
【保存版】DTMイコライザー(EQ)の使い方はこれだけ!ミキシングを劇的に変える究極のコツ
「一生懸命ミックスしているのに、なぜか音がこもってしまう…」「YouTubeの解説を見ても、結局自分の曲のどこをいじればいいのか分からない」DTMを始めたばかりの頃、誰もが最初にぶつかる壁がイコライザー(EQ)です。
プロの音源のように「一音一音がクッキリ聴こえる透明感のあるサウンド」を作るためには、EQの正しい使い道を理解することが欠かせません。しかし、初心者の多くが「なんとなく」でEQをいじり、逆に音をバラバラにしてしまっています。EQは単に「音質を変える魔法のツール」ではなく、音の渋滞を解消するための整理整頓ツールです。
この記事では、ミキシング初心者の方でも今日から実践できる「EQを上手にかけるための5つのヒント」に加え、楽器別の具体的な設定例や、プロが実践する「引き算の美学」を徹底解説します。あなたの曲から「濁り」が消え、プロのような解像度の高いサウンドに一歩近づくためのテクニックをすべて公開します。
1. イコライザー(EQ)の役割は「音の整理整頓」

まず、EQを使う前に知っておいてほしいことがあります。それは、「EQは何のために使うのか?」という目的です。
多くの初心者は「音をかっこよくするため」にEQを使おうとします。もちろん間違いではありませんが、ミキシングにおけるEQの最大の役割は「音の住み分け(整理整頓)」にあります。
音の「渋滞」がこもりの原因
例えば、バンド編成の曲を想像してみてください。
・キックドラムの低音
・ベースの低音
・ギターの低い響き
・ボーカルの低い成分
これらがすべて同じ「低い音域」で鳴っていたらどうなるでしょうか?
答えは「音がぶつかり合って、何が鳴っているか分からない濁った状態」になります。これを専門用語で「マスキング」と呼びます。EQはこの渋滞を解消するために、「この楽器はこの場所(音域)を担当する」と交通整理をするための道具なのです。
2. ヒント①:目標とする「完成形」を明確にイメージする

EQを触り始める前に、最も重要なステップがあります。それは、「どんな音にしたいか」というゴールを決めることです。
なぜ「なんとなく」で触ると失敗するのか
ゴールを決めずにEQを動かすと、以下のような悪循環に陥ります。
1. 「なんとなく高音が足りない気がする」とブースト(音を上げる)する。
2. 「今度は低音が弱く感じる」と低音もブーストする。
3. 結果、全体の音量が上がりすぎて音が割れる。
4. 結局、何が良い音なのか分からなくなる(耳の疲労)。
EQを触る前のチェックリスト
EQのツマミを回す前に、一度冷静に音を聴いてみてください。
・その楽器は、他の楽器の邪魔をしていませんか?
・逆に、他の楽器に埋もれて聴こえなくなっていませんか?
・EQを使う前に「音量(フェーダー)」や「パン(左右の配置)」で解決できませんか?
実は、音量を少し下げるだけ、あるいは音を少し左右に振るだけで、EQを使わなくても綺麗に聴こえるようになるケースは非常に多いのです。「EQを使わないで済むなら、それに越したことはない」というのが、プロの共通認識です。
3. ヒント②:初心者は「カット(削る)」から始める

EQ操作の鉄則は「ブースト(上げる)よりもカット(下げる)」です。これはミキシングの基本中の基本であり、最も重要なコツです。
なぜカットが優先なのか
音を持ち上げる(ブーストする)と、その音域のエネルギーが増え、全体の音量バランスが崩れやすくなります。また、デジタル処理特有の「不自然な音の歪み」が生じることもあります。
一方で、不要な音を削る(カットする)と、相対的に他の「おいしい音」が浮き上がって聴こえるようになります。
不要な帯域をカットする具体的な手順
① ハイパスフィルター(ローカット)の活用
これが最も効果的です。人間の耳には聞こえにくい「超低音」は、放っておくとミックス全体のパワーを奪い、音を濁らせます。
・ボーカル: 80Hz〜100Hz以下をカット
・ギター: 100Hz以下をカット
・シンバル: 200Hz〜300Hz以下をカット
このように、その楽器にとって不要な低音をバッサリ切るだけで、キックやベースのための「スペース」が空き、一気に音がスッキリします。
② 耳障りな音を見つける「スウィープ法」
特定の場所だけが「キーン」とか「ボーン」と鳴って耳障りな場合、以下の手順で探します。
1. EQの「Q幅(範囲)」を非常に狭くする。
2. ゲイン(音量)を思いっきり上げる。
3. そのまま周波数のツマミをゆっくり左右にスライドさせる。
4. 「うわっ、ここ変な音がする!」というポイントを見つけたら、そこを数デシベル下げます。
4. ヒント③:音域ごとの特徴を把握する

