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【トラブル回避】DTMでサンプリングする時に気を付けたい3つの注意点

音楽 サンプリング

【トラブル回避】DTMでサンプリングする時に気を付けたい3つの注意点

DTMにおいてサンプリングを行う際には、いくつかの気を付けるべきポイントがあります。

サンプリングは、他の音源や録音を使用して自身の作品を作り上げる手法であり、その魅力や効果は広く認められています。しかし、正確なサンプルの選択と処理を行うことは、作品や著作権法に関わる重要な要素です。

ライセンスの確認とクリアランス(許可取り)を行い、適切な手法で取り組むことでクリエイティビティの発展と法的なトラブルの回避に繋がります。

今回は、サンプリングを行う際に注意すべき5つのポイントを詳しく解説していきます。

そもそもサンプリングとは?

サンプリングとは?

一般的にサンプリングとは既存の楽曲から一部を切り取り、新しく自身の作品に再利用する手法のことです。

既存の楽曲を使用する以外にも、自分で録音した音を楽曲内で使用したり、フレーズをカットして新しいフレーズを生み出したりと、音楽におけるサンプリングの意味合いは広いです。

サンプラーと呼ばれるハードウェアを使ったり、DAWのサンプラープラグインやカットアップ技術を使って切り取り、それらの音源をループさせたり、大きくアレンジを加えたりして再利用するのが一般的です。

サンプリングの始まり

音源サンプリングの歴史は古く、80年代から90年代初頭のヒップホップ黄金期に始まりました。

そこから技術が発展し、今ではEDM、ロック、カントリー、さらにはモダンなクラシックにまで、あらゆる音楽ジャンルで使用されています。

最近では、サンプリングされた楽曲が権威ある音楽賞を獲得することも当たり前になってきており、そういった声も非常に少なくなってきました。とはいえ、他人の楽曲の一部を再利用しているという行為に、サンプリングに反対するアーティストや音楽評論家も存在します。

実際にサンプリングを行う際には、以下の気を付けるべきポイントについて考慮する必要があります。

1. 適切なライセンスの確認

既存の楽曲からサンプリングを行う前に、楽曲のライセンスを確認しましょう。一般的に出回っている楽曲には「著作権」があります。切り取ったほんの数秒であっても「違法」だという認識は持っておきましょう。

商業利用や改変が可能かどうか、使用料やクリエイティブ・コモンズライセンスの有無など、利用規約をよく読んで理解する必要があります。法的なトラブルを避けるためにも、適切なライセンスを取得することが重要です。

2. クリアランス(許可取り)をする

他人の楽曲から合法的にサンプルを入手するには、著作権者に許可を取る必要があります。とはいえ、個人のクリエイターが一般的に世に出回っているようなメジャー楽曲の著作権クリアランス(使用の承諾を得る)を行うことは簡単ではありません。

レコードのどの部分を使用しているのか?作曲、歌詞、レコーディングされた音、アレンジ、メロディーの一部など、それぞれに権利の所有先が違ったり、さらに所有元が大手の場合には、個人にとって非常に高いハードルとなってしまいます。

仮に取得できたとしてもロイヤリティの支払いを命じられたりと、あまり現実的ではありません。

ネット上では、ピッチを変更したり、アレンジを加えてプラットフォームの警告システムを回避する行為も見られますが、後々大きなトラブルの原因にもなるので止めておきましょう。


勝手にサンプリングするとどうなる?

海外と日本だとサンプリングの認識の違いもありますが、日本だと特に切り取った短いフレーズは勝手に使っても良いという認識のプロデューサーが非常に多いような気がします。

実際には多くのアマチュアやプロでさえも、サンプリングに関して誤った認識を持っていることがほとんどです。

間違えやすいサンプリング知識

  • クリアランスをせずに曲の一部をサンプリングすることは、サンプルの長さに関係なく違法。
  • 著作権局に登録されていなくても、誰かの作品をサンプリングすることはできません。
  • 利益を得るつもりがなくても、クリアランスされていないままのサンプリングは禁止。
  • 歌詞にも著作権は存在する。

「使ってもバレない」「気付かずに使ってしまった」結果、リリースしたあとに法的措置を取られるケースも少なくありません。

実際に起こった事例

  • エド・シーランの大ヒット曲「Shape of You」がサム・チョクリの2015年の曲「OhWhy」からコーラスをコピーしたという告発で、楽曲に対するすべての使用料がストップ。
  • 全米で最もヒットした「Lil Nas X “Old Town Road」はビート販売サイト「Beatstars」で30ドルで売られていたビートを元に作られており、実はそのビートにNine Inch Nailsの「34 Ghosts Ⅳ」が使われていたことが判明。
  • ケイティ・ペリーの「Dark Horse」がフレイム「Joyful Noise」に似ていると判断され、ケイティと制作チームとレーベルは約2億9000万円の支払いを命じられる。

このように、メジャーな人気楽曲でさえもサンプリングによる落とし穴にはまってしまっている例がたくさんあります。

3. 正しくサンプル音源を入手する

先述したように、個人クリエイターが世の中に流通している既存の楽曲からサンプリングを行うことは非常にハードルの高い行為です。

合法的に正しく音源サンプルを入手する方法としては、「Loopcloud」や「Splice」といった商用利用可能なサンプル音源のサブスクリプションサービスを利用するのが、一番安全で最も多くのプロデューサーが採用している方法です。

もう一つは、サンプラーと呼ばれるハードウェアを使用することで、PCが無くても膨大なサンプルライブラリを使って制作にサンプル音源を取り入れることができます。

まとめ

サンプリングを行う際に注意すべきいくつかのポイントについて解説しました。

正確なライセンスの確認、クリアランスの確保、そして正しくサンプル音源を入手することで、不要なトラブルを回避しながら、より質の高い音源を制作することが可能になります。

作品に多様性と創造性を加える為にも、今回の内容を参考にしながら正しくサンプリングを行いましょう。


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