【セルフPA】ストリートライブで良いサウンドを届ける為に必要な機材と設置方法
ストリートライブをするアーティストにとっては、出来る限り少ない機材で素敵なサウンドを届けるということが大きな課題の一つとなります。
特に個人で活動している場合は、自分でPA(音量・音質の調整)を行い、サウンドの品質を上げることで、街ゆく人に心地良い演奏を届けることが出来ます。
そこで今回は、気軽な装備で出来るだけ良いサウンドを届ける為のいくつかの方法をご紹介します。
PAって何?
「PA」とは、Public Address(パブリック・アドレス)の頭文字をとったもので、マイクや楽器などの音声をミックスして増幅し、音量・音質バランス整えてスピーカーから伝達する行為を指します。
ライブハウスやフェスイベント等でよく使われる言葉ですが、それだけでなく、小規模のスピーチや講演会を行う時にもPAは必要になってきます。
一般的なライブ公演の場合は、プロのPAチームが音の調整を担当しますが、ストリートライブや小規模なカフェライブなどでは、アーティスト自らPAを行う必要があります。
必要な機材
これからストリートライブを始める初心者の方に向けて、最初に必要な機材についてご紹介します。
ソロなのかバンド形態なのかで必要な機材は変わってきますが、まずは基本的な機材を揃えることで、どんな環境でもスムーズに音声のミックス→出力を行うことができます。
マイク
マイクの種類には大きく分けてダイナミックマイクとコンデンサーマイクがありますが、野外のライブ演奏においては、一般的にダイナミックマイクがよく使用されます。→理想的な音質を手に入れる!最適なマイクを選ぶ為の完全ガイド
ダイナミックマイクは感度が中程度なので、野外の騒音や風の影響を最小限に抑えながら「声」のみを収音するのに最適です。さらに、大音量の入力に耐えることができ、頑丈で耐久性が高いため、ストリートでよく使用されています。
ギター弾き語りスタイルで、マイクスタンドを持ち運びたくない場合は、耳に固定するヘッドセットマイクを使うのもアリです。
楽器
弾き語りでアコースティックギターを使用する際には、出力先のミキサーがHi-Z入力を備えていると、ギターを直接差し込むことが可能です。対応していない場合はDIボックスが必要になります。
荷物を最小限に抑えたい場合は、マイク入力や、必要に応じてスマホを接続できる電池駆動式の小型アンプを使用すると、一人でも持ち運びできるくらいの荷物量でライブを行うことができるのでおすすめです。
電子ピアノやシンセサイザー、DJプレイヤーなど電子機器を利用する場合は、まず入出力端子を確認し、必要なケーブルを事前に用意しましょう。また、スマートフォンやコンピューターから音源を流しながら演奏する場合もケーブルが必要になります。
ミキサー
マイクや楽器などから発信された音声信号は、ミキサーを使って音量や音質のコントロールが必要です。ミキサーには、入力された音声信号をアナログで処理するアナログミキサーと、デジタル処理により多彩な機能を備えたデジタルミキサーがあります。
デジタルミキサーには、音声信号をネットワークで取り扱う"Dante"と呼ばれる技術に対応した機種も存在します。また、スピーカーにミキサー機能が内蔵されているものや、タブレット端末のアプリを使用して遠隔操作ができる機種もあります。
Danteとは?
DanteはAudinate社(オーストラリア)が開発したデジタルオーディオネットワークの規格です。IPネットワークとギガビットイーサネットに準拠し、ネットワークスイッチとイーサネットケーブルを用いて、
多チャンネルの非圧縮デジタルオーディオ信号を低レイテンシーで送受信できます。
スピーカー
ミキサーを使用して音声バランスを調整した後、アンプを通して信号を増幅することで、スピーカーから迫力あるサウンドを鳴らすことができます。
荷物を減らしたい場合は、パワードスピーカーと呼ばれるアンプ内蔵のスピーカーを利用することで、別途アンプを用意しなくても大音量で鳴らすことが可能です。
スピーカーの役割として、観客に音を届けるための外音用のスピーカーと、演奏者が自分の声や演奏を聴くための中音用のモニタースピーカーがあります。ソロで行うストリートライブのような環境では、複数のスピーカーを用意することが難しいので、演奏者の後方にスピーカーを配置することで、外音と中音の両方の役割を果たすことができます。
ストリートライブを行う時のポイント
スピーカーの設置方法
ストリートライブにおいて、スピーカーの配置が音質を大きく左右する要因となります。パワードスピーカー1台で行う場合には、基本的にスピーカーは演奏者の横か少し後ろに配置します。
スピーカーを高い位置に設置することで、音をより広範囲に響かせることが可能です。逆に、あまり遠くにまで音を飛ばしたくない場合は、床置きがおすすめです。
床置きの際には、スピーカーを縦に設置すると遠くまで音が広がります。また、横に向けて斜め上に向けるようにすると、演奏者が自分の音をモニターしやすくなります。
音量バランスの調節
設置が完了したら、ボーカルと楽器の音量バランスを調整しましょう。声と楽器1つの弾き語りスタイルの場合は、楽器を弾いた時に歌がかき消されない程度に音量を上げていき、歌いやすいバランスを探ります。もし自分の歌が聞こえないと感じたり、音程が取りにくいと感じる場合は、楽器の音量が大きすぎる可能性があります。
楽器と声のバランスが決まったらマスターボリュームで最終的な音量を調整します。音を届かせたい範囲を明確にして、ハウリングが起こらないように注意しながら調整しましょう。
スピーカーを後方に設置する場合は、スピーカーからの音をマイクが拾ってしまうことでハウリングの原因となるので、スピーカーの向きや音量バランスに気を付けましょう
音量に注意する
アンプを使ってライブをする場合は、最適な音量感を見つけるのが非常に重要になります。
ボリュームが大きすぎると目の前を通る人にとっては不快に感じますし、小さすぎても行き交う人に音楽が届かないことになるので、場所に合ったベストな音量感を探す必要があります。
最適な音量感を見つけるにはある程度の経験が必要になりますが、場所の雰囲気や交通量を考えて、実際に音量調節するときにはアンプスピーカーの前に行って音量調節しましょう。
まとめ
ストリートライブで高品質なサウンドを届けるためには、適切なPA機材とその使い方が重要です。最低限必要な機材として、ダイナミックマイク、各種楽器、スピーカーが挙げられます。
ミキサー・アンプ・スピーカーがセットになったオールインワンタイプのパワードスピーカーも販売されているので荷物を少なくしたい方にはおすすめです。
スピーカーの配置は音質に大きな影響を与えるため、慎重に行いましょう。場所に合った適切な音量バランスの調整やハウリングの防止にも注意が必要です。
以上、「【セルフPA】ストリートライブで良いサウンドを届ける為に必要な機材と設置方法」でした。