ノイズゲートの正しい使い方と設定方法
ノイズゲートはラウドロックやメタル等、激しい歪みを用いる場合に非常に便利なツールです。
一般的にはノイズ除去エフェクターとしてノイズゲートとノイズサプレッサーがあり、この2つを混合してしまいがちですが、その使用方法と内部機能はまったく異なります。
今回はノイズゲートについての正しい使い方と設定方法についてお話します。
ノイズゲートの役割とは?
ノイズゲートエフェクターは、主にノイズの多いピックアップとディストーションのような激しい歪みを使用することによって引き起こされるノイズをカットします。
ギターからの音声信号が設定されたスレッショルド値を下回ると、ノイズゲートが信号をカットする仕組みになっていて、ノイズのような一定レベル以下の信号をまとめて遮断します。
ノイズ自体を見つけて除去してくれるわけではなく、ギター信号がノイズのような小さい信号だけになった時にシャットアウトするといった仕組みなので、音質がクリアになるという訳ではありません。
ノイズゲートのデメリット
ノイズゲートを使用する際の注意点としては、サスティーンが犠牲になる可能性があることです。
信号がスレッショルド値を下回ると信号がすべてカットされるため、伸ばした音やクリーントーンの小さく弾いた音等のギター信号もカットされることがあります。
これを回避するにはスレッショルド値を調整して、ノイズゲートがギター信号に反応しないレベルに合わせる必要があります。
ノイズゲートのつまみ
一般的なノイズゲートには3つのつまみが付いています。
Threshold(スレッショルド)
スレッショルドコントロールを使用することで、音声信号を遮断するレベルを設定できます。
低く設定していると低いノイズレベルでも反応し、フィルターを通り抜けるノイズも少なくなります。ノイズをしっかりとカットし、ギター信号のサスティーンに影響しないレベルを探す為のつまみです。
Decay(ディケイ)
スレッショルド値を音声レベルが下回った際のゲートが反応する速度を調整します。
低い設定だと瞬時にゲートがクローズし、反対に高く設定しているとよりナチュラルなフェード効果が得られます。ディケイが速すぎると途切れ途切れに聞こえて不自然になることがあるので、適度なポジションを探しましょう。
Damp(ダンプ)
ゲートが動作した際に何dBアッテネート(減衰)させるか決めるつまみです。
つまみを最大に設定していると瞬時に完全にクローズにします。反対に最小の値にしているとゲートのクローズ加減も緩やかになり、より自然な効果が得られます。
ノイズゲートエフェクターの配置場所
ノイズゲートペダルは、リバーブやディレイなどの空間系エフェクトの前であればシグナルチェーンのどこにでも配置できます。
例えばディストーションエフェクターが原因でノイズを多く発生させている場合には、ノイズゲートをその後ろに配置することで効果を発揮します。
もしくはスタッカートや休符を強調したいフレーズ(メタルコアのブレイクダウン等)で波形をぶつ切りにしたような、機械的な空白が欲しい場合にはギターのすぐ後に配置することでミュートに合わせてギターからの信号を全カットさせることもできます。
ノイズゲートが必要な場面
ここまでノイズゲートの仕組みと使い方を理解したところで、実際にノイズゲートがどういったプレイヤー最適なのかを考えます。
ノイズゲートペダルは演奏の合間にアンプから「シュー」というノイズを消したい場合には最も効果を発揮します。つまりハイゲインを使用するヘビーロックやメタルプレーヤーはノイズゲートの導入を検討するべきです。
特にノイズが目立つシングルコイルピックアップを使用している場合も、ノイズゲートペダルを使用することでギターを止めた瞬間にノイズがさっと消えてくれます。
おすすめのノイズゲートペダル3選
人気の高いノイズゲートエフェクターをいくつかご紹介します。
ISP TECHNOLOGIES DECIMATOR II
コンパクトタイプでは最強とも言われているノイズゲート(ノイズリダクション)。
スレッショルドを調整することにより、原音に影響を与えずにノイズ綺麗にカットし、ツマミが一個なのでシンプルな操作で自分の気になるポイントでノイズを消すことができます。
コンパクトにしては少し重量があるものの、それを除けば十分なノイズ除去効果を提供してくれます。
TC ELECTRONIC Sentry Noise Gate
激しい歪みでも瞬時にノイズを除去するノイズゲート。
Sentry Noise Gateは業界でも最も洗練されたノイズ除去アルゴリズムを搭載しています。ギタートーンへの影響を最小限にとどめ、特定の周波数帯域にピンポイントで焦点を合わしシグナルから素早くノイズを除去します。
Tone Print Editorを使用することで、自分のセットアップに特化したゲート設定が可能です。
原音を損なわずにナチュラルなノイズ除去ができることから、多くのハイゲインプレイヤーにとって欠かせないアイテムとなります。安心のトゥルーバイパス仕様。
ELECTRO-HARMONIX Silencer
コンパクトな筐体に、高性能なノイズゲートを納めたELECTRO-HARMONIXによる「Silencer」
リダクション、スレッショルド、リリースという3つのコントロールを搭載し、演奏する楽器やプレイスタイルに合わせて細かく設定することが可能です。
センド/リターン端子を備えているので、ノイズの原因となるペダルだけにゲートをかけることも可能。
以上、「ノイズゲートの正しい使い方と設定方法」でした。