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次世代ボカロソフト「Synthesizer V Studio 2」を発表!AI機能の強化により歌わせたいイメージをより簡単に実現可能に

出典 : Dreamtonics

次世代ボカロソフト「Synthesizer V Studio 2」を発表!AI機能の強化により歌わせたいイメージをより簡単に実現可能に

世界最大級の楽器見本市「The NAMM Show 2025」にて、歌声合成ソフト「Synthesizer V」の最新バージョン「Synthesizer V Studio 2」が発表されました。

Synthesizer Vが2020年7月に登場して以来、より人間らしく革新的な進化を遂げてきた歌声合成ソフトウェアとして注目を集めました。現在のバージョン1.11.2を経て、今回新しく世に送り出されるのが「Synthesizer V Studio 2」です。

NAMMの会場では、開発バージョンによるデモが行われ、新しくなったUIと進化した歌声合成エンジンに注目が集まりました。Dreamtonicsによると今回の新しいエンジンはより人間らしい歌声と、幅広いダイナミックレンジを持ち、これまでよりも表現力が大幅に向上しているとのこと。

さらにレンダリング速度も現行バージョンと比べて約3倍になり、ストレスフリーな制作環境を提供します。AIによるアシスト機能も強化されており、歌声の微調整や表現の変更がこれまで以上に簡単に行えるようになっています。

より細かいボーカルスタイルの調整が可能に

Synthesizer V Studio 2ではより細かくボーカルスタイルの調整が可能になっています。従来の「ボーカルスタイル」パラメーターですが、以前はスライダーで調整していたものが、ノブ型に変わりました。ただのUIの変化だけでなく、歌声の変化の幅が広くなっています。

これまでの「Natalie」のスタイルパラメーターはBold、Soft、Warm、Soulful、Steadyといったパラメータがありましたが、これらのパラメータが更に進化し、より幅広い表現力を持つようになりました。各パラメータの右上にある+ボタンを押すと、Pitch(ピッチ)、Timbre(声色)、Pronun(発音)の3つに分解され、声色を変化させずにピッチだけを調整したりと、きめ細やかなコントロールが可能になっています。

AI機能の強化

NOTESパネル

これまでの「AIリテイク」パネルが無くなり、ノートプロパティと一緒になった「NOTES」パネルに変更されています。このパネルでは、歌唱モードとラップモードの切り替え、そしてEXPRESSIONと呼ばれる新しいパラメータ調整機能と下段にAIリテイク機能が備わっています。

EXPRESSIONパッドは、ポインターを動かすことで歌い方を直感的に操作できる画期的な機能になっています。例えば、「Vibrant」方向にパラメータを動かすと、活気のある表現力豊かな歌声になり、逆に「Stable」や「Refined」方向に調整すると、安定感のある洗練された歌声になります。

「Raw」の方向に動かすと、より生々しい人間味のある歌声になりますが、意図しないピッチ変化が起こったりする可能性もあります。

AIリテイクパネル

以前のAIリテイク機能は「テイクを生成」ボタンを押すことで、ランダムに歌い直しをしてくれる機能でしたが、Studio 2ではタイミング、ピッチ、声色、そしてその全てを一度に調整する「All」ボタンが追加されています。

例えばタイミングと声色は完璧だけど、ピッチだけを修正したいといった場合に「ピッチ」ボタンを押すことで、ピッチ感だけを修正して歌い直してくれるという画期的な機能になっています。

これにより、割と運要素の強かったAIリテイク機能が、より簡単かつ自分の理想とする歌声をよりスピーディーに生成できるようになりました。

新しいAIアシスト機能

ピアノロールの編集ツールの中に山なりアイコンが追加されており、これを選択後にピッチの波形をつまんでマウスでドラッグすると、変化に合わせて周りの波形も動いて自然な歌声をキープしてくれるのです。

これまでのバージョンでは、しゃくりやビブラートなど、どうしても気に食わない時は自分で線を書くこともあったのですが、全体の自然さが失われてしまうことがよくありました。このAIアシスト機能によって、自然さ損なうことなく、より理想的なピッチ曲線を描くことが可能になりました。

発音の「タイミング」と「強弱」の編集が簡単に

ピアノロールの下部には「Phoneme Timing」と呼ばれるパラメーターがあり、ここを調整することでノートのタイミングとは別で、母音と子音の発音タイミングや音の強弱を個別に調整することができます。

これにより、発声の微妙なニュアンスを表現することが可能になります。例えば「力を込めて突っ込み気味」にしたり、ほとんど発音しないような小さなニュアンスも再現可能になっています。

詳細はまだ未発表

Synthesizer V Studio 2の発売時期や価格に関してはまだ未発表な状態です。公式サイトからはまだ詳細な情報は出ていませんが、Dreamtonicsのユーザーフォーラム内で製品に関する情報が交換されているようなので、気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

Synthesizer V公式サイト


Synthesizer Vの使い方:ボーカル打ち込みから調声までを分かりやすく解説

Synthesizer VとVOCALOIDは何が違うの?それぞれの特徴を解説

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