FL Studioが「使いにくい」と言われる5つの理由
FL Studioは他の主要なDAWと比べると、少し特殊な操作感なので一部のユーザから「使いにくい」と言われることもあります。
確かに万能タイプというよりは、扱う音楽ジャンルよっては非常に強力なワークフローを提供してくれますが、一部のジャンルによっては少し不自由さを感じることもあるかもしれません。
そこで今回はFL Studioを使用していて「使いにくさ」を感じてしまう要因をいくつかご紹介します。
1. すべて英語表記
シンプルにすべてが英語表記であることも、使いにくいと感じる大きな理由の一つだと思います。
基本的な操作はググったり、YouTubeのチュートリアルを見れば解決するのですが、調べても出てこないようなマクロやショートカット等の便利な機能を上手く使いこなせていない為に、不便さを感じてしまっていることも。
英語が出来る人はいいですが、今のところ公式な日本語マニュアルも用意されていないようなので、Google翻訳などを駆使して情報を取りにいくしかないというのはデメリットです。
2. ブロック配置型であること
FL Studioは基本的にはチャンネルラックで作成したパターンクリップと呼ばれる4~16小節の短い音楽フレーズをブロック単位でプレイリストに並べていくという制作スタイルのDAWです。
これは海外のメインストリーム音楽のように4コードをずっと繰り返して使うような、ループさせるタイプの制作には非常に向いていますが、邦楽のようなコード展開が多かったり、Aメロ等のセクションごとに細かくアレンジが変化するタイプの音楽にはあまり適していません。
ブロック単位でアレンジを変更したい時に使用する「Make Unique」機能を上手く使えば、アレンジが変化するタイプでももちろん対応できますが、操作感的には特殊であることには変わりないです。
3. 作業スペースが分離している
FL Studioでは全体の構成、サンプルの選択、打ち込み、アレンジ、楽器の挿し込み、ミックス、エフェクト等、制作に必要な作業のほとんどを個別のウィンドウを立ち上げて行います。
これは海外のコミュニティでも「作業を見失いやすい」と言われている要因の一つで、例えば「よし、次はベースをアレンジしよう」と思った時にどのウィンドウのどこに作業スペースがあるのかを考える時間が生まれます。
もちろん任意のウィンドウを開く為のショートカットキーもあるので、慣れてしまえばかなりスピーディーに作業を進めることができるのですが、はじめのうちは混乱するかもしれません。
4. プレイリスト画面
FL Studioの仕様上、プレイリスト画面に直接ブロックを配置しただけの状態だと、どの列にどんな楽器が配置されているか等の情報が非常に分かりにくいです。
もちろんパターンクリップごとに名前を付けたり、色分けして直感的に分かるようにすることはできますが、この作業をサボるとトラック数が増えてきたときにどこに何があるのかを見失いやすいです。
これはFL Studioのプレイリスト画面を他のDAWのメイン画面と思じように使っていることが原因で不便さを感じてしまっているものだと思われます。
FL Studioのプレイリスト画面はあくまでパターンクリップを並べる為のスペースなので、ここをメイン画面として使っていると、使いにいと感じてしまう要因になります。
個人的にはチャンネルラック画面をメインで使って、ある程度形になったところで「Split by channel」でトラックごとに分けてプレイリストに配置する方法がおすすめです。
5. 同じ機能を持つコントロールが複数個所にある
先述したようにFL Studioは作業スペースが分離している為、それぞれの場所に同じ機能を持つコントロールが複数存在します。
一見コントロールが色んな所に付いていて便利そうですが、例えばボリュームフェーダーを見てもラック、サンプラー、ミキサーにそれぞれ3つ付いていて、しかもサンプラーとラックのフェーダーは連動していたりと、仕様を把握していないと混乱の原因になりやすいです。
この複数同じパラメーターがあることがトラブルの原因になることがあり、ミキサーで作業中に「音が寂しいと思ったらチャンネルラック側で伴奏ピアノのボリュームを下げていた。」なんてこともあります。
「音量調節はミキサー画面のみ」といったように、自分の中で作業に統一制を持たせることで回避できます。
まとめ
FL Studioが「使いにくい」と言われる理由についてお話しました。
- すべて英語表記
- ブロック配置型であること
- 作業スペースが分離している
- プレイリスト画面
- 同じ機能を持つコントロールが複数個所にある
これら5つは短所のように思えて、ジャンルによっては長所として便利に機能することがあることも忘れないでください。
どのDAWにも言えることですが、使い始めにはソフトウェアを扱うための学びの時間を設けることも必要です。特にFL Studioは圧倒的な海外シェアを誇るDAWなので、翻訳機能を利用しながら海外の情報を取り入れるようにすると、基本操作以外のことも学ぶことができるのでオススメです。
以上、「FL Studioが「使いにくい」と言われる5つの理由」でした。