く光る(クリップする)のは絶対に避けてください。一度割れてしまった音は、後からどんなに高性能なプラグインを使っても元には戻せません。
設定の目安:
最大音量時に、メーターが-6dB〜-10dB程度に収まるようにゲインを調節しましょう。余裕を持たせて録るのが現代のスタンダードです。
また、歌っている声が遅れて聴こえる場合は、DAWの「バッファサイズ」を小さく設定してください。これによりレイテンシー(音の遅延)が解消され、リズムに遅れず気持ちよく歌うことができます。
まとめ:自宅録音は「事前の準備」で8割決まる!
自宅でボーカルレコーディングを成功させるためのポイントを振り返りましょう。
- マイク位置:壁から離れ、部屋の広い方へ向かって歌う。
- 環境整備:クローゼットや毛布を活用して余計な反響を吸い込む。
- ノイズ対策:エアコンやスマホなど、小さな音源を徹底排除。
- ポップガード:「吹かれ」を防ぎ、マイクとの距離を一定に保つ。
- DAW設定:音割れしない余裕のあるレベルで録音する。
セルフでのレコーディングは、歌うだけでなくエンジニアとしての役割も自分で行う必要があります。最初は少し手間に感じるかもしれませんが、一度環境を整えてしまえば、あとはいつでも最高の状態で歌を記録できます。
ぜひ、これらのコツを実践して、あなたの「歌ってみた」動画のクオリティを一段階引き上げてみてください!
以上、「自宅でのボーカルレコーディングをプロ級に!高音質で録音するための5つのコツ」でした。