ギターソロの音作りで気を付けるべき5つのこと【中級者向け】
この記事を見ているみなさんはプロギタリスト達のギターソロ。ボーカルに変わってギタリストがスポットライトを浴びるあの瞬間に憧れて、ギターを始めたという方も多いかと思います。
ただ、楽譜をみて憧れのギタリストと同じように弾いてみても「なんか自分の音は弱々しくて迫力が無い・・・」とお悩みの方も多いのでは無いのでしょうか?
今回は少しでもプロの迫力あるギターサウンドに近づける為にも、ギターソロの音作りで気を付けるべき5つのことについて解説していきます。
1. 音量感
ギターソロに限った話ではありませんが、音量感はミキシングにおいて最重要ポイントといっても過言ではありません。
ギターソロの場合ジャンルによって最適な音量感というのは違ってきますが、例えばボーカルと同じように一歩前に踏み出したような音量であったり、周りのサウンドに溶け込むくらいの音量であったりします。
ここで大切なのは目当ての音量感をあらかじめ決めておくということです。
音量感の違いによってフレージングやギターの音作りも変わってくるので、現代のバンドアンサンブルに馴染ませた状態にするのか、又は80、90年代のギターヒーローのように完全にギターソロにスポットを当てて弾くのかということをある程度イメージしておきましょう。
仮にアンサンブルに馴染ませる場合は、コードトーンを主体にしたフレーズ構成にしたほうが馴染みが良かったり、他の楽器との兼ね合いをみてギターの低音はごっそりカットする必要も出てきます。
逆にギターを前面に押し出す場合はスケールでごり押せたり、低音を出した方が迫力がでたりすることもあります。
まずはイメージに近い既存楽曲を参考にして最適な音量感を決めておきましょう。
2. 歪みギターにコンプレッサーはいらない
ギターソロの場合はサスティーンを稼ぐ為にコンプレッサーをかけましょうと言っている教則本やサイトもたくさんあるので誤解しがちですが、ディストーションやファズのような激しい歪みを使っている場合は必要ないです。
歪みエフェクターの原理はざっくりいうと「激しいコンプレッション効果」によるものです。
ディストーションギターを録音してその波形を見れば分かるかと思いますが、かなり圧縮されていてダイナミクス(音の強弱)がほとんどない状態になっています。
この状態にさらにコンプレッサーをかけてしまうと、ピッキングニュアンスを潰してしまったり、音の迫力が無くなる原因にもなるので注意しましょう。
もちろんクリーンからオーバドライブぐらいの軽い歪みの場合はサスティーンを稼ぐという意味で使用することはあります。
3. ミッドブースト
250Hz~2kHz辺りのミドルからハイミッドにかけた周波数帯域はギターにとって一番おいしい帯域です。
ギターソロで目立たせたい場合にはボリュームを上げなくても、EQやアンプのMIDDLEノブを使ってこの帯域を上げるだけでアンサンブルから抜けて前面に出てくるので、音量との兼ね合いもみながら調節しましょう。
フットスイッチで単に音量だけブーストするとハイとローミッドも一緒に持ち上がるので、ギターソロ専用の音作りをしたチャンネルを作成することをオススメします。
音作りのヒントとしてはボーカルが抜けた空間にギターを配置するイメージで作ると良いです。
4. 低音の量はポジションによって変わる
ギターソロに最適な低音の量を決めるのは意外と難しいです。
ギターの低音は基本的にはカットの意識でいいのですが、ギターが前面に出てくる場合にはある程度低音を出していないと、アンサンブルに合わせたスカスカな状態のギターが飛び出してくることになります。
他の楽器と被らないように低音をごっそりカットしたギタートーン。これをそのままブーストすると、
少し極端ですが、このように低音のないスカスカのギターサウンドが聴こえてきてしまうのです。
1項目で決めた音量感との兼ね合いもみて、アンサンブルから飛び出るような場合は低音もしっかり補強しておきましょう。
あとは、当然ですが使用するフレットによっても低音の量は変化するので、できればそれに合わせて低音量をコントロールするのがベストですが、生のライブのような環境だとほぼほぼ不可能です。
DTMのような環境だと、12フレット以上のハイポジションとミドルポジションの両方を使うギターソロを弾く場合には「マルチバンドコンプレッサー」や「ダイナミックEQ」と呼ばれるプラグインソフトを使うと、飛び出した低音にだけ反応してカットすることも可能になります。
5. 空間系でステレオ感を演出
基本的にはギターソロはセンターに配置することが多いと思いますが、バラード系のような空間に余裕がある場合はピンポンディレイやリバーブをワイドに広げるといったテクニックを使用して音像を左右に広げることもあります。
これだけでもかなり壮大な雰囲気のギターソロになるのでオススメのテクニックですが、やりすぎると音像が濁ったり、ギターソロが奥に引っ込んでしまって抜けが悪くなる原因にもなるので、かけすぎには注意しましょう。
最近の空間系プラグインやディレイペダルにはもともとピンポンディレイが搭載されているモデルも多いので、チェックしてみてください。
→ディレイエフェクター人気ペダル5選【ギター】
まとめ
ギターソロの音作りで気を付けるべき5つのことについて解説しました。
- 音量感
- 歪みギターにコンプレッサーはいらない
- ミッドブースト
- 低音の量はポジションによって変わる
- 空間系でステレオ感を演出
これをやれば劇的に音質が良くなるといったような内容では無いですが、今のサウンドにさらに磨きをかけて良くしたいという方は試してみてはいかがでしょうか。
こちらの記事でも詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。
→ギターソロの音作りに必要な4つの要素について
以上、「ギターソロの音作りで気を付けるべき5つのこと【中級者向け】」でした。