Billboardチャートの54%はサンプリング!?Tracklibが2021年中のサンプリング情報を公開
サンプルクリアランスサービスのTracklibが、2021年度のサンプリング事情をまとめたレポートを公開しました。
最新ヒットチャート、サンプリングの傾向、最新情報、およびこれからの業界を変えるサンプリングにおける権利事情についての詳細なレポートです。
ビルボードヒット曲の14%が他の曲のサンプル
2021年のビルボードHOT100リストに掲載された曲のうち、14%はこれまでにリリースされた曲のサンプルが含まれていました。2020年は13%、2019年は15%なので、2021年も安定した数字と言えます。
他の曲からサンプリングされた111個のサンプルが89のヒットチャートに広がっていました。
2021年のトップアルバムの半分以上が他の曲からサンプリングされていました
ビルボードのトップ25チャートに掲載されたニューアルバムの54%にサンプルが含まれていました。これは昨年51%から増加しており、過去5年間を通じて50%を下回ることはありませんでした。
2021年に最もサンプルを多く使用したアルバムは、Drakeの「Certified Lover Boy」で、21曲中15曲にサンプルが使用されています。最も多用なサンプルが使われたアルバムの1つでもあります。
ヒップホップで主流のサンプリング
2021年のベストラップアルバムのグラミー賞にノミネートされた5つのうち48%に他の曲のサンプルが含まれています。ヒップホップのサンプリング割合については一貫した傾向が続いており、過去3年間にノミネートされたすべてのヒップホップアルバムにサンプルが含まれていました、
サンプルのクリアランスに高いコストを払ってでもサンプルベースの制作スタイルが続いているヒップホップ界隈では、サンプリングの価値はまだまだ高いようです。
サンプリングとして利用されたもの
今年のBillboardHot 100に使用されているサンプルの特徴を見ることで、新しいサンプリングトレンドを知ることができます。
2021年には2013年以来最も古いサンプルが見られ、平均して90年代初期の頃のサウンドが多く利用されていたことがわかります。
年代別に見ると70年代、90年代、2010年代の頃のサンプルがよく使用されており、特に2010年代は7年連続ビルボードホット100の中で最も人気のあるサンプルソースであり続けています。
70年代のトラックがサンプリングされることが多くなり。この70年代はサンプルの人気が昨年と比較して122%上昇しています。
90年代も、過去3年間と同じように上昇傾向が続いており、90年代は昨年と比べて41%高くなっています。
サンプリングされた音楽ジャンル
最もサンプリングされたジャンルとしてはヒップホップが強く、Billboard Hot 100チャートのすべてのサンプルの23%を占めており、これまでと同じく引き続いて非常に人気が高いです。
R&Bも成長を続けていて、R&Bのサンプルは全サンプルの14%を占めており、これは昨年に比べて25%の増加です。
サンプリングのジャンルとしてロックが登場したことは大きな変化です。8%という数字はそれほど多くないように思われるかもしれませんが、過去3年間がほぼ0%に近かったことを考えると、間違いなくロックに注目が集まっていることを示しています。
最近は80年代と90年代に生まれた音楽プロデューサーの作品がチャートを独占していることを考えると、90年代のヒップホップサンプルが最も人気のあるソースであったことは納得できます。
参考サイト : https://www.tracklib.com/blog/tracklib-presents-state-of-sampling-2021