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マイクが「ビリッ!」とした時の対処法と"アース"について詳しく解説

マイクが「ビリッ!」とした時の対処法と"アース"について詳しく解説

スタジオ練習中やライブハウスの本番中に、マイクに近づいたときに「ビリッ!」と唇が痺れた経験はありませんか?一度経験すると、そのあともまた「ビリッ!」ときそうで歌うことに集中できず、思い通りのパフォーマンスができない…という事態になりかねません。

電気製品を使用中に突然「ビリッ!」と感電するのは、考えられる原因の一つがアースの不良です。アースは電気製品の安全性を確保するために欠かせない要素であり、正しく機能していないと感電のリスクが高まります。

今回は、マイクによる感電と、アースについて詳しく解説します。

アースとは?

PA(音響機器)において、アースは電気製品などが漏電を起こしたり、過電流によって電気が流れ出した場合に、機器や周辺設備、使用する人を保護するために行われるものです。

アース線は大地(Earth)に電気の回路をつなぎ、万が一電流が漏れてしまった場合に、その電流を地面に逃がす役割を果たしています。仮に漏電したとしてもアース線の⽅が⼈体よりも抵抗が低いため、アース線を通じて⼤地に電流が流れ、⼈体に電流は流れないという仕組みです。

ライブステージで「ビリッ!」とくる理由

ライブステージの場合、PA席でのアースとステージ上のアースは繋がっているのですが、それぞれのアースと地面(0V)が共有されている状態で、異なる取り口から取られた電気同士には電位差が生じます。

マイクやミキサーやギターアンプ等、それぞれのアースが0Vになるように設計されていますが、必ずしも同じ基準の0Vではありません。つまり、アースを取る場所によって電位差が生まれることで「アースが浮いている」状態になり問題を引き起こします。

例えば、ボーカリストがエレキギターも演奏する場合、ステージの0VとPA席の0Vの電位差が、ギターアンプやマイクによって発生し、エレキギターを演奏しながらマイクに触れると「ビリッ!」と感電してしまいます。

日本と海外の違い

日本の電圧は100Vなので、感電したとしても数mAの電流が流れるだけなので、痛いくらいの間隔で済みますが、ドイツなどでは電圧が400Vであるため、非常に危険です。

過去にはアース不良により、アーティストが感電死してしまうような事故も発生しているため、海外のアーティストはアースに対して非常に敏感です。アースのない楽器があればステージに上げないほど、アースに関して徹底した管理がされています。

感電を防ぐには?

具体的な感電を防ぐ為の方法なのですが、マイクケーブルの金属部分、ギターシールドの金属部分からアースを取ることで感電を防ぐことができます。

要するに、PA側の設備である「マイクとミキサー」とプレイヤー側の設備「エレキギターとギターアンプ」の2つのシステムを繋ぎ、電圧の差をなくすことで防ぐことができます。ジャックなどからワニ口ケーブルでアース線を引っ張り、アースに落としてあげることです。

ライブハウスではスタッフさんに伝えることで、アースを取ってくれます。

ノイズを防ぐアースの使い方

ライブ現場で起こりやすい問題の中で、最も多いのは"ノイズ"です。アースをとることでノイズ対策として活用することも可能です。

わかりやすい所でいえば、ギターケーブルにも採用されている「シールド線」です。これは外側のシールドを地面に接続することでノイズ対策を行っています。

アースループ

グランドループ

"ジー"とか"ブー"といった持続的なノイズの多くは「アースループ」から発生します。アース線がループ状になっているもののことを指し、これは信号回路や電源でも同じ問題となることがあります。

アースループの例
ギターアンプ、ミキサー、モニタースピーカーのアースを取っていたとします。それに加えてマイクのアースを取ったところ、ノイズが発生。アース線を繋いだ結果、1つのアースループが形成され、各ポイントの電位差によって電気が発生し、電磁線の影響ですべての機器にノイズが乗ってしまいました。

このループ問題を解決するためには、異なる機器間の接続を管理して、余分な接地経路を切断する必要があります。DIボックスの「グランド・リフト」のスイッチを入れてみたり、アースを除去してみたり、電源の差し込みの向きを変える等があります。

ノイズには色んな要因があるので、すべての現象に対処するのは難しいですが、アースを取る場所を一か所にまとめてみたりと、ノイズをもらわないように配置や接続方法を変えてみたりするのが基本の対処方法となります。

まとめ

アースの不良による感電やノイズ問題は、スタジオ練習やライブステージでよく発生する問題です。

原因としては、ステージ上の異なるアースから生じる電位差が感電の原因となり、ギターなどの機材を持ちながらマイクに近づくことで「ビリッ!」と感電してしまいます。

感電を防ぐためには機器同士のアースを繋ぎ、電位差をなくすことが重要です。ワニ口のケーブルを使って異なるシステム同士を繋ぐことで、問題を解消することができます。

以上、「マイクが「ビリッ!」とした時の対処法と"アース"について詳しく解説」でした。


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