Line 6 Helix「ハードウェアとソフトウェア」による音の違いを検証!
Line 6 Helixは、サウンド品質と音作りの柔軟性の高さから、多くのギタリストやミュージシャンに絶大な支持を得ているマルチプロセッサーです。このHelixには、ハードウェア版とソフトウェア版である「Helix Native」の2つがあります。
ハードウェア版
ハードウェア版は、Helix Floor、Helix LT、Helix Rackといった強力なプロセッシング能力と豊富な入出力端子を備えており、Helixサウンドをライブステージやスタジオ練習で鳴らすことができます。フットスイッチと各種ノブが備わっており、ボディも堅牢な造りになっているので現場での使用に最適です。
ソフトウェア版
一方、ソフトウェア版は、スタンドアローンもしくはDAW上で動作するプラグインとして、Helixのサウンドエンジンをコンピューター内で再現します。ハードウェア版と比較するとリーズナブルな価格設定でありながら、音質面はハードウェア版と同じシステムが使用されています。レコーディングやリアンプなど、DTMベースで音楽制作する方におすすめです。
検証スタート!
まずはハードウェアの方からセッティングしていきます。
今回は、Helix LTの「1/4” OUT」からギターシールドを使って、オーディオインターフェイスの入力に挿します。
HX Editを立ち上げて、今回は「Peavey 5150」モデルと「MESA/Boogie」キャビに「SM 57」マイクを使っていきます。アンプのセッティングはオールフラットにしています。(歪みも5)
次にDAW上で「Helix Native」を立ち上げます。ハードウェア版とまったく同じセッティングにして、それぞれでレコーディングしていきます。
ちなみに音量も同じになるように両方とも「-14LUFS」になるように揃えています。
それぞれのサウンドがこちら
どうですか?好みの問題もあるかもしれませんが、ソフトウェア版の方がレンジが広く、低音がより強調されている印象を受けます。
今回、ハードウェア版はラインアウトを使用したので、シールドを経由することによる劣化と、AD/DA変換(アナログ信号をデジタルに変換、またはその逆)が2回行われることによる影響が大きいように思います。
ハードウェア版を劣化させずに取り込む方法
Helixのハードウェア版を使用していて、なるべく音質劣化を防ぎながらコンピューターに取り込む方法は主に以下の2つです。
USBオーディオインターフェイス機能
Helixはオーディオインターフェイス機能が搭載されています。Helix本体からUSBケーブルでPCに接続し、DAW上でオーディオインターフェイスの設定をHelixを選択して、録音をスタートします。
シンプルで手軽かつ、Helixのフォンアウトにヘッドホンを挿すことで、リアルタイムでのモニタリングが可能です。HelixのDSPを通過するので、わずかな音質変化の可能性はあります。
S/PDIFデジタル接続
HelixのS/PDIF出力(Helix LTは未搭載)をオーディオインターフェースのS/PDIF入力に接続してDAWで録音します。デジタルのまま転送できるので、高音質でレイテンシーが低いのが特徴です。
S/PDIF対応のオーディオインターフェースが必要で、ケーブルも特殊な為、接続がやや複雑です。
それぞれのメリット・デメリット
特徴 | ハードウェア版 | ソフトウェア版 |
---|---|---|
価格 | 高価 | リーズナブル |
携帯性 | 現場で活躍 | DTM環境 |
レイテンシー | 非常に低い | コンピューターの性能に依存、レイテンシーが発生する可能性あり |
音質 | 劣化する可能性が高い | 劣化なし |
拡張性 | 豊富な入出力端子、外部エフェクトとの接続やMIDIコントロールが可能 | 拡張性はハードウェア版に劣る |
DAWとの連携 | 接続が必要 | プラグインとして立ち上げ可能。オートメーション機能などを活用できる |
リアンプ | やや複雑 | 簡単 |
まとめ
Helixのハードウェア版とソフトウェア版について比較しました。それぞれ音質以外にも機能面などで違いがあるので、自分の音楽制作のスタイルやどういった状況でギターを演奏することが多いのか?等を考慮して、最適な方を選択しましょう。
スタジオやライブ現場が多いのならハードウェア、自宅での録音やDAWを使った音楽制作がメインの方にはソフトウェア版がおすすめです。ちなみにハードウェアを持っているとソフトウェア版が大幅値引きされるので、両方入手するという選択肢もありです。
以上、「Line 6 Helix「ハードウェアとソフトウェア」による音の違いを検証!」でした。
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