SoundCloudの「Fan-Powered Royalties」を通じて135,000人の独立型アーティストがロイヤルティ支払いを受けたことを発表
2021年4月にSoundCloudは業界初の「Fan-Powered Royalties」(以下FPR)プラットフォームを 立ち上げました。これは、ファンが直接アーティストに貢献できる収益モデルとして注目を集め、SoundCloudの統計によるとこれまでに135,000人の独立アーティストが支払いを受けていると発表しました。
この仕組みでは、個々のユーザーの行動に基づいてアーティストに対してロイヤルティが支払われます。各ユーザーのサービス利用料の一部が、その月に視聴したアーティストやレーベルに個別に分配されるようになっています。
ストリーミングサービスとは対照的なモデル
FPRは一般的なストリーミングサービスで採用されている、プールされた収益を「比例配分」するストリーミングロイヤルティモデルとは対照的です。
これまでの分配モデルでは、各々の再生回数に基づいてアーティストに分配される為、もちろん多くの再生回数を稼ぎ出す上位数%のスーパースターがより収益を多く獲得するという構造になっています。
その結果インディーズアーティストや、ブルースやジャズのような比較的ニッチなジャンルのアーティストが、十分な収益を得られないという問題点がありました。
FPRのモデルではアーティストに分配される前に、ユーザーによって支払われたすべてのロイヤルティ収益が表示され、より公平な収益分配が行われていることで、音楽を収益化するためにFPRにサインアップしたアーティストの数は30%増加したと発表されています。
独立アーティストを支援する仕組み
SoundCloudを利用する独立アーティストは、従来の比例配分モデルよりも、FPRを通じて平均して60%多くの収益を上げていると発表しています。さらにSoundCloudにいるお気に入りのアーティストへ5ドル以上の寄付をしたファンの数が97%増加したと報告しています。
FPRはファンがアーティストの音楽をどのくらいの時間聴いているかに基づいてロイヤリティが支払われると説明されており、以下のように算出されます。
- 月のすべての視聴時間に対して、ファンがそのアーティストをどれだけ聴いているか
- ファンが視聴した広告の数
- ファンがSoundCloudGo +(Soundcloudのリスナー向け有料プラン。日本ではサービス提供なし)の会員であるかどうか。
Fan-Powered Friday
SoundCloudはFPRプラットフォームの運用から1年目を記念して、金曜日(4月29日)に「Fan-Powered Friday」と呼ばれるサービスを行います。
Fan-Powered Fridayでは、この期間に発生したロイヤルティ支払いを2倍にすると発表しています。
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