Synthesizer VのBasic版とPro版は何がちがうの?機能の違いを検証!
ボカロといえば「VOCALOID」のイメージが強いですが、リアルな歌声を再現できる歌声合成ソフトとして注目を集めるのがこの「Synthesizer V」です。
Synthesizer Vには、無料版のBasicと有料版のProがあり、機能面の違いからどちらを選べば良いか迷っている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、Synthesizer V Studio BasicとProの機能の違いを検証して、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。
Basic版とPro版の基本的な機能の違い
基本的な機能の違いについては、AHSのサイトにわかりやすい表があるので、そちらの方を参照させていただきます。
それでは、それぞれの機能面の違いについて詳しく見ていきましょう。※基本的な使い方についてはSynthesizer Vの使い方:ボーカル打ち込みから調声までを分かりやすく解説をご覧ください。
プロジェクト制限
Basic版ではトラック数の制限があり、最大3トラックまでの使用となります。個人的にはメインボーカルとハモりパートを1~2本を使うことが多いので、3トラックでも十分対応できるかなといった感じです。
色んなボイスライブラリを使い分けたり、コーラスパートをたくさん使いたい場合には無制限のPro版が必要になってきます。
同時レンダリングスレッド
同時レンダリングスレッドは、出来上がった音声をデータとして書き出す際に影響します。Pro版だとボイスごとのトラック数やブレス(息継ぎ)を分離して書き出す場合にも、全体を一括で出力可能になります。
追加機能
機能面でいうと、Pro版だと「自動ピッチ補正」をカスタマイズ可能となります。
声の揺らぎ、ビブラート、しゃくりといったより細かいパラメーターの設定が可能になるので、表現力が向上します。
その他にも「トーンシフト」と呼ばれる、声の質感を切り替える機能があり、これを使えるのもPro版のみとなります。高い声を出す時に、裏声で発声するのか、声を張って地声で発声するのかで表現力が大きく変化します。
トーンシフト機能は、チェストボイスやヘッドボイスを切り替えたり、高音部分の裏声と地声を切り替えたりと、何かと便利なパラメーターです。
トーンシフトを使った歌声の変化は以下の通りです。
VST/AUプラグイン
これはDAWの中でプラグインとして立ち上げれるかどうかで、Pro版だとDAWの中で立ち上げることが出来るので、プロジェクトと連携して使用することができるので、作業が非常にスムーズになります。
多言語歌唱対応
Basic版では一つの言語のみとなりますが、Pro版では英語、中国語、スペイン語などの多言語にも対応しています。※ボイスライブラリがどの言語に対応しているのかによるので、歌声によっては非対応の言語もあります。
ボーカルスタイル
ボーカルスタイルは、力強く歌ったり、甘く歌ったりというようなボーカルキャラクターを変化させる為のパラメーターです。楽曲の雰囲気や、音楽ジャンルに合わせてこのパラメーターを調節することで、幅広いプロジェクトに対応することができます。
それぞれのパラメーターによる声の変化は以下の通りです。
曲中で各パラメーターをオートメーションで変化させたり、パワフルとバラードを組み合わせたりすることもできるので、色んな表現が可能になります。
AIリテイク対応
Pro版だけの目玉機能としてこの「AIリテイク機能」が大きいのではないでしょうか。Synthesizer V AIでは、基本的にはピッチの当て感や、声の揺らぎなど、ベタ打ちで打ち込んでも毎テイク違うものが生成されます。
部分的に気に入らない箇所や、サビを丸々歌い直して欲しい場合には「テイクを生成」ボタンを押すだけで、違う歌いまわしが入手できます。
AIリテイク機能を使って、試しに3テイク歌い直してもらったものです。
まとめ
Synthesizer V Studio Basic版とPro版、それぞれの機能や特徴を比較することで、どちらが自分に合っているかが見えてきたのではないでしょうか。
Basic版は無料で手軽に始められる一方、機能制限があるため、本格的な音楽制作を行う場合はPro版がおすすめです。まずはBasic版から始めてみて、物足りなさを感じてきたらアップグレードするというのもありです。
※Synthesizer Vについての詳細は公式サイトをご覧ください。
以上、「Synthesizer VのBasic版とPro版は何がちがうの?機能の違いを検証!」でした。
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