
【ギタリスト必聴】ギターインストの「常識」が変わる、超絶技巧アルバム10選
長年のギターファンの方であれば「インストゥルメンタル・ギター」という言葉を聞くと、エディ・ヴァン・ヘイレンやイングヴェイ・マルムスティーンのようなレジェンドを思い浮かべるかもしれません。
しかし、現代の音楽シーンでは、これまでのギターインスト楽曲の概念を打ち破る、新しい世代のインストゥルメンタルギタリストたちが登場しています。彼らは独自の音楽性と演奏スタイルで多くのファンを魅了しており、その人気はニッチな界隈を飛び越え、メインストリームにも影響を与えています。
今回は、今まさに注目すべきインストゥルメンタルギターアーティスト達のおすすめアルバムを、最新の人気トレンドを反映してご紹介します。
Polyphia - Remember That You Will Die
Polyphiaは、テキサス州で結成されたインストゥルメンタル・ロックバンドで、現代のギターシーンを牽引する存在です。テクニカルな演奏、ユニークなリズム、洗練されたメロディ、そしてトラップ、ヒップホップ、ジャズ、エレクトロの融合によって独創的な楽曲を作りだします。
2022年にリリースされた最新アルバム『Remember That You Will Die』では、ナイロン弦を使用した"Playing God"、クレイジーなリックと日本語詞を取り入れた"ABC"、そして伝説的ギタリストSteve Vaiをゲストとして迎えた"Ego Death"など、ネットを騒がせるキラーチューンが満載です。
Plini - Impulse Voice
Plini(プリーニ)は、オーストラリア出身のギタリスト、作曲家で、インストゥルメンタルロックとプログレッシブメタルのシーンで絶大な評価を得ているアーティストです。独自のギター奏法と作曲スタイルで知られ、メロディアスでテクニカルなギタープレイと洗練された楽曲構造が特徴的です。
彼の楽曲にはプログレッシブロック、ジャズ、フュージョン、アンビエントなど、さまざまなジャンルの要素がシームレスに融合されており、2020年にリリースされた『Impulse Voices』は、卓越したメロディーセンスと、独自の世界観を展開し、インストゥルメンタルギターの表現力を一段階押し上げた傑作アルバムといえます。
Covet - Catharsis
Covetは、アメリカのインストゥルメンタルロックバンドで、人気ギタリストの「Yvette Young(イヴェット・ヤン)」が所属しているバンドとして知られています。
Covetの楽曲は、ポストロック、プログレッシブロック、マスロックの要素が組み込まれており、感情豊かで幻想的な雰囲気な曲が多く、Yvette Youngのタッピング奏法や、フィンガーピッキングといったユニークなギタープレイスタイルが前面に出ています。
2023年リリースの『Catharsis』は、アルバム全体がクリエイティビティにあふれており、映画のような壮大さを持った楽曲が多く収録されています。
Intervals - Circadian
Intervalsは、カナダのギタリスト"Aaron Marshall"によるプログレッシブ・インストゥルメンタルプロジェクトです。洗練されたギタープレイとプログレッシブな要素を含んだキャッチーな楽曲が特徴です。テクニカルでメロディアスなリフ、複雑なリズム、洗練された楽曲構造を組み合わせて、独自のサウンドを展開しています。
アルバム『Circadian』は様々な雰囲気を持った楽曲で構成されており、王道メタリックな楽曲から、陽気なポップパンクを思わせる楽曲まで、幅広いジャンルをインストで見事に表現しています。
Animals as Leaders - Parrhesia
Animals as Leadersは、アメリカのプログレッシブメタル・インストゥルメンタルバンドで、テクニカルで複雑なギタープレイと独自性の高い音楽スタイルでシーンの頂点に君臨しています。
ジャズ、フュージョン、デスメタル、アンビエントなど、多様な音楽ジャンルから影響を受けており、特にギタリストの"Tosin Abasi"による8弦ギターを使った複雑なタッピング、スウィープ、ポリリズムなどの超絶技巧で知られています。
2022年リリースの『Parrhesia』は、重厚かつ強調された低音感で、最もプログレッシブかつ破壊的なインストゥルメンタルギターバンドとしての地位を不動のものにしました。
Steve Vai - Inviolate
冒頭で触れた「レジェンド」の一人、Steve Vai(スティーヴ・ヴァイ)ですが、彼もまた進化を止めていません。2022年にリリースされた『Inviolate』は、彼の健在ぶりと革新性を示すアルバムです。
