ギターアンプのノイズの原因と5つの対策方法
ギターアンプを使用して演奏を楽しんでいる際、とくにゲインアップした時に発生する「ジジジ・・・」といったノイズ。気になりますよね?
ギタリストにとって、ノイズフリーな環境での演奏は、創造性とインスピレーションを高め、不快なノイズを最小限に抑えることで、よりクリアでパワフルな音楽表現を実現することができるでしょう。
ノイズの発生原因はさまざまあり、ノイズ対策の方法もいくつかあります。そこで、今回はギターアンプのノイズの原因と、それに対処するためのいくつかの効果的な対策方法をご紹介します。
ノイズの原因
ギターアンプのノイズは、さまざまな要素によって引き起こされることがあります。一般的なノイズの原因は以下の通りです。
電源ノイズ
電源ノイズは、ギターアンプに供給される電源回路からのノイズや干渉が原因で発生します。これは、電力供給の不安定さや他の電子機器からの干渉によって引き起こされることがあります。
電源ノイズの一種となるハムノイズは、電源回路のグラウンドループや近くの電力線からの誘導による、交流電源からの周波数の低いノイズです。一般的なハムノイズの周波数は50Hzまたは60Hzであり、これは電力供給の周波数に対応しています。
ケーブルの問題
ギターアンプのノイズの原因として、ケーブルが関係しているケースが多いです。
ケーブルの外皮が破損している場合や内部の導体が断線しているような劣化したケーブルを使用すると、ノイズの発生源となります。特に長期間使用された古いケーブルは、劣化が進んでいることがあるので注意が必要です。
同じく、アンプに接続するプラグ部分が劣化していることで、接触不良が起こり、ノイズやクリック音の原因となります。
エフェクターの問題
足元のエフェクターがノイズの原因となっている場合も多いです。電源や接続の順番、パッチケーブルをチェックし、ボリュームペダルのようなそもそもノイズが発生しやすいエフェクターもあります。
ケーブルと同じように、長い期間使用されたエフェクターは、内部的に劣化が進んでいることがあるので注意が必要です。
ギターとアンプを直アンで繋いでみて、ノイズが鳴らなかった場合にはエフェクター部分が原因である可能性が高いです。
グラウンドループ
グラウンドループは、異なる電子機器やコンポーネント間でのグラウンドポテンシャルの違いによって引き起こされる現象です。
微小な電位差がアンプ回路に混入し、ブズノイズ(高周波のジージーとしたノイズ)として聞こえることがあります。特にデジタル機器や高いゲイン設置のときに発生しやすいです。
電磁的干渉
電磁的干渉は、電子機器や通信システムにおいて、周囲の電磁波が不要な信号やノイズとして影響を与える現象です。
電磁的干渉の主な発生源は、通信機器、テレビ等の家電、電力線、スマートホン等があり、これらの発生源から放射される電磁波は、周囲の電子機器やケーブルに誘導されることで干渉を引き起こします。
デジタル機器が増えた現代では、ノイズの原因として一般的です。
ノイズ対策の方法
ここからはギターアンプからノイズが出ているときの、一般的なノイズ対策の方法についてご紹介します。
ノイズ対策の方法はいくつかありますが、原因を特定してから、自分の演奏スタイルやプレイ環境に合わせて最適な方法を選ぶようにしましょう。
1. 電源の品質を確保する
安定した電力供給はノイズを軽減する上で重要です。電源回路にノイズフィルターを追加するか、電源が安定したコンセントを使用することで、電源ノイズを減らすことができます。
電源タップを使ったり、アンプにつなぐ電源ケーブルを高品質なものに交換することで、よりクリアな電源を供給することができるようになるので、ノイズを低減させる効果も期待できます。
2. シールドを交換する
先ほどもいったようにギターシールドもノイズの原因となるので、安価なギターシールドや長年使用して劣化してしまったシールドを使っているとノイズが発生しやすくなります。
シールドは弦と同じように「消耗品」なので、音質劣化やノイズが目立つようになってきたら交換するようにしましょう。
新しいシールドを買うときは、もちろん高級な製品ほど良質で安心感はありますが、低価格で高品質な製品を提供している信頼あるメーカーもたくさんあるので、色々調べてから購入することをおすすめします。
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3. エフェクターをチェック
足元のエフェクターがノイズの原因となっている場合は、原因の特定に時間がかかることもあります。
エフェクターの中からノイズの原因を特定する方法としては、一つ一つ繋いでみて確認するという方法が確実ですが、たくさん繋いでいる場合には原因を特定するのに時間がかかります。
手っ取り早くノイズを消したいという方は、ノイズサプレッサーやノイズゲートのようなノイズ対策エフェクトを使用することで、不要なノイズをごっそりカットすることができるのでおすすめです。
4. 演奏ポジションを変える
演奏時に、楽器の位置や立ち位置を変えるだけでノイズがピタっと止まることもあります。
アンプの方を向いたり近づきすぎると、アンプから出た音を再びピックアップが拾ってしまいノイズ増幅やハウリングの原因にもなります。
ギターとアンプとの距離、向きによってノイズボリュームが大きく変化するので、特に大きな音を鳴らす環境(スタジオやライブハウス)では、立ち位置も影響しやすいです。
5. 電子機器を近くに置かない
ギターの音は、弦の振動をピックアップと呼ばれる機器で電気信号に変換してアンプから出力されています。
ピックアップは弦だけの信号をキャッチするわけではなく、ギター本体以外の微量の電気信号もキャッチしてしまうので、アンプ周辺に電子機器が無いか確認しましょう。
- スマホ
- ノートパソコン
- エアコン
- 扇風機
- 電気ストーブ
これらが原因でアンプからノイズが発生していることがあります。
ちなみにピックアップだけじゃなく、シールドやアンプ本体も外部の電気信号の影響を受けるので、アンプの上にスマホやノートPCを置くとノイズの原因となります。
まとめ
ギターアンプのノイズの原因と5つの対策方法についてご紹介しました。
ギターのノイズの原因には様々な要因が絡んでおり、原因ごとに適切なノイズ対策をとる必要があります。特に最近はデジタル機器が多く普及しているので、不要な電子機器や電源ケーブルとの距離を保つことで、電磁的干渉を減らし、ノイズの発生を防ぐことができます。
不快なノイズを最小限に抑えることで、よりクリアで解像度の高いギターサウンドを鳴らすことができるでしょう。