Russから学ぶ現代の音楽成功術とは?
RussといえばSNSマーケティングを駆使し、コツコツと地道な活動を続けることでファンを獲得し、2019年の米経済誌「Forbes」で、世界的な影響を与え、次世代をリードする若者30人を選出した「30 Under 30」 の音楽部門に選ばれた世界で最も稼ぐラッパーの一人。
現代の個人で活動するミュージシャンへの成功法を示してくれた偉大なる人物です。
すべてを一人でこなすアーティスト
Russは無名な頃からほぼ1人で活動してきており、音楽活動に必要なプロデュース、レコーディング、ミックス、マスタリングをすべて自分でこなし、1週間に1曲リリースし、そしてすべてのSNSで告知するといったプロモーション活動も一人で行っていました。
2011年12月から2014年8月まで、11枚のアルバムと87枚のシングルをすべて無料でリリースし、2018年4月にはプラチナ認定を受けます。
この地道な活動をコンスタントに継続し続けてファンを獲得し、大御所とのコネクションやビッグネームとのコラボも無しに10年間の下積みを経て、たった一人の力で成功した珍しいタイプのラッパーです。
1曲あたりの収益が1億円を突破
2020年の5月16日に彼の持ち曲300曲以上ある楽曲のうち、2曲のストリーミングによる収益を公開。
1曲あたりの収益額が1億円を超えており、この投稿は世間に大きな衝撃を与えました。
この投稿は音楽に大きな価値があることを示してくれています。
レーベルや事務所に所属せず、活動に必要な業務も一人でこなし、すべての原盤権を所有しており、ファンからダイレクトにアーティストへ還元した場合、このような数字になります。
最近はこの「原盤権」を所有することの重要性を訴えるアーティストも多く、Nipsey Hussleや最近だとKanye Westも原盤権と事務所の在り方について提言していたことが大きなニュースとなりました。
ストリーミング時代に突入し、音源リリースするにあたって流通であるディストリビューションの選択の自由もあり、個人として活動を続け、レコード契約無しでもアーティストとして成功できることが証明されることとなります。
HIPHOPがメインストリームであり続ける理由
ストリーミング時代になり、Russのような独立型のアーティストが増えたことと、HIPHOPが世界中のトップチャートを独占していることには関係があります。
各種SNS、SoundCloud、YouTube、Spotifyといった音楽の主戦場のアルゴリズムが以前の音楽市場の在り方を大きく変化させました。
各ソーシャルメディアで浮上する為にはおすすめや関連を獲得するような動き方が重要であり、より多くの人の目にとまるには1コンテンツのクオリティよりも、スピーディーかつ定期的にリリースすることが大切です。
以前のような、費用と工数をかけたミュージックビデオを数か月に1本リリースし、多額の費用をかけて宣伝していた時代にはないようなスピード感が求められます。
そういった点で、HIPHOP界隈のTypeBeat戦略やビートメイクに使用されるループ主体の音楽は非常に相性が良く、ラッパーやシンガーとのコラボレーションもデータのやり取りで完結することが可能なので、スピーディーな定期リリースを求めているプロデューサーやアーティストにとっては最適です。
しかし、逆にロックバンドのような楽曲の制作に多くの工数を必要とするジャンルは中々ソーシャルメディアに浮上することが難しい状況だと言えます。
多くの人にとっては便利なソーシャルメディアのアルゴリズムが、芸術界への弊害として、時間をかけて作品を仕上げることが許されない状況となり、今までよりも簡易で商業的な音楽がフィーチャーされている事実は隠せません。
これからの音楽活動に必要なこと
感動を与える音楽をリリースし、良いステージを披露して、やがて大手のレーベルや事務所にピックアップされ、宣伝、マネージメントを受けるという王道の道筋が大きく変化しました。
さらには社会情勢的にもアーティストにとって大きな柱となっていた、コンサートやライブ活動が難しくなった今、Russから学ぶべきことは非常に多いです。
音楽に関することは独立型での活動を軸に置きつつ、音楽制作以外のマーケティングや宣伝のような部分はレーベルに任せるといった柔軟な動きも必要になってくることでしょう。
社会の働き方が大きく変わっている今、アーティストも改めて自分の活動スタイルを考え、フリーランスのような完全独立型タイプの活動も選択肢の一つとして視野に入れておくべきなのかもしれません。
以上、「Russから学ぶ現代の音楽成功術とは?」でした。
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