Clubhouseに始まった音声SNSはミュージシャンにとっての必須ツールとなるのか?
Clubhouseに始まった音声SNS、いわゆる「オーディオルーム」と呼ばれる部屋を作成し、自由にラジオ配信ができるアプリ。
2021年の初めごろに招待制であることからSNS上で話題を呼び、ミュージシャンの間でも新たな活動の場所になり得るとして注目を集めましたが、一気にブームも過ぎ去り、あまり話題に上がることも無くなりました。
とはいえ、後を追うようにしてTwitter、Facebook、Spotify、Deezerなどの主要なSNSプラットフォームにも同じような機能が備わり、業界からは「一気に盛り上がり過ぎただけで、音声SNSの波は必ず来る」という話をよく聞きます。
今後ミュージシャンに必須のツールとして確立されるのか?
ライブエンターテインメントでの収益化が難しくなり、ミュージシャンは新しい収入源として動画やストリーミングコンテンツとバーチャルコンサートという選択肢を取らざるを得ない状況です。
Twitch、Instagram Live、YouTube等の多くのプラットフォーム上で行うことができますが、音楽ファンからの支援や物販販売、パッケージングされたコンテンツを収益化する機能は今のところまだ乏しいです。
PixivFANBOXや海外ではPatreonのような独立型クリエイター支援のサービスも整ってきていますが、ライブ活動無しにして、どのようにファンを集めて、音楽から収益を得る仕組みを作るのか?という部分はミュージシャンにとっては大きな課題です。
そういった面では今後、オーディオルームに備わる新しい収益化機能はアーティストにとって安定した収益源になる可能性があります。
オーディオルームアプリでファンを惹きつける
既に音楽ファンを多く獲得しているSpotifyによるGreenroom、もしくは潜在的な音楽ファンが多くいるであろうTwitterのSpaces、FacebookのLive Audio Roomsを使ってフォロワーとのより直接的なエンゲージメントが可能になりました。
さらにこれらのプラットフォームには、直接収入を生み出すチケット制(Twitter Spaces)やStars(Facebook Live Audio)、GreenroomCreators Fun(Spotify)などの機能が含まれています。
プラットフォーム本来のSNS機能とこれらのオーディオルームを掛け合わせることで、魅力的なライブコンテンツを作成し、ファンコミュニティを構築するために必要なツールは揃っていると言えます。
デジタル空間のライブハウス的ポジション
オーディオルームによる音楽中心の自立したコミュニティを構築することで、直接的な支援を受けれる可能性があります。
「ライブ終わりにバーカウンターで飲みながら話していると、打ち解けてCDを一枚買ってもらえた。」なんてこともミュージシャンなら体験したことがあるかと思いますが、オーディオルームはそういった従来のSNSでは無かった繋がりを感じれる空間です。
海外では既にFacebook Starsで資金調達の目標を設定し、Twitter Spacesでチケットを発行することで、次のアルバムやミュージックビデオの資金を募ったり、新しい機器を購入したりするミュージシャンも現れています。
使い方はアーティストによって様々
オーディオルームの使い方はアーティストによって様々です。
リリース前のコンテンツをファンと共有することで、アルバムやEPのリリース後の促進に役立ち、新曲のスタジオティーザー、新曲のリハーサル、ライブ後の舞台裏パス、またはポッドキャスト形式でファンと今後のリリースについてを共有することもできます。
デジタルプラットフォームは、ファンが音楽やコンテンツを入手する方法を提供する為のツールになり得る為、ファンと近い距離感でリリーススケジュールを計画することは非常に重要です。
まとめ
海外の音楽先進国と呼ばれている場所の業界の動きを見ていると、ライブ活動以外のファンを獲得する為の新しい方法がいくつか確立されてきていますが、これからの独立したアーティストや音楽クリエイターは販売とプロモーションについての理解も必要です。
もちろんプラットフォームごとに異なるアルゴリズムとSEO戦略等、制作やアーティスト活動以外の知識も今まで以上に必要になってきています。
テクノロジーの進歩に業界も付いていけていないというのが正直なところで、常に世の中の動きに敏感な若い音楽インフルエンサーを見つけて、彼らの動きを常にチェックするというのも大切になってくるのかもしれません。
以上、「Clubhouseに始まった音声SNSはミュージシャンにとっての必須ツールとなるのか?」でした。
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