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「ボーカルコンピング」を使って高品質なトラックにする為の9つのヒント

ボーカルコンピング

「ボーカルコンピング」を使って高品質なトラックにする為の9つのヒント

プロのボーカルレコーディング現場では、1回のテイクで曲の全体を録音することはありません。実際にはセクションごとに録音したり「ボーカルコンピング」と呼ばれる手法を使うことが多いです。

今回は完璧なピッチ、タイミング、感情表現の揃った、高品質なボーカルトラックを手に入れるためのいくつかのヒントをご紹介します。

ボーカルコンピングとは?

ボーカルコンピング

ボーカルコンピングとは、何回かテイクを重ねて録音し、最も良い部分だけをつなぎ合わせて一つのトラックにする工程のことです。

各テイクの良いところを選び、一部を切り貼りしたり、クロスフェードさせたりして、全体でワンテイクで録ったような自然なボーカルパフォーマンスを作り出すことができます。

不正な行為のように感じる方もいるかもしれませんが、ポップス、ロック、ヒップホップなど、幅広いジャンルの音楽でよく使われる手法で、現代の音楽制作プロセスには欠かせないものとされています。

個人のプロデューサーからメジャーレーベルのエンジニアまで、あらゆる録音現場で使用しており、実際のところコンピングを使用しなければ、動画配信サイトやストリーミングプラットフォームで流れているプロの音源と同じ品質を実現するのは非常に難しいです。


ここから、ボーカルコンピングを使用する際のいくつかのヒントをご紹介します。

1. セクションごとに録る

Aメロ、Bメロ、サビと各セクションごとに複数回レコーディングする方法です。テイクを重ねることで良い歌声が得られる可能性が上がり、一貫性のあるトラックを作りやすくなります。

レコーディングに時間をかけるほど、声が疲労し始めるので、テイクごとに曲全体を歌ってもらうとすると、1回目のテイクと10回目のテイクではまったく異なって聞こえるはずです。

この2つのトラックをつなぎ合わせた場合、声量、声のトーン、感情表現に違いが生まれる可能性が高いので、全体でみると一貫性が失われやすいです。一方で、同じセクションを複数回歌うほうが、すべてのテイクで一貫性を保てるようになります。

※実際にコンピングを前提としたレコーディングをするときは、少し手前の小節から歌い始めたほうが、繋がりがより自然になるのでおすすめです。


ボーカルレコーディングのやり方と綺麗に録るコツ

2. 無音や子音でカットする

コンピング

ボーカルコンピングに最適なポイントは、当然ながらボーカリストが歌っていない場所です。フレーズや単語の間の空白で切るのが一番自然です。

空白が難しい場合は、ノイズを生成しやすい子音(さ行、ぱ行、ふ)等の部分でトランジション(つなぎ目)を作成するという別の方法もあります。

基本的には母音でトランジションを作成するとコンピングが目立ってしまう原因になるので、注意しましょう。

3. クロスフェードを使う

クロスフェード

2つのテイクを繋ぎ合わせるタイミングを調整しても、不自然さが出る場合があります。

このような場合はトランジションにクロスフェードを追加することで、クリップの最後が徐々にフェードアウトして、次のクリップが徐々にフェードインする自然なトランジションを作ることができます。

主要なDAWのほとんどは、2つのクリップを繋ぎ合わせると自動的に小さなクロスフェードが生成されるので、必要に応じてフェードの長さを調節しましょう。

クロスフェードをやりすぎると少し不自然に聞こえる可能性があるので注意しましょう。



4. 歌い方を変えてみる

ソロで歌う場合でも、シンガーに対してディレクションを行いながら進行する場面でも、テイクごとに歌い方を変える意識を持つことも大切です。

シンプルにミスをしたり、テイクに納得がいかない場合は別ですが、早い段階で良いテイクが録れているときには、単純に「もう一度歌ってください」と頼んだとしても何も生まれません。

次のテイクでは、子音を強調したり、タイミングに注意を払ったり、感情を入れたりと変化を加えることで、また別の最高のテイクが生まれる可能性があります。

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5. テイクを繰り返ししすぎない

ボーカルコンピングを行うレコーディングでは、選択肢が多ければ多いほどいいので、できるだけ多くのテイクを録音したくなるかもしれません。

しかし、テイクを繰り返し過ぎることでボーカリストが後半で疲労してしまったり、何回も録り直すことで不安を感じ、自信を無くしてしまう可能性もあります。

何回か歌っているうちに、リラックスして力が十分発揮できているなと感じたら、数回のテイクに留めておくのが良いかもしれません。

6. 全体で確認する

レコーディング工程が完了したら、複数回録音したトラックの中から、ベストテイクを選択して1つのトラックにまとめる作業に移ります。

実際に色々なテイクを聴いてどれがベストなのかの選択を行うときは、他の楽器も混ぜた状態で、数小節手前から確認するようにしましょう。

こうすることで、ボーカルトラックのダイナミクスや質感が、他の部分と一致しているかどうかを確認しやすくなります。

7. 長く歌えている部分を優先する

歌っているセクションが長いほど自然なトラックに聞こえるため、なるべく長い間良いパフォーマンスをキープできているテイクを優先するようにしましょう。

すべてをベストテイクにしたいからと、数秒ごとにコンピングしたり、単語ごとにピックアップすると、継ぎはぎだらけの不自然なトラックになってしまう可能性があります。

特にサビのような感情が乗りやすいセクションでは、なるべくカットせずに長いテイクを採用した方が、結果的に良いトラックになりやすいです。

8. パフォーマンスを優先する

テイクを選択するときは、声のトーン、感情表現、エネルギーといった全体的な印象を考慮しながら、音程やタイミングよりも、パフォーマンスを優先するようにします。

技術的な部分、例えばピッチのずれ、タイミングのずれ、小さなノイズ(歯擦音やポップ音)等は、後でプラグインエフェクトを使って修正できるので、その他の要素にフォーカスしてみましょう。

声のかすれや音程の微妙な変化が歌に多くの感情をもたらすことがよくあります。これらのテイクをすぐに削除するのではなく、全体のパフォーマンスから判断して採用するかどうかを決定するようにします。

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9. 他のセクションから引っ張る

記録したテイクがどれも納得できないという場面に出くわすことが時々あります。もう一度気持ちを切り替えて再録音しようとする前に、曲のほかに部分から引っ張ってこれそうなテイクはないかを確認してみましょう。

2番目のサビのフレーズが納得いかないような場合は、1番のサビからコンピングできそうな部分がないかを確認します。

※他のセクションから引っ張ってくる場合は、2つのセクションの声質や熱量感が一致しているかどうかに注意しながら選択するようにしましょう。

まとめ

ボーカル コンピングを行うときのいくつかのヒントをご紹介しました。

最終的なチェックを行うときは、ボーカルトラックをソロにして、不自然なトランジェントが無いかを確認することが重要です。

ボーカルのコンピングの工程は数時間以上かかることもある根気のいるプロセスです。とはいえ、ボーカルトラックは最も重要なトラックであることは間違いないので、たくさんの時間をかけて編集する価値があります。

より多くのプロジェクトを進めていくうちに、好みのワークフローが見つかり、どんどんスピードが速くなっていくと思うので、自分に合ったベストな方法を見つけ出してみてください。

以上、「「ボーカルコンピング」を使って高品質なトラックにする為の9つのヒント」でした。


【歌ってみた】自分で歌声を綺麗に録音するのに役立つ7つのヒント

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