
【ギター初心者必見】最初のエフェクターはどれ?コンパクトとマルチの違いを徹底比較&選び方を解説
念願のエレキギターを手に入れた!とアンプに繋いでみたものの、「あれ?なんだか音が違う…」「憧れのアーティストみたいなカッコいい音が出ない!」と戸惑っていませんか?
それもそのはず。エレキギターはアンプに直接繋いだだけでは、カラオケでいう「エコーOFF」のような、非常に素朴な音しか出ません。「ジャーン!」とカッコいいあの"ロックな音"や"綺麗な響き"を出すために必要なのが、「エフェクター」という機材です。
しかし、楽器屋に行くと「コンパクト」や「マルチ」といった種類があり、何が違うのか、どちらを買うべきか、初心者の方は必ずここで悩んでしまいます。
この記事では、プロのギタリストである筆者が、あなたの「やりたいこと」に合わせて、最適な「最初のエフェクター」を見つけるお手伝いをします。それぞれの特徴から、メリット・デメリット、そして「こういう人にはコレがおすすめ」という結論まで、徹底的に解説します!
コンパクトエフェクターとは?【特化タイプ】

コンパクトエフェクターは、手のひらに乗るような小型の機材です。最大の特徴は、「基本的に1つの機能に特化している」こと。例えば、「音を歪ませる(ディストーション)」「音をやまびこのように響かせる(ディレイ)」など、特定の音響効果を持つ「職人」のような存在です。
好きな「職人(エフェクター)」を買い集め、パッチケーブルという短い線で繋ぎ合わせて、自分だけのオリジナルな音の連携(エフェクターボード)を作っていく楽しみがあります。メーカーや製品ごとに音のキャラクターが全く違うため、音にこだわり始めると「沼」とも呼ばれる深い世界が待っています。
マルチエフェクターとは?【万能タイプ】

マルチエフェクターは、その名の通り「多数(マルチ)のエフェクトを1台に内蔵した」機材です。歪み、ディレイ、リバーブはもちろん、有名なアンプやキャビネット(スピーカー)の音を再現する「アンプシミュレーター」まで、何百種類もの音色がデジタルデータとして収録されています。
まさに万能タイプのエフェクターであり、これ1台あればプロのCDで聴けるような複雑なサウンドも再現可能です。曲に合わせて作った音の組み合わせを「プリセット」として保存し、フットスイッチ一つで瞬時に呼び出せるのが最大の強みです。
コンパクトとマルチの比較早見表
| 特徴 | コンパクトエフェクター | マルチエフェクター |
|---|---|---|
| コンセプト | 1機能に特化した「職人」 | 多数の機能を内蔵した「万能ナイフ」 |
| 音色の数 | 基本的に1種類 | 数百種類(アンプシミュレーター含む) |
| 操作性 | ツマミを回すだけ。直感的。 | 液晶画面での操作が必要。やや複雑。 |
| 音の切り替え | 足でスイッチを踏んでON/OFF | プリセットで一瞬で切り替え可能 |
| 拡張性 | 新しいペダルを買い足す | アップデートやPC連携で拡張可能 |
| 初期コスト | 安い(1台数千円~) | 高い(数万円~) |
| 録音(DTM) | マイク録音や別途機材が必要 | USB1本でPCに高音質録音が可能 |
【第3の選択肢】ソフトウェア・エフェクター(アンプシミュレーター)

