GUITAR

ギターの演奏を10倍上手く聴かせるための3つの要素

2020年7月26日


ギターの演奏を10倍上手く聴かせるための3つの要素


↑今回の内容の音声配信です。


「練習を重ねて、初心者からは抜けだしたと思っているけれど、いまいちオーディエンスのウケが悪い気がする・・・」

「演奏動画をネットで公開してもレスポンスが無い・・・」


こういった経験はないでしょうか?


フレーズは弾けているけど、感動は与えれていない状態。

初心者を抜け出したギタリストがぶつかる壁です。


フィンガリングやピッキングのようなテクニカル要素をある程度クリアしたギタリストが、次に考えることは聴き手にギター演奏を上手く聴かせるにはどうすればいいか?ということです。

今回はそのために必要な3つの要素について解説します。


ダイナミクス(音の強弱)


ダイナミクスとはトラック内の音量の変化のことで、小さい音から大きな音、大きな音から小さな音へと緩急をつけながら演奏するとリスナーはダイナミックさを感じます。

右手のストロークの強弱で音量コントロールをすることでサウンドに表情が加わり、より繊細な表現ができるようになります。

ダイナミクス


例えばAメロは静かに弾いて、Bメロの終わりサビに向かうにつれて音量を大きくしていき、サビで最大の音量となるようにコントロールすることで、楽曲全体でみると相対的にサビで迫力を出すことができます。

もっと小さい単位、例えば短いリードフレーズやギターソロの中にも強く弾く部分と、弱く弾く部分を区別することで起承転結のストーリー性が生まれ、さらに表現力豊かな演奏が可能となります。

歪みギターはダイナミクスがつけにくい?

アコースティックギターやクリーンサウンドのエレキギターは右手を使ったボリュームコントロールが比較的簡単ですが、ディストーションなどで歪ませたギターの場合はコンプレッション(圧縮)がかかっているためダイナミクスコントロールが難しくなります。


ダイナミクス


これはエレキギターを歪ませすぎると良くないと言われている理由のひとつでもあり、ダイナミクスが無くなることでサウンド全体の緩急がなく、のべっとします。


有名なギタリスト「ポール・ギルバート」も生徒にギターを教えるときにはダイナミクスとトーンを意識して演奏することを心掛けさせていると言っています。

とくにエレキギター奏者はダイナミクスを意識する人が少ないようで、しっかりとピッキングで緩急をつけた演奏を意識することで上手く聴かせることができます。


リズム

メトロノーム


ギターが下手に聴こえてしまう原因のほとんどがこの「リズム」であるといっても過言ではありません。

フィンガリングやピッキングは完璧で、フレーズをしっかり弾けているつもりなのに「ギター上手いねー!」と言われた経験がなかったりする場合にはリズムを見直してみるといいかもしれません。


逆に言うとシンプルなフレーズでもリズムがしっかりしていれば、上手く聴かせることができます。

ある程度フィンガリングやピッキングが習得できたら「リズム感」を重点的に鍛えることで、ギターの演奏スキルはグンッ!と成長するでしょう。

始めは走らないことを意識する


多くのギタリストは少し走って演奏してしまいます。(走る=タイミングが早い)

これはドラムやベース等のアンサンブル全体に悪影響を及ぼすので、かならず修正するようにしましょう。


実際にDAWで自分のギター演奏を録音して、クリックに対して自分の波形がどうなっているかを確認します。

リズム


縦線のグリッドに対して波形の頭の位置を確認します。

目指すべきはジャスト(グリッドと波形の頭が揃っている)状態ですが、人間なので多少は前後にズレます。


そこで覚えておいてほしいことが「前にズレるなら後ろのほうがまだマシ」ということです。
(後ろに遅らせるということではないので誤解のないように。)

上物楽器全般に言えますが、リズムにおいてドラムよりも前に出てしまうのは減点幅が大きいので、できるだけ避けるべきです。


とくにギターソロのような演奏だと、レイドバック(少しためる)奏法のほうが味がでて上手く聴こえるので、意識するようにしてみましょう。


音作り

ギター エフェクター


ギターの音作りもギタリストにとって重要なスキルのひとつです。

ギターのサウンドメイクがリスナーに与える印象というのは計り知れません。

ライブ前のリハーサルで、白玉一発ジャーン!と鳴らしただけで、そのギタリストの力量というのはある程度分かってしまうものです。

ギタリスト


このことを十分に理解しているギタリストはサウンドメイクに多大なる時間をかけて、納得がいくまで妥協しません。

特に一般リスナーはテクニカルな部分はまったく意識しておらず、「音が悪い=下手」となってしまうので、ギターの練習と同じぐらい、サウンドメイクにも注力するべきだと言えます。


当サイトでは音作りに関する記事もいくつかあるので、よかったら参考にしてみてください。

ONE OK ROCK(ワンオクロック) - 未完成交響曲 ギターの音作り

RADWIMPS(ラッドウィンプス) - トレモロ ギターの音作り


音作りはギタリストにとって永遠のテーマです。

鳴らす場所が変われば音は変わります。同じ機材でも会場の電圧や箱の形など、様々なモノの影響を受けるので一概にこの音が正解!というものは存在しません。

しっかり自分の耳で判断できるようになるまでにはそれなりの経験と知識が必要となりますが、そこがまたギターの深さでもあり、面白さでもあり、リスナーに常に最高のサウンドを届ける努力は欠かせません。



以上、ギターの演奏を10倍上手く聴かせるための3つの要素でした。


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