7弦ギターを使用するメリットは?6弦ギターとの違いについて
7弦ギターは、6弦ギターと比べてより重厚な低音域を鳴らすことができ、ヘヴィメタルやラウドロックだけでなく、様々なジャンルの音楽に新たな可能性を切り開きます。
とはいえ、7弦ギターの購入や、6弦からの移行を考えている人にとっては、弦が1本追加されることによってどのような違いあって、どういったメリットが得られるのか?ということが気になるかと思います。
そこで今回は、7弦ギターを使用するメリットや6弦ギターとの違いについてお話します。
7弦ギターが登場した背景
7弦ギターの登場は、よりヘヴィな重たい音域を求める音楽ジャンルの進化と関係しています。7弦ギターが広く普及しはじめたのは、1980年代後半から1990年代にかけて、ヘヴィメタルやラウドロックといった音楽ジャンルが発展してきたことが背景にあります。
メタル系の音楽では、より重厚で迫力のあるサウンドが求められ、6弦をダウンチューニングして使うのが一般的でした。しかし、過度にダウンチューニングすることで弦のテンションが緩くなり、音がビビったり、サウンドが濁りやすくなったりと、問題点も多くありました。
そこで、7弦ギターの登場です。7弦ギターであればレギュラーチューニングのまま低い音域をカバーできるため、ダウンチューニングの必要がなく、演奏性を維持したまま重厚なサウンドを実現できるようになりました。
最近では、プログレッシブメタル、Djent系など、様々なジャンルの音楽で使用されており、そのソリッドかつ重厚なサウンドのファン多いです。
6弦ギターとの違いは?
それでは、まずは6弦ギターのと大きな違いについてみていきましょう。
弦が1本多い
7弦ギターは6弦ギターの一番低い弦(E弦)の下に、さらに低い音(B弦)が追加されます。
音域が広い
7弦ギターでは、7弦の5フレットが「E音」になります。つまり通常の6弦ギターと比べて、2音半音域が広がることになります。
ネック幅が広い
弦が1本追加されるということは、ネックの幅も少し広くなります。このことによって握った感覚や、余弦のミュートの感覚が変化します。
7弦ギターを使うメリットとデメリット
メリット
- 低音域の拡張
7弦ギターの最大のメリットは、低音域が広がることです。追加された低音弦により、重厚で迫力のあるサウンドを鳴らすことが可能です。 - ダウンチューニング不要
ダウンチューニングをすることなくB音まで鳴らすことができます。弦のテンションが緩くなることがないので、張りのある7弦特有のサウンドが手に入ります。 - 重厚なコードボイシング
追加された低音弦を絡めることで、重厚感のあるコードボイシングを奏でることができます。6弦ギターでは表現できなかった厚みのある響きは、楽曲に深みと広がりを追加します。
デメリット
- ネックの幅が広い
6弦ギターに比べてネック幅が広いので、手の小さい人や6弦ギターに慣れている人は、最初は違和感を感じるかもしれません。特に、セーハコードやテンションノートを追加したコードを押さえる時に難しく感じることがあります。 - ミュートが難しい
ギター演奏では、余計な音がならないように弾かない弦を軽く触れる「ミュート」が大事なのですが、7弦ギターではシンプルに1弦増えることによってミュートの難易度が上がります。 - 備品やアクセサリーが少ない
6弦ギターに比べると普及率が低いので、弦やピックアップ、その他周辺パーツなど、6弦ギターのものと比べるとラインナップの幅が狭まります。
7弦ギターはどういう人におすすめなの?
7弦ギターは、サウンドメイク次第では幅広いジャンルにも適応できますが、やはりメタルやテクニカルに特化した作りになっている傾向があります。
例えば、よりパワーのある「アクティブピックアップ」や「ファンフレット」と呼ばれるテクニカル向けの特殊なフレットが採用されていることも多く、よりそういったジャンルを突き詰めたい!というギタリストの方には非常におすすめです。
ただ、これからギターを始めるような方にとっては、演奏難易度がやや高めであることと、YouTube等のチュートリアル系の動画も6弦ギターに向けたものが多くなっているので、最初は6弦でスタートしてみて「もっとメタルを追求したい!」と思ったら7弦に移行する。という流れでもいいのかなとも思います。
ピッチチューナーという選択肢も
低音域を活かした重厚なサウンドを入手したいという方は、7弦ギターの他にも「ピッチシフター」で音域を下げる。という選択肢もあります。
こうすることで6弦ギターであっても、Drop Aのような7弦ギターの領域まで、弦のテンション感を保ちつつ音域を下げることができます。
まとめ
7弦ギターは、6弦ギターよりも重厚な低音域と幅広い音域を活かした表現力豊かなサウンドが魅力です。ヘヴィメタルやラウドロックといったジャンルでよく使用されていますが、サウンドメイクによっては様々な音楽スタイルに対応することも可能性です。
これからギターを始める方や、6弦ギターからの移行を考えている方は、ネックの幅や弦のテンション感に慣れるまで少し時間がかかるかもしれませんが、7弦ギターならではサウンドと表現力の幅は魅力的です。
これから実際に7弦ギターの購入を検討している方は、実際に楽器店などで試奏し、ネックの握り心地や音の好みを確認することをおすすめします。
以上、「7弦ギターを使用するメリットは?6弦ギターとの違いについて」でした。