単調なリズムトラックに変化を加える為の5つのヒント【DTM】
ドラムトラックは音楽において重要な役割を果たします。ドラムはトラック全体にグルーヴを提供し、ベースと共に曲全体の構造を支えます。また、トラックにパンチとエネルギーを注ぎ込む重要なパートで、演奏においては曲のテンポを維持する為の役割も果たします。
グルーヴによって人は体を動かしたくなる衝動に駆られる為、ダンスミュージックやヒップホップといった特定のジャンルでは、ボーカルメロディーよりも重要な役割を果たすこともあります。
今回は、そんな重要なリズムトラックに変化を加える為のいくつかのヒントをご紹介します。
1.良質なドラムサンプル選び
リズムの元となるドラムサンプル選びの段階で、最終的なリズムトラック品質の7割くらいは決定していると言っても過言ではありません。
音楽ジャンルや楽曲雰囲気にあった最適なサンプルを選び、必要に応じてEQやコンプレッサーを使ってミキシング処理を施します。楽曲の雰囲気に合っていないサンプルを選んでしまうと、どれだけ加工しようと質の良いリズムトラックに仕上げることは難しくなるので注意が必要です。
リズムトラックに存在感を持たせるには、まずは高品質なサンプルを入手することから初めてみましょう。
2. 休符を取り入れる
ドラムトラックにおいて休符を取り入れることは、リズムやテンポを強調することができる重要な要素として認識されています。また、曲全体のダイナミクスをコントロールすることができ、グルーブ感を強く表現することもできます。
リズムアレンジを考えるときには、ついつい空白に音を詰め込みたくなりますが、心地よいグルーヴを生み出したい時には、休符を挟むことを考えてみましょう。
→【DTM】ドラムの打ち込みテクニック(初心者向けガイド)
3. バリエーションを考える
ドラムループを作成する上で気を付けるべきことの1つは、なるべく同じリズムパターンの繰り返しを避けることです。
ハウス、テクノ、EDMといったジャンルでは繰り返しのリズムパターンがよく使われますが、なんの変化もなく、1小節のループを繰り返していると、すぐに飽きられてしまいます。
リズムにバリエーションを加える為の方法は以下の通りです。
- フィルの挿入 : リズムパターンを繰り返すのではなく、2小節目または4小節目ごとにフィルを挿入したりして、少しアレンジを加えます。
- ベロシティ変更 : 例えば、ヴァースではベロシティの幅を狭くしておいて、メインセクションでフルにすることで、セクション全体でのダイナミクスが生まれます。
- サウンドを置き換える : 同じリズムであっても、楽器を変更したり、サウンドの質感を変化させることでバリエーションを加えることができます。
4. ループサンプルを使う
ループ音源を使用してリズムトラックに変化を加える方法は、個人的にもおすすめな方法の一つです。
通常、リズムアレンジを加えるには打ち込んだMIDIデータを改変する必要がありますが、ループ素材であればサンプラーにドロップするだけで、色々なリズムパターンを試すことができます。
実験的に色んなリズムパターンを挿してみて、気に入ったものがあればその素材を参考に、新たに打ち込むという方法も可能です。
※Loopmasterのようなループサンプル販売サイトから素材を購入して、トラックに貼り付け、それを起点としてリズムアレンジをしてみましょう。
5. ヒューマナイズする
ヒューマナイズとは「人間化」のことで、打ち込んだドラムトラックに対して、ベロシティを変化させたり、リズムに微妙なずれを加えることで、人が演奏しているようなリアル感を加えることができます。
→打ち込みドラムに「生っぽいリアルさ」を追加する5つのコツ
また、DAW搭載されているスウィング機能も、リズムにスパイスを加え、リスナーの集中を引き続ける為の素晴らしいテクニックです。ほとんどのDAWには、MIDIまたはオーディオクリップに対してスウィングのリズムを追加できるクオンタイズ機能が搭載されています。
ヒューマナイズを施すことで、機械っぽいリズムから、生っぽいリアルなグルーヴ感が生まれるので、試してみてください。
まとめ
ドラムトラックに変化を加える為の5つのヒントをご紹介しました。
- 良質なドラムサンプル選び
- 休符を取り入れる
- バリエーションを考える
- ループサンプルを使う
- ヒューマナイズする
リズムは音楽の土台となる重要な要素です。たっぷりと時間をかけてプロジェクトに合ったリズムを構築することで、楽曲全体がより魅力的なものになります。
リズムが退屈だなと感じた時は、今回の内容を参考にしながら、さまざまなリズムパターンを模索してみてください。
以上、「単調なリズムトラックに変化を加える為の5つのヒント【DTM】」でした。