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エレクトリックギターの誕生とその歴史

フライングパン
出典 : 下倉楽器

エレクトリックギターの誕生とその歴史

音楽は5万年前に登場したと言われており、その長い歴史から見ればエレクトリックギター(エレキギター)が世に出てきたのは、まだまだ最近の話です。

エレキギターが登場して約90年ほど経ちましたが、今でも多くの人がエレキギターを楽しみ、娯楽として世に出回った背景には様々な試行錯誤や、開発者の研究があります。

プレイヤー、クラフトマン、リスナーであってもエレキギターの興味がある方なら知っておくべき、エレキギターの誕生とその歴史についてご紹介します。

エレキギターの祖先

エレキギターの誕生

エレキギターの祖先は現在のアコースティックギターにあたります。古くからある多くの弦楽器では基本的には弦を弾いて振動する音を、ボディで共鳴させて増幅させることで楽器として成立していました。

とはいえ、当時からある管楽器や打楽器に比べると「音量」が小さいことと、音の持続音(サスティーン)が短いというのが特徴でした。古い時代のギターの弦には羊の腸から作られたガット弦が張られており、現在のアコースティックギターよりも、はるかに小さい音量と弱いサスティーンであったことが想像できます。

エレキギターの誕生

1800年代の後半にはスティール弦が登場し、現在のような大きなボディーを持ったアコースティックギターのスタイルを採用することで、音量とサスティーンの問題が緩和され、アメリカではカントリーミュージックのような歌の伴奏楽器として使用されるようになりました。

しかし、これでもオーケストラ、ビッグバンドのような他の楽器とのアンサンブルとなると、音量の問題が出てくる為、さらに大音量を鳴らせるギターが求められました。

そこで登場したのが、電気工学を利用して、スティール弦の振動を電気信号に変換し、コイルで増幅するという方法でした。研究者によりマグネット式のピックアップが発明されエレキギターが生まれます。

最初のエレキギター

フライングパン

1931年にリッケンバッカーから通称「フライングパン」と呼ばれるエレキギターが、世界で初めて市場で販売されました。

このギターは膝の上に乗せて、スライドバーで演奏する「ラップスティールギター」で、アルミ製のソリッドボディが採用されていました。

実用的な電子式ギターという点では、チャーリー・クリスチャンというジャズギタリストが、バンドでギターソロを演奏する目的で、ピックアップをボディに取り付けたアコースティックギターを使い始めたのが1936年頃でした。

電子工学を採用した実用的な使用としては、これがエレキギターの誕生と言われています。

ギター用のピックアップの製造は約1920年代に複数の開発者によって同時にいくつかのモデルが作られており、中でも有名なのがGibsonでフラットマンドリンやアーチトップタイプのギターの製造を手掛けていた「ロイド・ロアー」で、後に「Vivi-Tone」を設立しギターピックアップ開発の第一人者として名を残しています。

ピックアップの製造当初はアコースティックギターに装着していましたが、ボディが持つ共鳴音のせいでフィードバックが起こりやすく、音量を思うように上げれないという問題が発生します。

ソリッドボディギターの開発

ソリッドボディギター

ピックアップを搭載した最初のエレキギターの大きな問題点は、アンプで増幅された音が楽器を共鳴させ、不快な音を生み出す「フィードバック」と呼ばれる音響現象でした。

この問題を解決する為に、ギター本体からボディの空洞を取り除き、音が共鳴しないようにしました。これにより、一枚の木から彫られた「ソリッドボディ」タイプのギターが誕生しました。

多くの開発者はすでに1940年代の初めの頃にはソリッドボディギターについて考えており、フライングパンの製造者でもある「ジョージ・ビーチャム」もピックアップとの相性が良い、現在の中が空洞になっていないソリッドボディタイプのギターを開発に取り組みます。

市場に出回った最初のソリッドボディギターは、当時ギターやアンプの製作家だった「レオ・フェンダー」によって設計されたと言われています。1949年にリリースされた彼のフェンダーエスクワイヤーは、現在、ソリッドボディギター第1号と見なされています。


フェンダーとギブソン

フェンダーとギブソン

レオ・フェンダーによるブロードキャスター(後のテレキャスター)の成功をみて、当時すでにギター製造メーカーの2大巨頭の一つであった「Gibson」にも影響を与えることになります。

当時ギタリストだったレス・ポール氏の協力を得て、1952年にレスポールモデルのギターを発表。

当時フェンダーが量産を意識して、フラットな単板のボディ、ボルトオンネックなど、製造過程で有利なシンプルなデザインを採用していたのに対し、ギブソンはマホガニーとメイプルを採用したボディにアーチトップを施し、ネックにはセットネック構造を取り入れ、ギター製造へのこだわりを重視していました。


ロック時代の始まり

ロック

フェンダーは1954年に現在でも人気の「ストラトキャスター」を発表し、ちょうどこの頃からアメリカでロックンロールブームが過熱します。

ロックの成長と共にエレキギターの需要も増え、音楽の流行に合わせてエレキギターのサウンドも変化していきましたが、エレキギター本体の構造やデザインはこの頃から現在まで、大きな変化はみられません。

良くも悪くも、非常に単純な仕組みの電気製品でありながら、約70年以上も前のテクノロジーを現在も使い続けていられるというのは、エレキギター分野の強みではないでしょうか。

ただ、現在のメインストリームでロックミュージックを聴く機会は減り、他の音楽ソフトウェアを使った先進的な音楽に一歩リードされていることは事実です。

エレキギターの未来

最新ギター

新しく革新的な楽器が次々とリリースされる中、現代のエレキギターのほとんどは1960年に完成した形を引き継いでいます。

これまでにボディ材にプラスチックやグラスファイバーを使用したり、ヘッドレスギター、最近だとBOSSによるシンセサイザーギター等、より多くの実験が行われましたが、これらの開発はあまりミュージシャン達の牽引力を獲得することができませんでした。

現代の楽器は、アーミング、ノイズの減少、弦のピッチの安定&調整のしやすさ、長持ちするコーティング弦など、さまざまな改善を受けています。さらに、これからのテクノロジーの進歩により、時間の経過とともにギター演奏がさらに簡単になる可能性はありますが、これもすべてそのような革新的技術がギタリストに受け入れられているかどうかに依存しています。

実際は音楽的なことよりも、伝統やテクニカルなことを望むプレイヤーが多いのも事実です。結局のところ、エレキギターの未来はギタリストがプレイに望んでいるものと関係しているように思います。


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