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BAND

バンド活動するなら知っておきたいライブハウス事情

2020年12月13日

ライブハウスの仕組み

バンド活動するなら知っておきたいライブハウス事情

バンド活動をする上で、ライブハウスでのライブは非常に重要な存在です。しかし、ライブハウス界隈は複雑で、ビジネス的な側面もあることを知っておく必要があります。

改めて、自分のバンド活動時代を振り返ってみると「バンドマンはライブハウスでライブをすることが成功への道筋」ぐらいのなんの根拠もないまま活動していました。そして、「無知」過ぎたがゆえに、色々と失敗したなと思うことも多くあります。

この記事では、バンド活動を始める人や現在活動している人が、ライブハウス界隈のビジネス的な側面を理解することで、失敗や不本意な搾取を避けるための情報をお届けします。また、ライブハウスを選ぶ上でのポイントや、ライブハウススタッフとのコミュニケーションの大切さ、そしてバンドマンとしてのマナーなど、幅広く解説していきます。

バンド活動に欠かせないライブハウス

ライブハウス

バンド活動において、ライブハウスは単なる音楽を演奏する場所に留まらず、ライブハウスとのコミュニケーションやビジネス的な側面も大切な要素となります。

ライブハウスを選ぶ際には、音楽性やファン層に合った場所を選ぶことが大切です。また、出演するには事前にライブハウス側との交渉が必要であり、出演料やチケット販売方法、宣伝などについて話し合うことにまります。

そして、ライブハウス側との信頼関係を築くことも大切です。常連であることやライブハウスのイベントに参加することで、ライブハウス側からの信頼を得ることができます。このように、バンド活動においてライブハウスは重要な存在であり、音楽的な側面だけでなく、ビジネス的な側面や信頼関係の構築が欠かせません。

音楽人がビジネスを考えるのは良くないという風潮

ライブハウス

音楽人がビジネスを考えることは、何らかの理由でよくないとされることがありますが、実際には仕事として収益を生み出せる仕組みを考えることが、音楽人自身のキャリアや音楽シーン全体の発展にとって非常に重要です。

例えば、ライブハウス側のビジネスモデルを理解することで、より深く良い関係でお付き合いできるようになるかもしれませんし、音楽人に対して報酬をきちんと払っているかどうか、自分たちの音楽をどうやってマネタイズするか、といったことを考えるきっかけにもなります。

また、音楽人は自分たちの音楽を生み出すことに集中することが重要ですが、同時に自分たちの活動を事業として成り立たせることを考える必要もあります。音楽を広める為のより効果的なプロモーションや、マネジメントを行うことができ、キャリアの発展に貢献できるでしょう。

ライブハウスの収益構造について

では「上手にライブハウスと付き合っていくにはどうすればいいの?」ということなのですが、結論からいうとライブハウスのビジネスモデルを理解した上で、ライブハウス以外の活動場所を見つけるか、活動条件に見合ったライブハウスを選択、交渉することです。

その為にもまずはどのようにしてライブハウスの経営が成り立っているのかを知る必要があります。

  1. チケット販売:ライブハウスが発行するチケットの販売が、最も大きな収益源となります。チケット代金から手数料を差し引いた残りがライブハウスの収益となります。
  2. レンタル料:ライブハウスの施設や設備を利用する際に支払う費用が、収益の一部となります。バンドや主催者が独自にイベントを開催する場合、レンタル料が発生します。
  3. 飲食代:ライブハウス内での飲食代の売上も重要な収益源となっています。多くのライブハウスでは、アルコールやソフトドリンク、軽食などが提供され、こちらからの利益も収益に含まれます。
  4. その他:ライブハウスによっては、グッズ販売やコインロッカーの利用なども収益源となります。


チケット販売・ホールレンタル料

ホールレンタル

ライブハウス収益の大部分を占めるのが「チケット販売・ホールレンタル料」です。

ホールレンタルが成立すると興行そのものに対してノーリスクで運営することができ、しかもイベント主催者の集客力によってそれ以上の売り上げが見込めます。

レンタルが無い場合はライブハウスが開催するイベントに出演者を募り「チケットノルマ」を課せて出演してもらいます。大体都内だと¥2000~3500×15枚ぐらいが相場です。

