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Synthesizer Vの基本的な使い方 : ボーカルスタイルの変更やAIリテイク機能の紹介

Synthesizer Vの基本的な使い方 : ボーカルスタイルの変更やAIリテイク機能の紹介

シンセサイザーVは、非常に簡単な操作で驚くほどリアルな歌声を作成できる歌声合成ソフトです。メロディーを打ち込み、歌詞を入力することで、非常に高品質なボーカルトラックがほぼ自動で生成することができます。

声質の調整などをリアルタイムで確認しながら楽曲制作を進めることができ、AIによる高度な「テイク修正機能」なども備わっており、筆者も最近の音源作品にはSynthesize Vを利用してボーカルトラックを作成しています。

曲作りの強力なサポートツールとしてだけでなく、動画コンテンツとして歌声ライブラリのキャラクターを使用したりして幅広い発信をしています。

Studio Basic版とStudio Pro版

Synthesizer Vには無償版の「Studio Basic」と有償版の「Studio Pro」があります。Studio Proでは、VSTプラグインとしての起動や、AIによるリテイク機能、多言語歌唱にも対応しており、より本格的に楽曲制作を考えている方にはおすすめです。

Synthesizer Vは、編集用のエディターソフト歌声データベースの2つから構成されており、歌声データベースを追加していくことで色々なボイスを追加することができます。公式サイトには、男性ボイス、女性ボイス、言語別で、個性豊かな歌声ライブラリが多数リリースされています。


歌声の選択

まず、ソフトを開くとトラックとピアノロール画面が表示され、右上のメニュー画面にはマイクのアイコンがあり、歌声の選択メニューになっています。ここにインストールされた歌声データベースの一覧が表示されるので、好きなボイスキャラクターを選択可能です。

新しいトラックを追加するには、トラック画面の空白部分を右クリックし、出てくるメニューで新規トラックを選択します。これで必要に応じて、ハモリやコーラスなどのためにトラックを増やすことができます。また、各トラックごとに違う歌声データベースを割り当てることもできます。


メロディーを打ち込む

ピアノロール画面では、通常のDAWと同じようにメロディーのノートを入力していくことができます。ピアノロールメニューの「ペンシル」マークを選択することで、入力モードになります。

歌詞を入力せずに、ノートを打ち込むだけでも「ラララ~」と自動的に歌ってくれます。ベタ打ちでも人が歌っているかのようなリアルな質感を味わうことができます。

グレーのラインが実際に歌っている時の音程になります。音程を手動で修正したり、自動で歌い方を録り直してくれる「リテイク機能」や、発声の強さ、ビブラートのタイミング等、好みに合わせて自由に修正することもできます。

歌詞の入力

メロディーができたら歌詞を入れてみましょう。歌詞の入力方法は2つのやり方があります。1つは、ノートをクリックして1文字ずつ入力していく方法と、もう一つは、歌詞を流し込みたいノートを範囲選択して、右クリックメニューから「歌詞入力」を選択し、まとめて歌詞を入力する方法です。

1文字ずつ入力
まとめて入力

ちなみに、歌詞に"br"と入力すれば簡単にブレスを作成することもできます。より人の歌声に近いリアルな質感を求めている方は、ブレスのタイミングに注意しながら打ち込んでみましょう。

MIDIファイルのインポート

別で作成したメロディーMIDIファイルをSynthesize Vにインポートすることもできます。筆者は、使い慣れたDAW側でメロディーの打ち込みを行い、MIDIファイルとして出力してからSynthesize Vにインポートするという方法で制作しています。

やり方はシンプルで、MIDIファイルを直接トラックにドラッグ&ドロップするだけで新しいトラックが生成されて、そこにMIDIファイルのデータが表示されます。

外部でMIDIファイルを作るときには、音符が重なっていたり、短すぎる音符だと正しく発音されないことがあるので注意が必要です。

AIによる「リテイク機能」

シンセサイザーVにはAIリテイク機能が組み込まれており、歌い方のニュアンス等をAIが提案してくれるという非常に便利な機能が搭載されています。ワンクリックするだけで新しいテイクを繰り返し自動生成し、その中から気に入ったテイクを選択することが可能です。

やり方は、画面右のメニューからAIリテーク画面を呼び出し、リテイクしたい範囲を選択し、「テイクを生成」ボタンを押すだけで、AIが新しいテイクを提案してくれます。不要なテイクはテイク画面にあるゴミ箱アイコンをクリックすれば消去できるので、納得できるテイクが出るまで何度も試すことができます。

AIリテイク画面には「RLHFによる補正」というパラメーターがあります。これはユーザーから集められた情報を元に、自動補正の精度を高める機能です。

Synthesizer Vを開発したDreamtonicsによると、今後ユーザーが利用することでAIが学習していき、表現のクオリティが向上していくとのことです。この機能を使った補正をどのくらい適用するかをRLHFメーターで調整可能です。

声質の調節

歌声データベースには、各ボーカルに特有のパラメーターである「ボーカルスタイル」が存在します。右メニューのマイクアイコンから、スタイルや各種パラメーターを調整可能。これらのパラメーターを組み合わせて、自分の好みに合った声色に調整することができます。

例えば、「重音テト」の歌声データベースでは、「ジョイフル」「キュート」「パワー」「メロウ」といったパラメーターがあります。ジョイフルは元気な感じ、キュートは可愛らしさ、パワーは力強さ、メロウは甘い感じの歌声に変化します。

ボーカルスタイルは全体に適用できますが、オートメーションを使用することで部分ごとに変更することも可能です。例えば、Aメロでは優しい甘い歌声にして、サビでは力強くするなど、セクションごとにニュアンスを変えることができます。

ボーカルスタイルの下にあるパラメーターで、さらに声の質感を変更することができます。

  • ラウドネス : 音量
  • テンション : 声の張り具合
  • ブレス : ウィスパー成分
  • ジェンダー : 性別感
  • トーンシフト : チェストボイスやファルセットの切り替え

これらのパラメーターもオートメーションでコントロール可能です。ボーカルスタイルと各種パラメーターを組み合わせることで、一つのキャラクターでも様々な声色に変化させることができます。

まとめ

Synthesizer Vは、非常に直感的な操作で高品質な歌声を生成できる歌声合成ソフトです。ボーカルスタイルや各種パラメーターの組み合わせにより、声質を自由にカスタマイズできるのも大きな特徴です。

特に、AIリテイク機能を使うことで、最高のテイクが出るまで何度も繰り返し歌声を出力できるので、楽曲制作において強力なツールとなること間違いなしです。

Synthesizer Vの詳細はDreamtonics公式サイトをご覧ください。


Synthesizer V Studio 1.11.0b1のアップデート!ボーカルMIDI変換機能の追加やARAプラグイン導入で進化

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