LFOとは?その役割と使い方について
DTMを使って音楽制作をしていると「LFO」という言葉がよく登場します。
LFOの使い方がまったく分からない方や、なんとなく音を変化させる為の機能というのは分かっているけど、具体的にどういう仕組みで機能しているのかよく分からない…という方に向けて、今回はLFOの役割とその使い方についてお話します。
LFOとは?
LFOは 「Low Frequency Oscillator」(ロー・フレケンシー・オシレーター)の略で、低周波発振器という意味です。つまり、シンセサイザーに搭載されているオシレーターと原理的には同じですが、より低い周波数を鳴らす発振器のことです。
LFOの低周波は通常は20HZ以下、つまり人間の可聴域外にある周波数の為、音として認知することはできません。この非常に低い低周波はリスニングの為ではなく、シンセサイザーの他のパラメーターの音色に影響を与え、聞こえてくる音に動きや変化を加えるために使用します。
LFOを使いこなすことで、ピッチを上下にモジュレートしたときのビブラート効果や、カットフィルターを変化させてグロウル効果など、様々な音響効果を加えることができるようになります。
LFOのコントロール
LFOを上手く機能させるには、LFO信号を変化させたいパラメータにルーティングする必要があります。
LFOは選択したパラメーターに振動を与えることで変化させることでき、低周波に使用する波形の種類、速度、深さをコントロールすることで様々な効果を発揮します。
実際に、定番シンセサイザーやDAWに備わっているLFOのパラメーターを確認してみましょう。
FL Studio LFO
FL Studioでは、イベントエディター、またはピアノロールの設定からLFOを操作できます。
LFOの形状を正弦波、三角波、正方波から選択し、PhaseノブでLFOの位相を設定することができます。
LFOに使用するコントロールは以下の通りです。
- Value : LFO の値を設定します。
- Range : LFO の最低点と最高点の間の範囲を設定します。
- Speed : LFO の周波数 (速度) を設定します。テンポベースのプリセットを含むメニューを右クリックします。
Sylenth1
定番シンセサイザーの「Sylneth1」では、中央下部に2台のLFOセクションがあります。
波形の種類は10種類でコントロールはRATE、GAIN、OFFSETの3つが搭載されており、それぞれの役割は以下の通りです。
- RATE : LFOの周期時間。
- GAIN : かかり具合の深さ。
- OFFSET : 周期の基準点を変更
LFOの対象は音量、ピッチ、フェイズ、パン、カットオフフィルターなどから選ぶことができます。
SERUM
SERUMではLFOの動きが視覚的に見れるので、一番わかりやすいかと思います。
波形の種類もプリセットライブラリから様々なタイプを選ぶことができ、より自由自在に音色を変化させることができます。
- RATE : LFOの効果周期
- RISE : 時間の経過とともに徐々にLFOの効果をフェードイン
- DELAY : LFOが稼働するまでの時間を調節
- SMOOTH : LFOのかかり具合をなめらかにする
このように、製品によってLFOの効果やパラメーターに若干の違いがあるので、ご使用の製品によって使い方も異なってきます。
LFOの使い方
実際にシンセサイザー「SERUM」を使ってLFOがどのように機能するのか見てみましょう。
まずは何でもいいので、実際に使用するサウンドを作りましょう。今回は初期のSAW波を使って設定していきます。
この音にLFOを使って「ビブラート効果」を付与したいと思います。
ビブラート効果を付与する為には、音程を揺らす必要があるので、まずはLFO1を"Fine-tuning"に設定します。
これでLFOの波形の形に合わせて、音程が上下するようになりました。
このままだと不自然なので、音程の幅を小さくして、RATEを使って揺れる周期を速くして、DELAYで揺れ始めるタイミングをコントロールしてみましょう。
まずはFine Tuningの部分をクリックして上下にドラッグすることで、音程の幅を狭くします。
続いて、RATEを1/8(8分音符)の時間で周期するように設定します。
次に、DELAYノブで1bar(1小節)後に揺れ始めるように設定します。
これでこんな感じになります。
製品によってパラメーターの名称や使い方は若干異なりますが、基本的にはこのようにさまざまなパラメーターを自動的に動かすことによって、色んな効果を得ることができます。
まとめ
LFOは低周波発振器のことで、音色を変化させる為のパラメーターを、自動的に変更することができる便利なツールです。
初めてでまったく分からないうちは、とりあえずコントロールノブを適当に触ってみて、サウンドがどんな風に変化するのかを見ながら設定していけば、LFOのコツをつかめるはずです。
今回の内容を参考にLFOを使いこなして自分のオリジナルサウンドを作ってみてください。
以上、「LFOとは?その役割と使い方について」でした。