イベントレンタルという名目でイベント主催者に60~70枚のチケットノルマをまとめて付けるプランもあったりします。実質的なホールレンタルです。

ライブチケット


まず、バンドマンが金銭的なプレッシャーとなる代表格が「チケットノルマ」ではないでしょうか。

チケットノルマはホールレンタルして興行をするイベントの主催者やそこに「対バン」として集められたバンド達が払う、いわば「最低売り上げ保証」システムです。

ホールレンタルされなくてもバンドマンサイドが最低売り上げを担保してくれるので、これもリスクを少なくして運営が可能です。

一般的な空間レンタルビジネスに「最低売り上げ保証」が付いており、さらにたくさんお客さんが来場した場合には追加でチャージバックでマージンを取っていく仕組みになっています。ライブハウスごとにノルマやチャージバックの提示額に差があるので、ここで交渉したり、選択の余地が生まれるということです。

飲食費

ライブハウス

もう一つの収益源が「飲食費」です。

チケットと共に支払われるワンドリンクに疑問をもっている方もいるとは思いますが、これは「飲食店許可」と「特定遊興飲食店許可」をとるためにも必要なのです。

興行場として認可を得るにはハードルが高いので、ほとんどのライブハウスは「音楽を楽しめるバー」みたいなくくりで営業しています。なのでお客さん全員に飲食物を販売しなければ音楽を提供することができないのです。

当然集客が多いと飲食費が増えるので、やはり集客力のある興行主は喜ばれます。さらにイベント終わりのバンドマンによる打ち上げ代も大きな飲食費となります。

横の繋がりを増やす為にも大切な場ではありますが、毎回自腹で派手な宴会をやるために、バンドを結成した訳じゃないはずです。一通り挨拶できたら終電までには帰宅してライブビデオを見返しましょう。

社会情勢の変化による経営難

現状、社会情勢の変化もあり、経営に苦しんでいるライブハウスも多くあります。時代の流れともに色々な要因が考えられます。

1. ライブハウス自体が増えたことによる競争激化

バンドブームによってライブハウスが増加したため、集客に苦戦するライブハウスが出てきました。そのため、ライブハウス側は、より多くの出演者を集め、その分の経費を捻出する必要がでてきました。

2. 若者層の音楽離れ

若年層は、音楽に関心があるにもかかわらず、音楽にお金を使うことに二の足を踏んでいる傾向があります。また、スマートフォンやインターネットの普及により、音楽を無料で手軽に聴くことができるようになったことも、ライブハウスの集客に悪影響を与えています。

3. 音楽業界の変化

音楽の配信サービスが台頭し、音楽コンテンツを手軽に消費できる時代になりました。そのため、ライブハウスは、ライブイベントにおいて、音楽以外のエンターテインメント要素を加えるなど、新しい付加価値を提供する必要が出てきました。

4. コロナ禍による営業自粛や規制

ライブハウスは人が集まる場所であり、感染症の拡大防止のために営業自粛や規制が行われることがあります。このため、ライブハウスは売り上げ減少に直面しています。


これらの要因が重なり、ライブハウスの経営が難しくなっていっています。しかし、ライブハウス側がより多くの付加価値を提供し、音楽ファンが集まるライブハウスをつくることで、再びライブ空間が活性化することが期待されています。

チケットノルマ制が必須

ライブハウスにおけるチケットノルマ制度は、バンドやアーティストにとっては負担になるものの、ライブハウス側にとっては必要不可欠なものと言えます。

ライブイベントを開催するには、それに応じた準備や費用が必要です。ライブハウス側は、スタッフの給与や施設の維持費、広告費などを負担しています。また、ライブハウス側にとっては、バンドやアーティストにとって有名なライブハウスでのライブ出演は、多くのファンを集めることができるため、ビジネス的にも非常に重要な要素です。

一方、チケットノルマ制度は、バンドやアーティストによって、そのライブに応募したファンにチケットを販売するように求める制度です。これにより、ライブハウス側は確実にチケット販売数を確保することができ、開催するライブの準備や費用を十分に確保することができます。

