音楽で稼ぐことが出来ないミュージシャンの5つの特徴
あえて偉そうでパンチの効いた見出しにしていますが、実際に才能あるミュージシャンでも収入が得られないことが原因で活動を断念したという方は少なくはないはずです。
多くの人に感動を与えることができる音楽家がお金が原因で辞めてしまうのは、非常にもったいないことです。
そこで今回は、プロとして長く音楽を続ける為に必要なことや、自分自身の経験も絡めて音楽で稼ぐことが出来ないミュージシャンの特徴についてお話します。
1. 見つけてもらえると思っている
アーティスト全員が簡単に発信できる時代なので、当たり前ですが積極的に発信できる人は強いです。
以前は個人が音楽をリリースするというのは非常にハードルが高く、売れる為の王道ルートとして音楽業界に見つけてもらって、マネジメントや流通をお願いするというのが一般的でした。
つまり当時のミュージシャンにとっての主な目標は、すでに業界で成功している誰かに発見されることであり、業界が持つコネクションや活動費用の援助を受けるということで、自分の音楽を多くの人にリーチすることが可能になりました。
しかし現在は、レコーディングや制作、音楽のリリースはこれまで以上に簡単になり、最低限スマホとインターネット接続だけがあれば、業界をパスしてアーティスト活動に必要なことはほとんどクリアできるほど利便性は向上しました。
実際に自分のスキルを各種SNSで発信して、世界中でファンを生み出して成功しているクリエイターが多いことは言うまでもないですが、このような誰でも簡単に発信できる環境下でも誰かに見つけてもらって引っ張り上げてくれるのを待っている人は多いです。
もちろん大人の支援者や業界が付くのはメリットも多いですが、今の多くの成功しているアーティストは自分で音楽の売り方を学び、自分でファンを付ける方法を模索して積極的に活動しています。
業界側からしてもわざわざ無名な人を選択して、将来性に期待してギャンブルをする必要も無く、すでにファンが多く付いているミュージシャンを見つければいいわけです。
つまり業界の誰かがあなたの音楽活動を見つけた場合、その頃にはすでに証明された音楽的な実績と多くのファンを持っているはずなので、音楽的な援助が必要かどうかの選択もとれることになり、個人と企業間でも公平な条件を選択できる余裕も生まれます。
2. コンテンツ量が少なすぎる
ミュージシャンに限らず、人気のクリエイターの多くは絶えることなく毎日コンテンツを量産しています。
これまでは月1の新曲リリースで十分だったのかもしれませんが、今は多くのコンテンツで溢れかえっているので、月に数本リリースした程度では人の目に留まることすら無く、大量のコンテンツに埋もれて流れ去ってしまいます。
個人で積極的に活動する場合、嫌でもSNSやウェブサービスを利用することになると思いますが、こういったプラットフォーム上でも品質の良いコンテンツを多くリリースするクリエイターが優遇されやすい仕組みになっていることが多いので、こういった面でも作品が少ないというのは不利です。
テレビ、音楽、ゲーム、漫画のような限られたコンテンツを一部のプロが発信するという時代は終わり、ユーザーの仕事返りの30分の隙間時間でさえ、クリエイターにとって奪い合うべきポジションです。
品質が良いことは当たり前に、定期的にリリースできる仕組みを考えることも現代のアーティストにとっては必須スキルとなります。
3. 音楽の力を過信しすぎている
Twitterのタイムラインを観ていると新曲リリースするたびにティーザービデオ作成して「新曲リリースまであと〇〇日!」のように大風呂敷を広げてから発表するアーティストをよく見かけます。
もちろん重要なイベント事を予告することは大切なのですが、それ以前に音楽やミュージックビデオだけを単発リリースすることがコンテンツとして弱くなっているということに気付けていないアーティストの方も多いように感じます。
肌感覚的な話にはなってしまいますが、既にファンを多く抱えているアーティストなら話は別ですが、名前も知らないようなアーティストの音楽をわざわざ聴きに行ったり、音楽だけを目的として楽しむという機会はかなり減ってきたなというような印象を受けます。
これから新規で音楽ファンを獲得するには、例えばTikTokのような人気コンテンツの裏で流してもらったり、他の面白いコンテンツのBGMとして使用してもらったりといったような、まずは2次的コンテンツとして音楽を楽しんでもらうといった意識も大切です。
もちろんミュージシャンとして1次コンテンツとして楽曲メインで売り出すスタイルはカッコいいですが、人気ボーカリストを起用したり、誰もが納得の最高の音楽を作って広告をかけるといった予算や努力は必要になるかもしれません。
4. 音楽に投資していない
独立したインディーズミュージシャンだからといって、音楽以外の活動業務をすべて自分でやらなくてはいけないというわけではありません。
実際一人ですべてをこなすのは難しいですし、逆に音楽の為の練習や制作にかける時間が減ってしまっては本末転倒です。
音楽を作るにはさまざまなスキルが必要です。なるべくコンテンツの質と量を最大化するためにも、得意なことや楽しんでやれていることに集中して、それ以外の苦手なことは外注したり、予算をかけて外部サービスを利用するのも戦略の一つです。
ミキシングまでやってマスタリングは外部のオンラインサービスを利用したり、ジャケットのカバーアートやビデオ制作は外注したりといったような時間的な投資をすることは、結果的には自分の得意分野を伸ばすということに繋がります。
自分の音楽的な時間をもっと生み出す為に、音楽レーベルやマネージメント会社に所属してフォローしてもらうという選択もありです。
5. ビジネススキルが低い
音楽で生計を立てるということは個人で音楽会社を起業するのと同じことなので、起業や経営に関するスキルは役に立ちます。
多少の勉強は必要になりますが、音楽収入を確立させる為に取り組むべきことであり、必要であればその分野に長けた人をチームとして雇うことも視野に入れましょう。
特にミュージシャンはお金を稼ぐということに後ろめたさを感じる場面が多いので、生活の為のお金はアルバイトで稼いで、ビジネスとして音楽をやることはダメだ!みたいな風潮が時としてミュージシャンを苦しめます。
まずは、ファンからの直接的な支援が得られるサービスを利用したり、音楽やスキルを収益に変換するといった仕組みを構築することも、音楽制作と同じくらい重要だと言えます。
競合が多い音楽シーンで生き残る為にも、早い段階で音楽から収入を得ていないとミュージシャンとして成長することも難しくなります。アルバイトで1日の半分を消費しているミュージシャンと、1日中音楽に触れていられるミュージシャンではどんどん実力差が開きます。
その他にも、まずは編集や音楽講師、ハウツー系の動画等、直接的では無いけど自分の音楽スキル向上の為に役に立つ分野で収入を得ながら活動するという選択肢もあります。
まとめ
音楽で稼ぐことが出来ないアーティストの5つの特徴についてお話しました。
- 見つけてもらえると思っている
- コンテンツ量が少なすぎる
- 音楽の力を過信しすぎている
- 音楽に投資していない
- ビジネススキルが低い
音楽のビジネス面について学んで、音楽業界は絶えず進化しているので最新の情報を収集することも忘れないでください。
音楽業界だけに限らず、ものすごい速さで新しいデジタルツール、新しいやり方、新しいマーケティング戦略が生まれているので、もしかするとこの記事の内容も1年後にはまったく役に立たなくなっているかもしれません。
常に流行のミュージシャンの動向をチェックするのも思わぬヒントになるかもしれません。
以上、「音楽で稼ぐことが出来ないミュージシャンの5つの特徴」でした。
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