特に注目を集めたのが、3ネック・12弦のハープ、7弦ギター、ベースを組み合わせた特注ギター「ヒドラ」を駆使した楽曲"Teeth of the Hydra"です。その独創的なアイデアと圧巻の演奏技術は、まさに「レジェンド」の領域でありながら、新しい世代のギタリストにも通じる「革新性」を示しています。
全編を通して、ヴァイにしか出せないメロディと超絶技巧が楽しめる、現代のインスト名盤です。
Jason Richardson - II
Jason Richardsonは、アメリカのギタリストで、アグレッシブかつ超絶テクニカルなギタープレイで人気を博しています。Born of OsirisやChelsea Grinといったメタルコアバンドでプレイした経験があり、特にメタルコアドラマーの「Luke Holland」とのプロジェクトで注目されています。
2022年リリースの『II』は、速弾き、タッピング、スウィープピッキングなど、多彩なギター奏法を最高レベルで駆使し、シンフォニックな要素も取り入れた壮大なインストゥルメンタル・アルバムです。その圧倒的な情報量とテクニックに魅了されること間違いなしです。
Lari Basilio - Your Love
Lari Basilio(ラリ・バシリオ)は、ブラジル・サンパウロ出身のギタリストで、そのメロディアスで感情豊かなプレイスタイルで世界的に人気を集めています。
彼女の音楽は、ロック、フュージョン、ジャズの要素を併せ持ち、歌うようなギターフレーズとクリーンで洗練されたトーンが特徴です。テクニカルでありながらも、常に「曲の良さ」を最優先するスタイルが高く評価されています。
2022年のアルバム『Your Love』では、伝説的なドラマーのヴィニー・カリウタを迎え、彼女の卓越したメロディセンスと作曲能力が存分に発揮されています。
Khruangbin - A La Sala
Khruangbin(クルアンビン)は、テキサス州ヒューストン出身の3人組バンドで、これまでのプログレッシブ系とは一線を画す存在ながら、現代のインストシーンで絶大な人気を誇ります。
タイのファンク、中東のサイケデリア、ソウル、ダブなど、世界中の音楽要素を取り入れた彼らのサウンドは、唯一無二です。ギタリストのマーク・スピアーによる、空間系のエフェクトを多用したメロウで催眠的なギターリフが、バンドの心地よいグルーヴを生み出しています。
2024年リリースの最新アルバム『A La Sala』は、彼らの原点回帰ともいえる作品で、リラックスした雰囲気の中に中毒性の高いメロディが詰まっています。
Ichika Nito
Ichika Nito(イチカ・ニト)は、日本が世界に誇るギタリストで、特にYouTubeやInstagramなどのSNSを通じて爆発的な人気を得ています。
彼の特徴は、タッピングやフィンガーピッキングを駆使した非常に繊細でリリカルなプレイスタイルです。琴やハープのようとも評されるその美しい音色は、多くのショート動画で世界中のファンを魅了しています。
彼は伝統的なアルバムリリースの形だけでなく、EPやシングル、ショート動画での楽曲発表をメインにしており、その活動スタイル自体が「新しい世代」を象徴しています。彼のYouTubeチャンネルでは、"Awakening"や"Palm"など、その類稀な才能を感じさせる楽曲を多数聴くことができます。
まとめ
最新のインストゥルメンタルギターアルバム・アーティストおすすめ10選をご紹介しました。
- Polyphia - Remember That You Will Die
- Plini - Impulse Voice
- Covet - Catharsis
- Intervals - Circadian
- Animals as Leaders - Parrhesia
- Steve Vai - Inviolate
- Jason Richardson - II
- Lari Basilio - Your Love
- Khruangbin - A La Sala
- Ichika Nito
これらのアーティストとアルバムは、新しい音楽体験と、独自の世界観、そして高い演奏技術を兼ね備えています。
斬新なアプローチ、メロディアスな魅力、幻想的なサウンド、そして重厚かつテクニカルな要素を持つ楽曲が多く、新しい音楽に触れたい方にとっても非常におすすめできるラインナップです。
以上、「【ギタリスト必聴】ギターインストの「常識」が変わる、超絶技巧アルバム10選」でした。