バンド活動で役立つマネージメントのやり方
メジャーデビューを果たしたビッグバンドであれば、レコード会社からマネージャーが付くこともありますが、駆け出しのアマチュアバンドの場合は自分たちでバンドを動かしていかなくてはなりません。
めんどうなことは抜きにして楽しく音楽をやるつもりが、スケジュール、制作、ライブブッキング、お金の管理など、円滑に活動を進めていく為にやらなくてはいけないことが意外とたくさんあります。
ロックバンドといえど、小さな会社を設立したのと同じです。特にリーダーやマネージメントを任された人にとっては楽器演奏や音楽センス以外にも、コミュニケーション、営業、チームマネージメント、会計といった総合的なビジネススキルが求められる場面が多々あります。
そこで今回は、バンド活動に役立つマネージメントのやり方についてご紹介します。
バンドマネージャーの役割
現代のバンドマネージャーの最も典型的な例は、1961年にビートルズを発見したBrian Epstein(通称エピー)に始まります。エピーは最初から彼らの才能と可能性を信じ、彼らを国際的な成功へと導く為の様々な手助けをしました。
現代のバンドマネージャーもバンドのクリエイティブディレクションとビジネスサイドの両方に取り組む必要があります。通常は、バンドに対してレコードレーベルからマネージャーが割り当てられる場合もあれば、マネージャー本人がバンドの将来の為に直接的に動く場合もあります。
また、メンバー内にマネージメントに長けた人がいる場合は本人達で役割を割り振って、ちゃんとした音楽事業として活動を行っているバンドもいたり、自分たちに能力がないと判断した場合は、メンバー以外にスタッフとして新たに迎え入れるバンドもいます。
どういった形であれ、将来的にバンドの活動規模を大きくしていく為には、その分野に長けた「頭脳」となるポジションの存在は非常に重要です。
1. コミュニケーション能力
特にバンドの活動初期においては、バンドマネジメントのために多くの人と連絡を取り合ったりすることが多くなります。
人脈を広げ、電話をかけてもつながらない相手には粘り強く対応し、初対面の人にも情熱を持ってアプローチすることに慣れていることが求められます。
イベントプロモーターに何度も電話をして、やっと話を聞いてもらえるというような環境が苦ではないのなら、バンドマネージャーに向いているかもしれません。
2. メンバー管理
バンドマネージャーはバンドメンバーと同じ時間を共有することが多く、ライブ中や打ち上げの席でもずっとその場にいることが多いです。
例えば、バンドメンバーが盛り上がりすぎて派手な時間を過ごしているときも、仕事が終わるのを確認して安全に家に帰るまでを見送ることもあります。
また、リハーサルスタジオ、ライブ、サウンドチェックなど、必要な時に全員が集まれるようにし、取材や撮影のときにも連絡を取り合って現地に必ず向かうように促す必要もあるかもしれません。
言い換えれば、メンバー内もしくはその他の誰か一人は大人にならなければいけません。自分の立場をわきまえ、甘やかし過ぎないように時には厳しくあたることも大切です。
3. 音楽業界について学ぶ
バンドを成功に導く偉大なバンドマネージャーは、音楽ビジネスに関する十分な知識を持っています。
音楽レーベルの仕事は何か、イベントプロモーターの役割、ライブハウスの運営の仕組み、PR会社が何をしているか等、業界の基本的な仕組みやお金の流れを十分に理解している必要があります。
実際、ほとんどのミュージシャン、アーティスト、クリエイターはそれらの知識を学ぶことを嫌がり、お金を嫌います。なので、バンドの頭脳であるマネージャーにとって必須の能力といえる分野です。
他のメンバーからの協力や理解が得られないときには、遠慮なくその分野に長けている外部の人に手助け、助言を求めてください。
4. 音楽以外のさまざまな手続き
音楽に限らず、世の中のほとんどの仕事はめんどうなタスクをこなす為の多少のやりくりが必要ですが、バンドマネジメントはその中でも別格です。
特に、活動の初期段階ではライブイベントを行うためのブッキング、音源を流通させる為のレーベルやディストリビューター、ネットやラジオを担当するPRなど多くの手続きが必要です。
何もマネージャー1人がすべてを請け負う必要はありません。メンバー全員がコミュニケーションを取り、それぞれの得意なことをみつけて、仕事を割り振っていくということも考えましょう。
現在であれば、注目を集めるSNS投稿やSEO、動画編集といったスキルも必要になる可能性があります。
5. 中立的な立場でいること
バンド活動を長く続けていると、メンバー間の意見が食い違ってくることもあります。
マネージャーを担当する人は、特定のメンバーと親しい関係であっても、その人の肩を持って話し合いに参加するべきではありません。
また、バンドメンバー全員が、心配事やアイデアがあればマネージャーに気軽に相談できるような、そしてこちら側の意見をフラットに聞き入れてもらえるような、中立的な立場を維持する必要があります。
簡単なことではありませんが、マネージャーの個人的な感情を抑え、バンド内で起こりうる様々な出来事から適度に距離を置くことも重要です。
まとめ
マネージャーはミュージシャンのクリエイティブな活動時間を生み出すためにも、同時に多くの異なるタスクをやりくりする必要がある為、非常に忙しい仕事になることもあります。
表舞台でスポットライトを浴びている人達の裏では、必ず支えとなる人達の活躍があり、めんどうな作業やストレスからアーティストを守ってくれています。
ときには理解が得られずに衝突することもあるかもしれませんが、お互いの仕事にリスペクトを持ち、協力し合って活動を続けていきましょう。
以上、「バンド活動で役立つマネージメントのやり方」でした。