【HIPHOP】フックパートの作り方。印象に残る楽曲に仕上げる
今回はフックパートの重要さと、リズム、メロディー、歌詞を使って、より楽曲をリスナーの頭に強く焼き付ける為の方法について解説します。
フックとは?
HIPHOPにおけるフックとは、リスナーの印象に残るような、楽曲を特徴付ける短いフレーズやリリカルなメロディーフレーズのことをいいます。
邦楽で言うと「サビ」に近いですが、サビのような一番盛り上がる部分を洋楽では「コーラス」ともいうので、厳密にいえば少し違います。
HIPHOPに限らずもっと広い意味合いでのフックはラップ、ヒップホップ以外にもR&B、ロック、ポップス、ダンスミュージックのようなジャンルで顕著にみられ、4小節から8小節ぐらいのモチーフとなるフレーズを楽曲全体で繰り返し使用されます。
楽曲を特徴付ける印象的なフレーズなので、歌メロディーだけではなく、リズムであったり、ギターフレーズであったりと様々です。
フックの作り方
音楽においてフックの作成は必須です。フックがなければリスナーはあなたの音楽に対して掴みどころが分からずに、まったく覚えてもらえない可能性が高くなります。
メロディーによるフック
フックを作る時に気を付けることは、出来る限りシンプルで印象に残りやすいキャッチーなフレーズにして、覚えやすい歌詞と思わず口ずさんでしまうようなメロディーにすることです。
言葉で言うと簡単ですが、実際に作るとなると意外と難しいです。
さらに具体的にいうと、長くて複雑なフックはリスナーの印象に残りにくいので、なるべく短いもの、歌詞で言うと1~2行ぐらいのフレーズを4小節作りループさせます。
出来上がったモチーフとなるフレーズをイントロ、ヴァース、コーラスのどこか一つに配置し、そして楽曲全体の中で少なくとも2回以上は繰り返すようにすれば印象に残りやすいです。
2019年のトップヒットソング「Old Town Road」も非常に分かりやすいフックが特徴的で、1度聴くだけで頭に残ります。
また、ラップが続く場合には必ずしもフックにメロディーを付ける必要はありません。
メロディーの無いラップフックも多く存在するので、メロディックにする必要が無いと判断した場合はそのままにしておきましょう。
もし動かす場合にはシンプルさをキープすることを意識して、パターンを少なく、音符が大きく飛躍することがないようにすることが重要です。
このほかにも歌詞に基づいたフックや反復的なビートによるリズムフックも存在します。
歌詞によるフック
特にHIPHOPにおいては歌詞を使ったフックが非常に効果的です。
ストーリ性を付けることで感情を呼び起こし、韻を踏むことで注意を引いたり、造語や印象に残る単語を使ったりと、メロディーフックと同じぐらい重要です。
HIPHOPではないですが、分かりやすいところでいうと瑛人 - 香水の「ドルチェアンドガッバーナー♪」は強烈な歌詞によるフックと言えます。
歌詞を書くときに曲のタイトルをフックに含める。というのは鉄板の手法でもあるのですが、楽曲のタイトルが香水でドルチェ&ガッバーナを絡めてくるあたりのセンスですね。
そのほかにも
- 人々の感情を揺さぶる歌詞
- 歌のリズムと語呂
- 短くてシンプルなフレーズを繰り返す
- トレンドワードを取り入れる
この辺りを意識的に取り入れるとリリックによるフックが作りやすいかと思います。
リズムによるフック
続いてはフックビートについてです。
リズムによるフックと言われるとQueen - We Will Rock Youが真っ先に思い浮かびます。
しかし、実際には全編通して同じリズムというのはリスクがあります。
多くのビートメイカーやプロデューサーはヴァース、コーラス、フックとセクションごとにリズムを変化させることで、楽曲全体のダイナミクスを調節して、セクションを特徴付けるグルーブの波を作ります。
ビートミュージックなのにリズムが常に一定だと、フックで印象付けるどころか退屈になって聴くのを止めてしまうかもしれません。
キャッチーで印象に残りやすいリズムの作り方として
- シンコペーションを取り入れる
- ビートを抜いてシンプルにする
- ピッチを変更する
- 休符を効果的に使う
- サウンドキャラクターを入れ替える
ここでもシンプルさが重要になってきます。
小節ごとにアレンジを加えるよりもループさせるのがコツです。
まとめ
フックパートの作り方についてお話しました。
それぞれ単体で使用するよりも、メロディー、歌詞、リズムなどの複数の要素を掛け合わせるとより効果的です。
フックは楽曲の顔ともなる重要なパートなので、たっぷり時間をかけて制作しましょう。
以上、「フックパートの作り方。印象に残る楽曲」でした。