AIボーカルを使った楽曲が1億回再生を突破!最新の音声合成技術「Lingyin Engine」
Music Buisiness Worldwideによると、中国のTencent Music Entertainment(以下TME)は、人間の声を模倣するAIボーカル技術を使ったトラックをリリースし、ストリーム再生数が1億回を超えたことを発表しました。
Tencentの音楽部門はこれまでに1,000以上のAIトラックを作成してリリースし、その中の1つのトラックが1億回以上のストリームを獲得したことを明らかにしました。Today(英訳)というタイトルのトラックは、「インターネット上で1億回以上ストリーミングされた最初のAIシンガーによる楽曲になった。」と、TMEのCussion Pangは語ります。
シンガーの声を模範する「Lingyin Engine」技術
このトラックで使用されているAIボーカルは、TMEが昨年リリースした特許取得済みの音声合成技術「Lingyin Engine」を使用しており"歌手の声をすばやく鮮やかに複製して、あらゆるスタイルと言語のオリジナル曲を作成することができる"最新のテクノロジーとして注目されています。
このテクノロジーにより、故「Teresa Teng」や「Anita Mui」などの伝説的なアーティストの歌声を再現する為にも使用され、彼女の声に基づいたAIコードを使用して作成された「May You Be Treated By This World」という新しいトラックも作成されています。
勢いを増すAIボーカル
BTSを輩出した韓国の巨大エンターテイメント会社「HYBE」が、今年10月にフェイクボイス会社の「Supertone」を450億ウォン(約45億円) で買収したことから、AIによる音楽制作は急速に勢いを増しています。
Supertoneは、声の分離と合成によるAI技術は「人間のような超現実的で表現力豊かな声」を作成できると説明し、HYBE CEOのJiwon Parkは、新しく買収されたスタートアップが「今後の技術分野の重要なポジションとして機能する」と説明しています。
国内でも開発が進む歌声合成ソフト
日本でも2020年頃から、さまざまな歌声合成ソフトリリースされており、定番の「VOCALOID」や「Synthesizer V」「NEUTRINO」といった新しいソフトウェアが登場しています。
2007年に初音ミクが発売されて以降、毎年数多くの名曲が誕生している分野で、ソフトウェア自体もどんどん進化を重ね、かなり人間味溢れるものまで誕生しています。
日本では15年前に一足先に「ボカロブーム」が起きたように、世界中で歌声合成ソフトウェアを使ったエンターテインメントが流行する可能性があります。