実は、現代のギター初心者には「第3の選択肢」があります。それが、PCやスマホの「アプリ」として動作するソフトウェアタイプです。これらはハードウェア(機材)ではなく、PC上で起動するVSTプラグインの一種で、代表的な製品にGTR3やAmpliTube、Bias FX2があります。
メリットは、圧倒的な低コストと利便性です。数千円でマルチエフェクター同等かそれ以上の機能が手に入り、PCさえあればどこでも練習・録音が可能です。特に「弾いてみた動画」の投稿やDTM(作曲)が目的なら、これが最短ルートです。
デメリットは、PCと「オーディオインターフェース」という機材が必須になること、そしてライブで使うにはPC持ち出しなどの手間がかかることです。
【結論】初心者はどれを選ぶべき?目的別おすすめ診断
結局、どれが一番良いのでしょうか?
それはあなたの「ギターで何をしたいか」によって変わります。筆者のおすすめを目的別に断言します。
①「とにかく色々な音を出してみたい!」人 → マルチエフェクター
もし予算に余裕があるなら、個人的には最新のマルチエフェクターを最初の一台として強くおすすめします。理由は、「自分がどんな音を好きなのかを知ることができる」からです。
初心者のうちは、自分が歪み(ディストーション)が好きなのか、空間系(ディレイ)が好きなのか、それすら分かりません。マルチエフェクターなら、ボタン一つで無数の音を試せるため、自分の好みを知る「音の図鑑」として最適です。
一昔前は「マルチは音がデジタルっぽい」と言われましたが、今の技術は凄まじく、プロの現場でもマルチ一台で完結する人がほとんどです。「よく分からないけど、色々な曲をコピーしたい」という人は、マルチを選べば間違いありません。
②「憧れのギタリストの音が決まっている」人 → コンパクトエフェクター
「あのギタリストの、あの曲の音が欲しい!」
「YouTubeで見た、BOSSのブルースドライバーの音が最高!」
このように、明確に出したい音が決まっている場合は、迷わずそのコンパクトエフェクターを買いましょう。1つのエフェクトに特化している分、その音の「本物感」や「音の太さ」はコンパクトに軍配が上がることが多いです。ツマミをいじるだけで直感的に音作りできるシンプルさも魅力。
「余計な機能はいらない。まずはこの音が欲しい!」というシンプルな情熱を持つ人は、コンパクトが最適です。
③「PCで録音・投稿したい」「静かに練習したい」人 → ソフトウェア
「バンドを組むより、家で録音したい」
「"弾いてみた"動画をネットに投稿したい」
「アパートだからアンプで音が出せない…」
こんな人には、ソフトウェアタイプが最強の選択肢です。マルチエフェクターの機能が数千円で手に入り、そのままPCで録音(DAW)に移れます。また、PCにヘッドホンを繋げば、夜中でもリアルなアンプサウンドで静かに練習が可能です。
現代の「自宅ギタリスト」や「DTMer」にとっては、これが最適解と言えます。
筆者の経験談:コンパクトからマルチへ

ちなみに、筆者自身もギターを始めた頃はコンパクトエフェクターを主体に使っていました。お気に入りのペダルを並べて、その「見た目」や「集める楽しさ」にワクワクしたものです。
しかし、その後Line 6 Helixというマルチエフェクター(プロセッサー)に乗り換えてからは、ずっとマルチを使用しています。理由は、YouTubeでの発信活動や楽曲制作において、「多種多様な音色」と「安定した音質」が求められるからです。どの現場に行っても自分の音を持ち運べる利便性は、一度体験すると戻れない魅力があります。
まとめ:最初の一台は「あなたの目的」で決まる
エフェクター選びは、ギタリストとしての個性を決める第一歩です。どちらが良い・悪いではなく、あなたのプレイスタイルや「何をしたいか」で選ぶことが重要です。
1. マルチエフェクター:音の図鑑。色々な音を知りたい、便利なのが一番という人向け。
2. コンパクトエフェクター:音の職人。欲しい音が決まっている、モノを集めたい人向け。
3. ソフトウェア:音のPCアプリ。録音やDTM、静かな練習がしたい人向け。
この記事を参考に、あなたのギターライフを最高に楽しくする「最初の一台」を見つけてください。
以上、「【ギター初心者必見】最初のエフェクターはどれ?コンパクトとマルチの違いを徹底比較&選び方を解説」でした。