バンドマンのライブ本番までの流れ
ミュージシャンではない方や、初めてライブハウスに出演するバンドさんからすれば、多くのバンドマンがライブ当日にどういう流れで本番を迎えているのか疑問に思うかもしれません。
あまり知られていませんが、実際にはライブ本番前にバンドがやるべきいくつかのことがあり、 会場に機材を搬入し、サウンドチェックを行います。その後、本番までの数時間の空き時間があり、必要に応じてミーティングやリハーサルに向かうバンドマンもいます。長い時間を過ごす間に食事を済ませ、ステージに上がる前にウォームアップを行います。
今回はツアーバンドのライブ当日の平均的な一日の過ごし方をご紹介します。
※ライブハウスに出演するまでの流れ【バンドマン向け】についてはこちら。
1. 機材搬入→セッティング
機材搬入はライブ会場に到着して最初に行われる作業です。
ローディーを雇う余裕がないバンドの場合は、自分達で会場に機材を積み込み、この後のリハーサルの為にすべてをセッティングするわけですが、機材の規模によってはかなり大掛かりなものとなり、多くの時間と体力を消耗します。
バンドにクルーを雇う余裕がある場合は、ローディが機材をセットアップする間、会場をチェックしたり、挨拶回りをするのが一般的です。
この作業は通常1~2時間かかり、ライブ本番の8~10時間前に行います。
2. リハーサル・サウンドチェック
搬入が終わり、時間がきたらリハーサルとサウンドチェックを行います。
リハーサルはライブ本番の流れを会場のPAさんや照明スタッフの方と共有しておくことで、よりスムーズにライブショーを行うためのもので、サウンドチェックはバンドが出す音が会場全体でどのように聞こえるかを確認する作業です。
PAさんは、各楽器の音量を調整し、楽器ごとの周波数を微調整して、サウンドがクリアでバランス良く、適切な音量に設定されていることを確認します。
複数のバンドが出演する対バン形式の場合、通常はセッティング含めて25~30分ほどの持ち時間しかなく、すべてを確認することは難しいです。
→ライブ前のサウンドチェックで心掛けておくべき5つのこと
3. ミーティング
リハーサル・サウンドチェックを終えた後は、一度バンドミーティングが行われることが一般的です。
リハーサルと本番までの間に長い空き時間があるので、どのように過ごすかはバンドによってさまざまですが、メンバーが集まっている貴重な時間でもあるので、有効活用しましょう。
リハーサルを踏まえてライブ本番の微調整や、物販の品出し、SNSでの告知など、ライブ本番に向けてやるべきことがたくさんあるので、それぞれ役割を割り振って行動します。
4. 空き時間
ミーティングが完了すると、基本的には自由行動になります。リハーサルの順番にもよりますが、会場に戻る時間まで1~8時間の長い空き時間が発生します。
対バン形式の場合、本番の出順の逆でリハーサルが行われることが多いので、午前中にリハーサルして本番は夜ということもよくあることです。
バンドマンは次のようにして空き時間を過ごすことが多いです。
- ライブを観る : 他の出演者のライブを観て過ごします。観客と一緒になってライブを楽しんだり、他のバンドのライブを観ることで学べることも多いです。
- リハーサル : 本番前に最後のリハーサルとして、音楽スタジオを借りて練習するバンドも多いです。
- 作曲:ライブ当日はバンドメンバーが全員集まることができる貴重な時間です。作曲のアイディアを交換したり、レコーディングをスムーズにするために、空き時間を利用して打ち合わせをします。
- 仕事をする:多くのミュージシャンはライブ活動のみで生計を立てるのが難しい為、さまざまな音楽プロジェクトに参加していることがあります。バンド活動以外の作業をするのに最適です。
- 観光: ツアー中にはじめての土地に訪れた時には、リフレッシュを兼ねて周辺地域を観光することがあります。サウンドチェックの後に昼食に出かけ、地方の郷土料理を食べることも多いです。
- 交流する:対バンするバンドマン達と一緒にご飯に行ったり、ライブを観に来てくれる友人やファンの方とコミュニケーションをとります。
- 睡眠: ライブツアーはスケジュールによってはかなり過酷になることがあります。機材者の中で睡眠をとったり、ネカフェやビジネスホテルなどで本番まで休息をとることも珍しくありません。
本番の時間がずれることもあるので、本番1時間前には会場で待機しています。
→初ライブで緊張しない為に準備しておくべき5つのこと
5. ウォーミングアップ
ライブ本番の1時間前には会場に戻り、ライブ本番に備えてウォーミングアップをします。本番に向けて徐々に気持ちを作っていくための貴重な時間でもあります。
ウォーミングアップは楽器演奏や声出しによるアップと、体の準備運動の2つが一般的です。
- 楽器演奏、声出し: 他のスポーツと同じように本番前に30分ほど楽器を触ったり、軽い声出しをして本番で最高のパフォーマンスが披露できるように備えます。
- 体の準備運動: ライブパフォーマンスは、ジャンルによっては非常に激しい運動量を伴うことがあります。特に本番はアドレナリンが出ているので、思った以上に体を酷使してしまって、怪我につながることもあるのでしっかりと準備運動を行います。
バンドによっては円陣を組んだり、テンションを上げるための独自のルーティーンがあったりと「本番スイッチ」を入れるための方法を持っています。
まとめ
バンドマンのライブ本番までの流れをご紹介しました。
もちろんバンドの規模や参加するイベントによって当日の流れは変わってきますが、一般的なライブハウスに出演する場合は今回の内容のような流れであることがほとんどです。
リハーサルと本番含めて1時間の出演時間に、1日中スケジュールを割いているバンドマンがほとんどです。ライブ当日はメンバー全員が集まれる貴重な時間でもあるので、リハーサルから本番までの長い空き時間をどのように活用するかが重要でもあります。
これからライブ出演を予定しているバンドマンの参考になれば嬉しいです。