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レコーディング時にオーディオインターフェイスの「プリアンプゲイン」を正しく設定する方法

ギターレコーディング時にオーディオインターフェイスの「プリアンプゲイン」を正しく設定する方法

楽器や歌のレコーディングをする時には、オーディオインターフェイス「プリアンプゲインの設定」が、録音のクオリティに直結する重要なポイントとなります。例えば、ゲインが低すぎるとノイズが目立ってしまい、逆に高すぎると音が歪んで(クリッピング)してしまいます。

まずは、プロフェッショナルなスタジオレコーディングと同じように、コンピューターにギター信号を取りこむ時のゲイン量を正しく設定することで、自宅でも素晴らしいギターサウンドを録音することができます。

とはいえ、これが絶対に守らなければいけない厳密なルールではないということは覚えておいてください。録音する内容によっては、あえて違う設定をする場合ももちろんあります。今回は、基本的なプリアンプのゲイン設定についてステップを踏みながらご紹介します。

そもそもプリアンプってなに?

マイクや楽器をオーディオインターフェイスに繋いだ時に、楽器からのオーディオ信号はプリアンプと呼ばれる部分を通過します。これはマイクや楽器からの弱い信号を増幅する役割を持っています。接続する機器によって、インターフェイスにはいくつか異なる入力方法があります。

エレキギター、ベース、シンセサイザーなどを使う場合は、楽器入力を使います。ほとんどのインターフェイスには、信号を適切なレベルまで上げるための「INST」ボタン(機種によっては「hi-z」)があります。楽器を接続した場合は、このボタンをオンにする必要があります。

ボーカル録音用にコンデンサーマイクを使う場合は、ファンタム電源をオンにする必要があります。ファンタム電源はマイクに必要な電力を供給する為のもので、「48V」ボタンが付いているはずです。

ゲインメーターの見方

製品にもよりますが、ほとんどのオーディオインターフェイスには、フロントパネルにゲインコントロールのつまみ付近に信号の強さを示すライトが付いています。色の状態で現在のゲイン量を判断することができます。

  • グリーン : 適切、もしくは弱い
  • オレンジ : やや強い
  • レッド : 強すぎる

最近のインターフェイスには、信号レベルをより詳細に表示できる専用アプリが付属していることが多いです。アプリが付いている場合は、インターフェイス本体の簡易的なライトで確認するよりも、アプリを使って信号レベルを確認することをおすすめします。

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正しいゲイン量の設定方法

具体的なゲイン量の設定の方法は以下の通りです。

  1. ゲインを最小に設定 : オーディオインターフェースのゲインノブを一番低い位置に回します。
  2. 音を出しながら徐々にゲインを上げる : 楽器を演奏したり、マイクに向かって歌ったりしながら、ゲインノブを少しずつ上げていきます。
  3. オレンジになるまで回す : インジケーターがオレンジに点滅し始めるまでゲインを上げていきます。
  4. グリーンになるまで少し戻す : オレンジまでいったら、グリーンになる所までノブを戻します。強く弾いたり、声を張ったりするポイントでオレンジにギリギリ届くぐらいが理想的です。
  5. DAWでモニタリングする : DAW側の入力信号レベルが-15dBFS~-6dBFSの間くらいにあることを確認してください。

オレンジに点滅する少し前が理想的なゲイン量となります。ジャンルや演奏スタイルによっては、オレンジに突っ込んだ状態で録音することもあります。

ゲイン量のコントロールは、弱すぎず、強すぎずの丁度良いバランスを取ることが重要で、実際にレコーディングする曲をプレイしてみて、強く演奏する箇所でレッドに点滅しないように注意しましょう。

ゲイン量が「弱すぎ」「強すぎ」の時に起こるトラブル

オーディオインターフェイスからコンピューターに音を入力する時に、ゲインが低すぎると、音源の信号が雑音に埋もれやすくなり、逆に高すぎると歪みやノイズが発生しやすくなります。適切なゲインを設定することで、クリアでノイズの少ないサウンドを得ることができます。

この楽器信号とノイズの比率のことを「SN比」と呼びます。SN比とは、純粋なSignal(音声)と不要なNoise(ノイズ)の比率を表す指標で、値が大きければ大きいほど、ノイズが少なく純度の高い音源と言えます。

出典 : https://oes.ne.jp/data/snratio.html

レコーディングを行う時に、アナログからデジタルへの変換やデジタル処理の段階で、信号がクリッピングしてしまうことがあります。特にボーカルのような音量差が大きくなりやすいトラックでは、適切なゲイン設定を行うことでこのデジタル歪みを防ぐことが可能です。

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仮レコーディングしてみる

実際にゲインレベルを見ながら、本番さながらにプレイしてみましょう。本番になると、より熱のこもった演奏や歌になりがちです。もしレベルが赤くなってしまう場合は、本番のレコーディングに備えて、少しレベルを下げておくと安心です。

Aメロ、Bメロだとグリーンでもサビで感情的になって音量が上がることもあります。常に最適なレベルを保つために、1曲を通してレベルチェックを怠らないようにしましょう。

もし、ギタリストのレコーディングをする場合に、Aメロはクリーンのアルペジオで、サビでディストーションのパワーコードを演奏するような場合は、セクションごとにゲインコントロールを行うことで、より最適なゲイン量でレコーディングを進めることができます。

まとめ

オーディオインターフェイスのプリアンプゲインの設定について解説しました。ゲイン設定は、ギターレコーディングのクオリティを大きく左右する重要な要素です。

状況に合わせて適切なゲイン設定を行うことで、クリアでノイズの少ない、プロフェッショナルなサウンドを入手することができるでしょう。

以上、ギターレコーディング時にオーディオインターフェイスの「プリアンプゲイン」を正しく設定する方法でした。


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