ただし、チケットノルマ制度が過剰に設定された場合、バンドやアーティストに負担がかかりすぎて、音楽活動そのものが継続できなくなる可能性があるため、バランスの取れた制度設計が必要となります。

駆け出しバンドマンには重荷すぎるチケットノルマ

店舗の集客が弱いからと「お客さん15人は呼んでね。呼べなかったら最低保障として自分たちで買い取って」という条件を一般的なサービス業のキャストに言ったとしたら、誰もそのお店で働こうとはしないでしょう。

どの業種でもお店側が広告費をかけて広告やビラで集客を行い、キャストにはお給料という形のギャランティーが支払われるのが当たり前ですが、バンドマンに限ってはすべての業務を請け負ったうえに、達成できなければこちらが支払うという条件を承諾しています。

それでも出演するバンドマン

では、なぜそのような商売が成り立っているのかというと、その悪条件を提示されても出演するバンドマンがほとんどだからです。

不当な条件だと感じたら、交渉するか「出演しない」というのが一番の対策なのですが、そもそも悪い条件を突きつけられているという感覚が無いことがほとんどでしょう。

大金を払ってでもライブハウスに出演しなければいけない理由があるのかどうかはわかりませんが、それほど「ステージに立つ」ということは、バンドマンにとっては夢の舞台なのです。

ステージに立つバンドマン
  • ステージに立って注目を浴びる気持ちよさ
  • 横のつながりの大切さ
  • 打ち上げで酒を酌み交わす楽しさ

確かに、バンド活動を趣味で楽しむ分には、ライブハウスでの演奏は他では味わえないような快感を得られます。しかし、プロとして活動する場合は、何のためにライブを行うのか、再度考える必要があります。

リターンが見込めない30分のステージに多くの時間や費用をかけているだけでは、どんなに活動しても成功の見込みはゼロに等しいです。そのため、もしプロとしての活動を視野に入れている場合は、ビジネスとしての視点も必要になってくるでしょう。

ライブハウスを選ぶ

「じゃライブハウスには出演しないほうがいいの?」

極端に考えると、集客が見込めない場合は出演しない方がよいと思います。集客見込みがない状態でライブハウスに出演することは、どちらにとっても大きなリスクがあるということを理解しておくべきです。

しかし、駆け出しのバンドは何回か出演して集客を頑張っていると、ノルマ無しやチャージバック100%還元をしてくれるライブハウスもあります。

ライブハウス側が「売り上げ最低保証」を無くしてくれるということは、そこには信頼があるということです。 集客が悪かった場合、赤字になるというリスクを背負ってくれているということです。だからこそ、ライブハウスと一緒にイベントを成功させるために、アーティスト側も責任を持つことが大切です。

ライブ

イベントをゼロから作り上げて、成功させる達成感というのは素晴らしいです。

筆者自身も集客がない頃から可愛がってもらい、お世話になったライブハウスの方達には今でも感謝しています。ライブハウス側からしても、成長見込みのあるバンドを育てることはメリットも多く、なによりそれを使命としてライブハウス運営をしている経営者の方達がほとんどだと思っています。

そのようなバンドの成長を心から応援してくれるライブハウスを探すこともバンドマンにとっては重要な任務で、そして集客の無いころからお世話になったライブハウスには「いつかビッグになって恩返しをしてやる!」ぐらいの心意気は持つことも音楽活動において大切です。

まとめ

ライブハウスの運営の仕組みと現状についてお話しました。

バンドマンとしてライブハウスと関わっていくのなら、ライブハウス側から出演依頼のお声がかかるような状態になることと、そもそもライブハウス規模のライブでビジネスとして成り立たせるのはかなり厳しいということです。

集客や宣伝が目的なら今の時代SNSやYouTubeで十分ですし、全国を飛び回ってツアーをする時間の余裕と経済力があるのなら、最高のミュージックビデオを一個作ってウェブ広告に出した方が効果的です。

ライブハウスの人達もビジネスとはいえ音楽好きの人間です。何回ライブをしても対応が変わることなく、搾取されているような感覚になるということは、バンド自体に魅力がない可能性も否定はできません。

以上、「バンド活動するなら知っておきたいライブハウス事情」でした。


ライブハウスに出演するまでの流れ【バンドマン向け】

バンド練習でやるべき5つのこと

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