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ミュージシャンが今NFTに注目する理由とは?

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ミュージシャンが今NFTに注目する理由とは?

パンデミックにより収入の柱を失ったミュージシャン達は新たなデジタル資産「NFT」を販売することで、多くの収入を得ることに成功しています。

NFTとは?

nft

NFT(Non Fungible Token )は、直訳すると代替不可能なトークンという意味になります。

替えの効かない権利データ、つまり固有の価値や独自性を持ったデジタル資産ということになります。

2019年頃にはNFTはゲームの分野で活用されており、ゲーム内で使用されるレアアイテムは希少性が高く、ブロックチェーンによって代替え不可能なデジタルデータとして確保することで、アイテムを適正価格で売買できるようになるというメリットもあるため、NFTが使用されています。


希少性を担保するという点から、デジタルデータを削除や複製から守り、ライセンスを証明することも可能であることから音楽を始めとするアーティストのデジタル作品にも利用されるようになりました。

海外の著名アーティストが参入

calvin harris

今のところShawn Mendes、Linkin Park"Mike Shinoda"、Steve Aoki、Calvin Harris、Deadmau5、3lauのような海外の著名アーティストが音源をNFT販売しており、ビッグネームになるとオークションでは何十億という収益を上げています。

米国人アーティストのBeepleによるデジタルのNFT作品が6930万ドル(約75億円)で落札され、存命するアーティスト作品の落札額としては、史上3番目の高値だと報じられています。

このようにブランド力の高いトップアーティストが自分の作品を競売にかけ、現状の買い手は仮想通貨に巨額を投資し、投機的に音楽などの新しいデジタル資産に大金を賭けることができる比較的少数の富裕層が対象となっています。

デジタル資産価値の高さ

デジタル資産

NFTは暗号資産いわゆる「仮想通過」と非常に良く似たものなので、現状は一部のスーパーファンによるコレクションであったり、資産家の投資対象となっています。

例えば、国内でいうならコアなファンを多く抱えている人気アイドルグループやトップミュージシャンのような地位を確立したアーティストが10人限定で音源や映像をデジタル販売したとします。

購入した所有者以外は複製ができない唯一無二の作品となるので、恐らく予想以上の高値で落札されることとなり、将来値上がりする可能性も考えれば資産価値としては十分です。

さらにアーティスト側にとってもNFTの魅力は大きく、初回の販売以降も作品が転売される度に販売金額から一定のロイヤリティ収入が得られるので、アーティストにとってもNFT販売する価値は大きいです。

NFTが持つ不安要素

NFT 不安要素

今後の音楽業界にとっては革命的となるテクノロジーであることは間違いないですが、一方で多くの不安要素も抱えています。

著作権問題

デジタル時代の音楽に関する著作を持つエミリー・ゴノー氏は「この技術がアーティストの利益になるなら素晴らしいが、よほど注意しないとアーティスト自身の著作権を奪われかねない」と指摘しています。

インターネットで入手した作品をサンプリングして、NFTの作成者は自分だと言い張るということも出来てしまい、実際にデジタルアーティストがNFTプラットフォームで自分の作品が勝手に販売されているのを見つけた例もすでにいくつか存在します。

利用価値の持続性

二つ目は権利証明書が残っていても、データ自体の存在価値が落ちるという可能性があること。

例えば、現在のインフルエンサーのように強い影響力を持っていたとしても、一回の不祥事で本人の信用価値が無くなってしまうという可能性や、アーティストの解散、活動の停止などで一気に価値が落ちることも考えられます。

先行しているゲーム業界でいうと、ゲーム内のアイテムがNFT化され販売されたとき、ブロックチェーン上にあるのはそのアイテムのデータのみで、アイテムのイラストやゲームのシステム環境等はゲーム会社のサーバー内にあり、ゲームのサービス停止とともにアイテムが利用できなくなってしまう可能性も十分にありえます。

逆にサービスが終了したゲームのキャラクターを、ブロックチェーン上のトークンとして永続的に留めるというサービスも存在します。
愛着のあるキャラクターをネット上に残して、いつでもキャラクター画像やステータスを呼び出せるので、NFTで持続性を高めるといった利用方法もあります。


富裕層を狙ったビジネス

既存のファンを置き去りにして、富裕層だけを狙ったクリエイトになることを懸念する業界やアーティストも多いです。

これまでのアーティストの収益構造といえばアルバムを制作してストリーミングで再生数を稼ぎ、グッズを販売し、ライブで各地を回るといった流れでした。

それが、一つの作品をリリースして何十億という大金が入ってくるとなると、大勢のファンよりもほんの一握りのスーパーファンに向けた制作体制になってしまい、アーティストとしての信用を落としかねません。

これからどのような市場になっていくのかは分かりませんが、まだまだ一般人にとっての参入障壁は大きく、今のところは少数の富裕層の投資対象としてか、一部のスーパーファンに向けた限定作品といった側面が大きいように感じます。

まとめ

NFTはまだまだニッチな分野であり、未成熟な市場あることは間違いないです

しかし、これからデジタル資産に著作権や所有権などが紐づくと、創作活動を生業とする芸術家や音楽クリエイターにとっては喜ばしい未来がやってくることになります。

今後NFTがどれだけ実用性を上げ、一般社会に受け入れられて仮想通過を所有していないファンの参入障壁をどれだけ下げれるかが課題となりそうです。

以上、「ミュージシャンが今NFTに注目する理由とは?」でした。


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