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モノラル音源をステレオに広げる方法【DTM】

モノラルをステレオに

モノラル音源をステレオに広げる方法【DTM】

モノラルの音源をステレオに広げるには、音源を2つのチャンネルに分け、それぞれのチャンネルのタイミング、音程、位相を調整することで、左右のステレオ感を作り出すことができます。

これを実行するには、作曲ソフト (DAW) や音声編集ソフトウェアを使って行うことができます。また、VSTプラグインのステレオ化エフェクトを使うことでも可能です

モノラル/ステレオの違い

モノラルとステレオの違いについて、結論からいうと

  • モノラル=左右のスピーカーから同じ音が出力されている
  • ステレオ=左右のスピーカーから異なる音が出力されている

です。

なので、仮にモノラルトラックを複製して、左右に広くパンニングしたとしても、実際には音量が大きくなっただけのモノラルサウンドとして出力されます。

つまり、モノラルをステレオ化する場合には、複製して左右に振った後、どちらかのトラックに修正を加えて左右から異なるサウンドが出力されている状態にする必要があります。

その為の、具体的な方法をいくつかご紹介します。

1. タイミングをずらす

左右2つのトラックのタイミングをずらすことで、「ハース効果」と呼ばれる現象が起き、違和感を少なくしてステレオ効果を得ることができます。

このハース効果についてはハース効果を利用してミックスをワイドに広げるでも紹介しましたが、40ms以内の2つの音が鳴っている時、人間は一つの音と認識する作用を利用した方法で、左右にPANした同じ音を少しズラすことでステレオ感を演出します。

ハース効果


非常にシンプルな方法で、最も効果的にステレオ効果を得られやすい方法なので、広く使用されているテクニックの一つです。

ハース効果の作り方

ハース効果を生み出す方法はトラックを二つに分けてほんの少しだけズラしたり、

ハース効果

ディレイエフェクトを使ってドライ音を左、ウェット音(ディレイの音)を右に振ることでハース効果を再現することができます。

ハース効果

設定が難しい方は「MicroShift」のようなプラグインソフトを使うと簡単にハース効果が得られるのでおすすめです。

2. ピッチをずらす

タイミングを微妙にずらす方法以外にも、音程をわずかにズラす方法もステレオ効果を得るためによく使われるテクニックの一つです。

やり方は色々ありますが、単純に2つに分けたトラックのそれぞれの音程を変更する方法が一番わかりやすくて簡単です。

トラックの音程の変更方法はDAWごとに違うので、お使いのDAWのやり方に従ってください。

ピッチ変更
FL Studioの場合

ずらす範囲は3~10セント以内のごく僅かな音程で試してみてください。

分かりやすいところでいうと、シンセサイザーの「Detune」機能が、音程をわずかにずらす方法を使って音像を広げるパラメーターとして使用されています。

デチューン

ちなみにシンセサイザーの場合は発声数(Voice)を2以上に設定しないと、デチューン効果が得られないので注意です。

※この方法はモノラル環境になったときに位相トラブルが発生しやすいので注意が必要です。

ステレオ音像を大きく広げる為のミキシングテクニック

3. モジュレーションをかける

モジュレーション系のエフェクトをかけることでも、モノラルトラックにステレオ効果を与えることができます。

モジュレーションエフェクトの中でも特にコーラスがよく使用されます。コーラスの原理は原音を複製したものにモジュレーション(音程の揺らぎ)をかけることでサウンドに厚みや奥行きを演出ためのエフェクトです。

先述した「音程をずらす」ことと原理的には同じことなので、モノラルトラックにかけることでステレオ感が得られます。

コーラス

他の方法に比べると設定によっては少し特殊なサウンドになりますが、ジャンルによっては使えるサウンドとして武器になります。

こちらのテクニックはベースによく使用される印象ですが、低音成分にかけるとかなり違和感がでるので、必ず100Hz以下はカットして使用するようにしましょう。

4. 2回演奏する

これは、ギターミックスによく使われるテクニックで、同じテイクを2回録音してから片方を左100、もう片方を右100にパンニングするという方法(ダブリング)です。

録音環境があるのなら一番綺麗にステレオサウンドを得られる方法として、現在でも特定のジャンルでは多用されているステレオテクニックの一つです。

人の演奏は微妙にタイミングがずれたり、音質が変化したりするので、同じフレーズを2回演奏してそれぞれを左右にパンニングするだけでも綺麗なステレオ音像が入手できます。

まとめ

モノラル音源をステレオに広げる方法は以下の通りです。

  • タイミングをずらす
  • ピッチをずらす
  • モジュレーションをかける
  • 2回演奏する

StereoSavageのような、ステレオ音像を広げる為のエフェクトプラグインも多く販売されていますが、内部の仕組みは上記の方法が取り入れられていることがほとんどです。

ノブを回すだけの簡単操作でステレオ効果が得られる製品もあるので、設定を省略したい方はプラグインの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

以上、「モノラル音源をステレオに広げる方法【DTM】」


ベースにステレオ感を与えてワイドに広げる3つの方法

ミックス品質向上の為に学んでおきたい音響心理学





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