エフェクターペダルをDAWに取り込む方法
DAWで使用できるソフトウェアベースのエフェクトは数多くありますが、ギターで使用するエフェクターペダルをたくさん所持している方は、豊富なエフェクト類をDAW内のトラックに適用したいと思う場面もあるかと思います。
ソフトウェアにはないアナログ特有の質感や、普段と違ったサウンドにしたいという方の為に、今回は手持ちのエフェクターをDAWに取り込む方法についてご紹介します。
エフェクターペダルを使うことのメリット
エフェクターをDAWに取り込むメリットは、ハードウェア特有の質感を入手できるということです。
プラグインソフトウェアを使用していると、音色の豊富さと利便性の高さから、アナログ機器を使う機会が減ってしまいますが、ハードウェアにはその個体でしか味わえないような固有のサウンドがあります。
物理ペダルによるノイズや経年劣化による質感の変化は、デジタルソフトウェアでは起こりえない「味わい」を演出し、多くのクリエイターにとって無視できない魅力があります。
特に機材を豊富に取りそろえたギタリストであれば、それらを活用してよりエキサイティングなサウンドメイクに挑戦してみましょう。
1. DAW内の音を出力する
DAWの特定のトラックを外部のエフェクターに通すため、まずはDAW内の音を出力する必要があります。
通常はDAWからオーディオインターフェースの出力に信号を送信しますが、オーディオ信号をエフェクトペダルにルーティングするには、信号レベルがHi-Z(ハイインピーダンス)に変換されている必要があります。
変換しなくても音声は出力されますが、オーディオインターフェースはラインレベル信号(-10〜 + 4)を出力するため、エフェクトに入る前にリアンプボックスを使用して、この信号をHi-Zに変換することで、よりクオリティの高い信号を送ることができます。
2. DAWでオーディオインターフェイスの出力を選ぶ
リアンプボックスを出力に配線したら、DAWのミキサーで対象となるトラックの出力を指定します。
やり方はDAWごとに多少異なりますが、トラックのアウトプット設定でエフェクターに向かうオーディオインターフェイスの出力を選択します。
これでDAWからエフェクターに向かって信号が流れます。ドライ信号を再生したくない場合はトラックのマスターへのルートをOFFにしましょう。
3. エフェクターからの信号を取り込む
次に、エフェクターペダルの出力から戻ってくるエフェクトサウンドを再び取り込みます。
信号を戻すために2番目のトラックを作成し、入力をエフェクターから戻ってきたオーディオインターフェイスのインプットに設定します。
リターン用トラック入力モニタリングをアクティブにし、再生してペダルチェーンに送信しされた音声が正しく返ってきているかを確認します。
この状態で正しく鳴っていれば、エフェクトペダルを差し替えたりして、さまざまなペダルトーンを試すことができるようになります。
基本的な「トラックアウト→オーディオインターフェイス→リアンプボックス→エフェクトペダル→オーディオインターフェイス→トラックイン」のやり方はDAWやその他の機材に関係なくすべて同じです。