
バンド練習でやるべき5つのことについて
みなさんは、リハーサルスタジオを借りて、バンド練習をするときにどういった練習をしていますか?
ライブでやる曲を頭から一曲づつやって終わっていませんか?
通し練習も大事ですが、それだけだとバンド練習としては少し物足りなかったりもします。
みんなでスケジュールを合わせて、スタジオ代金を払い、限られた時間の中で練習するのなら、できる限り効率よく練習することが大切です。
今回は効率よく練習ができるようにバンド練習でやるべきことを5つご紹介します。
サウンドメイク

各楽器のセッティングが完了したら、楽曲の練習に入る前に、まずは音量バランスや音質の調整を行います。
軽くワンコーラスぐらいを演奏してみて、全体の音量調整をするのですが、バンドマスターか、ボーカルが指揮をとるとスムーズです。
初めは自分のことばかりに集中してしまいがちですが、常に自分の音を客観的に聴く癖をつけて、自分のパートが全体に対して極端に大きすぎたり、小さすぎたりしていないか注意を払います。
誰か大きすぎるパートがいたり、極端な音作りになってしまっている場合は優しく指摘してあげましょう。
※他人のパートに指示するのは勇気がいりますが、早い段階で気軽に指摘しあえる関係を築き上げることが大切です。
音量の基準が分からない場合は、音量調節が難しいドラムや、ボーカルの歌いやすい環境に合わせてあげるのが一般的です。
慣れないうちは全体の音を聞いて普段聴いているCD等のプロ音源のバランスをイメージすることがコツです。
全体を意識して最適な音量バランスを取る癖をつけることは重要です。
ライブの音質向上はもちろん、ボーカルが歌いやすいように常に気を配れるような環境作りが可能になります。
特にギタリストの方はボーカルの歌いやすさに直結するパートでもあるので
【脱初心者】エレキギターの音作りの極意!
【ギター歴15年が語る】ギターの抜ける音作りについて
この辺りの記事を参考にしながら、慎重に音作りしましょう。
全体の音量バランスが取れたら不要な低音カットや、音被りしないようにサウンドの住み分けを行うのですが、慣れないうちはスマホの「スペクトラムアナライザー」を使うことをオススメします。

スペクトラムアナライザーとはリアルタイムで音の周波数を目視できる機器で、これをみながら各楽器の周波数分布を把握することができます。
慣れてくると耳で聴いただけで「全体的に〇〇Hzの音が出すぎているな」と感覚的にわかるようになってきます。
通し練習

スタジオ練習は楽曲単位で一曲一曲練習するのもいいですが、スタジオではなるべく本番を想定して、実際にライブでやる楽曲をMC等を含め、入場から最後までの通し練習をします。
ミスが目立った箇所、気になる部分やライブ進行的におかしな部分(MCが長すぎる等)はスマホにメモしておき、あとで修正します。
ライブ力を付けたいのなら、常に本番をイメージして、実際に目の前にお客さんがいることを想定し、全体のライブの流れを意識しながら練習することが大切です。

入場の演出、セットリスト、曲と曲のつなぎ方、MCの練習、パフォーマンス等、全体で合わせるべきことは多いです。
個々の楽曲練習は自宅で完璧に仕上げておき、スタジオではなるべく全体練習に時間をかけることが効率的です。
練習を録音する

練習を録音することは非常に重要です。
自分の演奏に必死で周りの音が聴けていない場合や、全体のアンサンブルのズレやライブ進行を確認するのに役立ちます。
かなりの熟練プレイヤーでない限り、演奏中に全体の演奏やライブの流れを俯瞰(ふかん)で見ることはなかなか難しいです。
上手くいったと思っていても、あとで聴き返すと全然ダメだったり、ライブの進行が部分的に見るとおかしいけど、一歩引いてライブ全体の流れでみると大丈夫だったりすることも多いです。
今だとスマホとかでも十分綺麗な音で録音できます。
※ライブパフォーマンスも合わせて確認したい場合はビデオ録画もありです。
録音した音源は、帰りの電車や家でじっくり聴きましょう。
問題箇所を改善

通し練習や録音音源で見つかった問題個所を一個ずつ修正していきます。
練習中にいちいち止めるよりかは、改善の為の時間を設けて、まとめてチェックしたほうが効率的です。
結成したばかりのバンドだと中々ハードルが高い作業ですが、しっかりと問題点を指摘しあえるバンドは強いです。

スタジオ前に前回のスタジオ音源で見つかった改善箇所を報告しあったり、練習の休憩時間を利用してミーティングするようにすると、限られたスタジオ時間を有効的に使えます。
練習そっちのけで、長く話し込んでしまうことも多いかと思うので、しっかりミーティングの時間を決めて、気持ちを切り替えて練習に戻ることが大切です。
リズム練習

クリック練習と言われる、バンド全体の縦のラインを揃える為の練習です。
バンドとして全体のグルーブの精度を上げていくためには、とにかくクリックを鳴らしながらたくさん練習することが重要です。
クリック音をスピーカーから全体に聴こえるように鳴らし、「全員が共通のリズムを聴きながら練習」が大切です。
鳴らしながら通して演奏するのではなく、苦手な部分を重点的に、例えば「Aメロの最初の2小節だけ」とか「Bメロだけ」「サビだけ」など曲の一部分をリピートし、ひたすら繰り返して演奏し続けるのが良いリズム練習になります。
慣れてきたらクリックのパターンを変えることで、更にリズム感を養います。
例えば裏拍だけで鳴らしたり、2拍・4拍だけで鳴らすというような感じです。

地味な練習ですが、習慣的に行っているバンドとそうじゃないバンドでは、将来的にみると大きな差が開きます。
ドラムではない、機械的なリズムの基準点を作ることで、メンバーが持つ「リズムの癖」も分かるようになるので、お互いを知るためにも是非練習に取り入れましょう!
リズムに関してのもっと詳しく知りたい方はリズムの基礎知識についての記事を合わせてご覧ください。
以上、バンド練習でやるべき5つのことでした。