ワーナーミュージックグループがSoundcloudの「ファンパワー」収益化モデルを採用。メジャーレーベルでは初!
大手レコード会社のワーナーミュージックグループは、アーティストがストリーミングの一部ではなく、実際のリスニングに基づいてロイヤリティを得ることができる「ファンパワー」モデルをサポートする契約をSoundCloudと締結しました。
→SoundCloudの「Fan-Powered Royalties」を通じて135,000人の独立型アーティストがロイヤルティ支払いを受けたことを発表
この収益分配モデルをサポートする最初のメジャーレーベルとなり、加入者または広告ユーザーの月収をアーティストに提供します。
「ファンパワー」モデルとは?
通常のストリーミングプラットフォームの大手は、収益をプールし、全体のストリームの一部としてロイヤリティを分配するモデルを使用することにより、トップアーティストの一部に多くの収益が行きわたるという状態が続いていました。
今回のファンパワーモデルではBandcampのようなミュージシャンに公平な報酬を提供しようとするシステムに似ており、ファンによるリスニングに基づいて報酬が支払われます。
アーティストのファンが音楽を聴く時間が長ければ長いほど、アーティストにより多くの報酬が分配されます。ユーザーによって支払われたすべてのロイヤルティ収益が表示され、公平な収益分配が行われていることで、独立型のアーティストを支援する仕組みになっています。
駆け出しアーティストに有利な仕組み
SoundCloudは以前にMidia Researchを通じて、「ファンパワー」システムに参加している11万8000人のミュージシャンの収入を分析したレポートを発表しています。
レポートによると、フォロワーが100人から1,000人のアーティストの64%が、この仕組みによって、一般的なストリーミングの収益モデルよりも多くの収入を得ていたという結果が発表されています。
ファンからみても、アーティストを直接的に支援しやすい環境となっているので、アーティストとファンを繋ぐコミュニティがより強化されるシステムでもあります。
ワーナーミュージックグループの最高デジタル責任者兼事業開発担当である「Oana Ruxandra」は、次のように述べています。
音楽業界の進化は、創造、消費、マネタイズの新しい方法をもたらします。エコシステムの拡大に伴い、WMGは、アーティストとそのコミュニティの機会を最大化するために、新しい経済モデルの推進と実験に注力しています。SoundCloudは、アーティストとファンをつなぐ素晴らしいパートナーであり、私たちの関係を深めることで、両者が将来に向けて積極的に構築することができます。
Oana Ruxandra
ストリーミングプラットフォームとアーティストの対立はこれまでに多くありましたが、今回のSoundCloudとWMGの契約によって、アーティストへの支払い方法に関して、音楽業界が大きく変化する可能性があります。
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