初心者が迷いやすい「どの周波数がどんな音か」を分かりやすく表にまとめました。これを基準に調整してみてください。
| 周波数帯域 | 特徴・聴こえ方 | EQのポイント |
|---|---|---|
| 20Hz - 60Hz | 重低音(サブベース) | 空気感や重量感。上げすぎると音が濁る。 |
| 60Hz - 250Hz | 低音(ベースの芯) | 音楽の土台。キックとベースがぶつかりやすい。 |
| 250Hz - 500Hz | 中低音(こもり成分) | 「モコモコ」した感じ。少し削ると透明感が出る。 |
| 500Hz - 2kHz | 中音(楽器の芯) | 楽器の個性が詰まった場所。密度が高い。 |
| 2kHz - 4kHz | 中高音(存在感) | 耳に届きやすい場所。ボーカルの明瞭度に関わる。 |
| 4kHz - 8kHz | 高音(明るさ) | 派手さ、アタック感。上げすぎると耳が痛い。 |
| 8kHz - 20kHz | 超高音(空気感) | 繊細な響き、抜けの良さ。プロっぽい質感。 |
5. ヒント④:EQの効果を「全体」で確認する

EQを調整していると、ついその楽器だけを聴く「ソロボタン」を押したくなりますよね。しかし、ここに大きな罠があります。
「ソロで良い音」は「ミックスで悪い音」?
例えば、ギターをソロで聴いて「低音が豊かで分厚い最高の音だ!」と調整したとします。しかし、ベースと一緒に鳴らしてみると、ギターの低音がベースを邪魔して、結果的に曲全体がモコモコになってしまうのです。
EQの正解は、常に「すべての楽器が鳴っている状態」の中にあります。
- 調整はできるだけ全体を鳴らしながら行う。
- 時々EQをOFF(バイパス)にして、本当に良くなっているか確認する。
- 迷ったら耳を休める。耳が慣れてしまうと判断を誤ります。
6. ヒント⑤:他のエフェクト(コンプ等)との前後関係

EQは単体で機能するものではありません。特にコンプレッサーとの関係は重要です。
EQ → コンプ の場合
EQで不要な低音をカットしてからコンプをかけると、コンプが余計な音に反応しなくなるため、よりスムーズに音量を整えることができます。掃除をしてから形を整えるイメージです。基本的にはこの順番が初心者の方にはおすすめです。
コンプ → EQ の場合
コンプで音を圧縮した後に、失われた高音をEQで少し足してあげるなど、「最終的な音色の微調整」として機能します。
まとめ:イコライザー(EQ)を使いこなして一歩上のクリエイターへ
いかがでしたでしょうか。イコライザー(EQ)の使い方のコツをまとめると、以下の3点に集約されます。
- まずは「音量」と「パン」で解決できないか試す。
- 「引き算(カット)」を中心に考え、音のスペースを空ける。
- 常に「曲全体」の中でのバランスを優先する。
EQは、あなたの音楽というキャンバスを整理し、それぞれの楽器が一番輝く場所を見つけるための素晴らしいツールです。この記事で紹介したヒントを一つずつ試していくうちに、あなたの耳は確実に「良い音」を聴き分けることができるようになります。
まずは、最新曲のトラックに「ローカット(ハイパスフィルター)」を入れるところから始めてみてください。それだけで、ミックスの世界が変わるはずです!