モニタースピーカーの正しい配置方法【DTM】
DTM用にモニタースピーカーを購入して、一般的なリスニング用と同じようにただPCの横に配置して使用していませんか?
デスク上の限られたスペースや部屋の構造的にも限界はありますが、プロスタジオのような音響設備の整った環境ではない場合には、モニタースピーカーを正しく配置して少しでも音響効果を高めることが重要です。
モニター環境を高めることは最終的な音源のクオリティに直結します。そこで今回はモニタースピーカーの正しい配置方法についてお話します。
1. 左右対称にする
ステレオ音像を正しくリスニングする為にもモニタースピーカーは左右対称になるように設置して、角度もなるべく左右が同じように設置します。
部屋の反響もサウンドに影響するので、配置場所によっては左スピーカーと右スピーカーからの音のバランスに違和感を覚える場合があります。
部屋の設置場所も左右が対象になるように、長方形の部屋の角にデスクスペースを置くよりもなるべく壁の中央に設置するのが最適です。
2. 短い壁に沿って配置する
スピーカーから出た音の反射音は近くの壁の方が遠くにある壁よりも早く大きな音量で返ってきます。
反射音の音量が大きいほどスピーカーから直接聴こえてくる原音に混ざってしまいます。
なるべく反射音による音の干渉を少なくする為にも、部屋の形が長方形の場合は短い壁の方に向かってデスクを配置するようにしましょう。
3. モニターを耳の高さに合わせる
モニタースピーカーのツイーターを耳の高さと平行になるように設置することで、音の分散を抑えることができ、特に高音成分を正しくモニターすることができるようになります。
サウンドが持つ波形というのは高音になるほど音の指向性が高く、逆に低音成分は指向性が低く、どこから鳴っているのかが分かりにくいという性質があります。
多チャンネルのサラウンドスピーカーについているサブウーファーの設置場所が特に定められていないのはこの為です。
なので、耳がスピーカーの前面と中央から離れるにつれてサウンド特性が大きく変化する可能性があるので、最高のサウンドを得るにはスピーカーの高さと角度が非常に重要です。
4. 固い材質はなるべく避ける
作曲家の部屋やレコーディングスタジオ等で壁にやわらかい防音材が張られているのを見かけたことがあるかと思います。
音響学的にも固い材質の壁や床は音をよく反射するので、スピーカーからの直接音を妨げる原因にもなります。
もちろん自宅の壁を防音性の高い柔らかい材質に変えるのは現実的では無いので、部分的に防音材を貼るだけでも効果は高いです。
防音材を貼る場所
一番最初に耳に帰ってくる初期反射音を視覚的に見つける方法としては、跳ね返ってくる壁に鏡を設置して、座っている場所から鏡を通してスピーカーが見える場所が一番大きな反射音を生むポイントです。
この方法なら少ない枚数で大きな効果を得ることができるので、できる限りコストを下げたい場合にもおすすめです。
5. モニターが正しく鳴るように微調整
最後は自分の耳を使ってスピーカーが正しく鳴っているかどうかを判断します。
正しいバランスを確認できる音楽を流して、例えば低音が大きすぎると感じる場合には後ろの壁から少し離したり、スピーカー本体のフィルターやEQを使って微調整します。
重要なのはモニターが持つ特性と自分のこれまでの経験を活かして耳を使って判断するということです。
まとめ
モニタースピーカーの正しい配置方法についてお話しました。
- 左右対称にする
- 短い壁に沿って配置する
- モニターを耳の高さに合わせる
- 固い材質はなるべく避ける
- モニターが正しく鳴るように微調整
実際に自分の部屋でミキシング作業しているような個人プロデューサーの場合は、部屋の環境や、他の家具の配置もあって、今回紹介した内容すべてをクリアすることは難しいかもしれないです。
基本的には音の反射を考えながら、可能な範囲で取り入れるだけでもスッキリとモニタリングしやすいサウンドになると思うので、実践できそうな項目は是非取り入れてみてください。
以上、「モニタースピーカーの正しい配置方法【DTM】」でした。