
【2025年版】無料でプロの音質!フリーコンプレッサーVSTプラグインおすすめ7選
「ミックスした音がなんだか薄っぺらい」「市販の曲のような迫力が出ない」DTMで音楽制作をしていると、こんな悩みに直面することはありませんか?
その原因、もしかすると「コンプレッサー」の選び方と使い方がカギかもしれません。コンプレッサーは、楽曲のクオリティを左右する最も重要なエフェクトの一つです。「無料のプラグインなんて、有料版の劣化版でしょ?」と思っているなら、それは大きな間違いです。
現在、無料とは思えないほど高機能で、プロも愛用するフリープラグインが数多く存在します。この記事では、数あるフリーコンプレッサーの中から、「今すぐダウンロードすべき最強の7つ」を厳選してご紹介します。あなたのPCにこれらを入れるだけで、ミックスの仕上がりが劇的に変わるはずです。
そもそも「コンプレッサー」って何をするもの?

コンプレッサー(Compressor)は、EQ(イコライザー)と並んでミキシングに不可欠なツールです。一言で言えば、「音の大小のばらつきを整え、迫力を出すツール」です。
ボーカルや楽器の演奏には、どうしても音量が大きい瞬間と小さい瞬間があります。コンプレッサーを使うと、飛び出した大きな音を自動的に抑え(圧縮し)、全体的な音量を持ち上げることができます。これにより、以下の効果が得られます。
- 音が前に出る:小さな音が聞こえやすくなり、存在感が増します。
- まとまりが出る:バラバラだった演奏が馴染み、プロっぽい「グルーヴ感」が生まれます。
- 音作り(キャラ付け):アナログ機材特有の「温かみ」や「太さ」を加えることができます。
失敗しない無料コンプレッサーの選び方
「とりあえず全部ダウンロード!」も良いですが、まずは以下のポイントを押さえておくと、制作の迷いがなくなります。
- 「何に使いたいか」で選ぶ
コンプレッサーには得意分野があります。ボーカルを滑らかにしたいなら「光学式(オプティカル)」、ドラムにパンチを出したいなら「FETタイプ」、全体を綺麗に整えたいなら「デジタル/透明タイプ」といった具合に、目的に合わせて使い分けるのが上達の近道です。 - 操作のしやすさ(UI)
ツマミがたくさんあると高機能に見えますが、初心者のうちは設定が難しくなりがちです。まずはツマミが2〜3個だけのシンプルなものから始めると、音の変化を理解しやすくなります。 - 動作環境の確認
Mac/Windowsの両対応か、お使いのDAW(作曲ソフト)で使える形式(VST, AU, AAXなど)かを確認しましょう。
それでは、ここからは具体的なおすすめプラグインをご紹介します。
Analog Obsession「LALA」【ボーカルに最適】

「ボーカルコンプで迷ったらまずはコレ」と言えるほど優秀なプラグインです。伝説的な名機「LA-2A」をモデルにしており、通すだけでプロのような艶と温かみが加わります。
操作は「PEAK REDUCTION(どれくらい圧縮するか)」と「GAIN(音量を上げる)」の2つを回すだけ。難しい設定なしに、不安定なボーカルを太く、滑らかに整えてくれます。Analog Obsessionはパトロン方式(基本無料)で高品質なプラグインを多数公開しているので要チェックです。
Analog Obsession「LALA」
Tokyo Dawn Records「TDR Kotelnikov」【マスタリング・バス用】

「音の色付けをせず、純粋にダイナミクスだけを整えたい」という場合に最強のツールです。非常に透明感のある(クリアな)サウンドが特徴で、ピアノやストリングス、あるいは曲全体の仕上げ(マスタリング)に最適です。
無料とは思えないほど詳細な設定が可能で、音が大きく圧縮されても不自然になりにくい設計になっています。「デジタルコンプレッサーの最高峰」の一つと言っても過言ではありません。
Tokyo Dawn Records「TDR Kotelnikov」
Xfer Records「OTT」【EDM・派手な音作り】

EDMやダブステップを作るなら必須のプラグインです。これは「マルチバンドコンプレッサー」と呼ばれる特殊なタイプで、高域・中域・低域を個別に強力に圧縮します。
通称「OTTサウンド」と呼ばれる、パキッとした煌びやかで派手な音になります。シンセサイザーやベースにかけると、一気に現代的でアグレッシブな音に変化します。かけすぎると音が平坦になるので、「Depth」ノブでかかり具合を調整するのがコツです。
Xfer Records「OTT」
Klanghelm「MJUC jr.」【太さと温かみ】

ヴィンテージな「Vari-Mu(バリ・ミュー)」タイプのコンプレッサーを再現したプラグインです。このタイプは、音を自然に接着させ、リッチな倍音(心地よい歪み)を加えるのが得意です。
ドラムバス(ドラム全体をまとめたトラック)やベース、ボーカルにかけると、デジタル臭さが消え、密度のあるリッチなサウンドになります。操作も非常にシンプルで、初心者でも「良い音」にたどり着きやすいのが魅力です。
Klanghelm「MJUC jr.」
Audio Damage「Rough Rider 3」【ドラム・攻撃的な音】

「繊細に整える」ことの正反対を行く、破壊的でパンチのあるサウンドが特徴です。10年以上の歴史を持つ超定番フリープラグインです。
ドラムの部屋鳴りを強調したり、ベースをバキバキに歪ませたりと、トラックに強烈なインパクトを与えたい時に活躍します。コンプのかかった音と原音を混ぜる「パラレルコンプレッション(NY圧縮)」にも最適で、ロックやヒップホップなどのジャンルと相性抜群です。
Audio Damage「Rough Rider 3」
MeldaProduction「MCompressor」【多機能・学習用】

「コンプレッサーの仕組みを目で見て理解したい」という方におすすめです。圧縮のかかり具合をグラフで視覚的に確認できるため、コンプの挙動を学ぶのに最適です。
音質は非常に素直で、どんなソースにも使えます。MeldaProductionの無料バンドルに含まれており、このプラグインで基本操作をマスターすれば、どんな有料コンプレッサーも扱えるようになるでしょう。
MeldaProduction「MCompressor」
Klanghelm「DC1A」【超シンプル】

「とにかく難しいことは考えたくない!」という人のための救世主です。ツマミは実質「Input(入力)」と「Output(出力)」の2つだけ。入力レベルを上げていけば、自動的に良い感じでコンプレッションがかかります。
シンプルですが、中身は同社の高機能コンプ「DC8C」のアルゴリズムを使用しており、音質は本格的です。とりあえず音をまとめたい時や、ササッとデモを作りたい時に重宝します。
Klanghelm「DC1A」
まとめ:まずはこの3つから試そう
今回ご紹介したフリーコンプレッサーは、どれもプロの現場でも通用するクオリティのものばかりです。全て試してみるのが一番ですが、迷ってしまう場合は以下の3つから始めてみてください。
- ボーカルを良くしたいなら:
→ Analog Obsession LALA(または Klanghelm MJUC jr.) - 全体を綺麗に整えたいなら:
→ TDR Kotelnikov - 派手なシンセサウンドが欲しいなら:
→ OTT
コンプレッサーは、使いこなせば楽曲のクオリティを底上げしてくれる魔法のツールです。まずは無料のプラグインで、音の変化を体感してみてください。自分好みのサウンドが見つかれば、DTMがもっと楽しくなるはずです。
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