ギターチューニングする時に知ってると得する豆知識5選
ギターを弾く前に欠かせないチューニング。実は、ギターのチューニングには音程をもっと安定させたり、コードの響きを綺麗にする為のいくつかのテクニックがあります。
今回は、チューニングの時に知っておくと役立つ、ギターの音を向上させる為のいくつかの豆知識をご紹介します。
1. 締めながら合わせる
ギターのチューニングで弦が合わせるべき音よりも高くなってしまった場合、通り過ぎた分だけ緩めながら合わせるのではなく、一度緩めてから締める方向で合わせることが大切です。
ペグを締めながら低い音から高い音へ向かって合わせることで、弦の張力をキープすることができるので、音程が安定しやすくなります。そのため、少しだけ行き過ぎてしまった場合でも、一度半音ほど緩めてから徐々に締めながら合わせることで、正確に安定したチューニングを行うことができます。
2. オクターブチューニング
ギターのオクターブチューニングとは、各弦の開放弦と12フレットを押弦した音のオクターブ音を正しく調整するチューニングです。通常のチューニングのみだと、12フレット以上のハイフレットを押さえた時に、音程のズレが生じる可能性があります。
ギターはフレット楽器なので、フレットの位置によって音程が決まります。しかし、弦の太さやスケール長などの影響により、フレットの位置と実際の音程の間にはわずかな誤差が生じます。この誤差を補正するためにオクターブチューニングが必要になります。
オクターブチューニングのやり方
オクターブチューニングは、ブリッジのサドルを前後させることで調節します。まず、12フレット上でハーモニクスを鳴らした時と、12フレットを実際に押さえて鳴らした時の音程を比較し、押さえた時の音が高ければサドルをボディ側へ、押さえた時の音が低ければサドルをネック側へ近づけていきます。
オクターブチューニングの調整には、機種によってプラスドライバーが必要になります。
3. 弾いた瞬間の音?伸ばした音?
チューニングをする時、弦を弾いた瞬間の音は一瞬高くなって、音の伸び(サスティーン)部分になるにつれて徐々に下がってきます。どちらの状態で合わせるのが正解なのかは演奏のスタイルによって変わるのですが、通常は、一回弦をピーンと弾いて音を伸ばしながらチューニングするのが基本です。
この動画のコメント欄に色々な意見があるので、是非参考にしてみてください。弾いた瞬間にピッチが上がるのは、ピッキングによって弦が引っ張られることと、歪みによる倍音によるものらしいです。
4. ハーモニクスを使ったチューニング
ハーモニクスを使ったギターチューニングは、チューナーを使わずにギターのチューニングを行えるだけでなく、耳を使って実際の響きを確認しながら出来るので、弦全体でより正確なチューニングが可能となります。
チューナーが無くてもチューニングができるので便利ですが、次に紹介する"純正律"や"平均律"の違いによって多少音にズレが生じてしまうことがあります。(ほとんどの人は気にならない程度)
基本的には5フレット上のハーモニクスと7フレット上のハーモニクスを使いますが、2弦と3弦は同じ音が出ないので注意しましょう。
5. 純正律チューニング
純正律は、音の調和関係をより正確な整数比率で表現するチューニングです。ギターの構造上、すべてのコードシェイプで綺麗な響きを得るために平均律が採用されていますが、純正律では、より濁りの少ない純粋な音の響きを得ることができます。
少し複雑なので簡単に言えば、Cメジャーコードを弾いた時に3度の「ミ」の音を13.7セント下げると、より調和のとれた綺麗な響きになるということです。
チューナーで見てみると意外とズレているのが分かるかと思います。とはいえ、実際に純正律で弾こうと思うと、コードシェイプごとにチューニングをする必要があるのであまり現実的ではありません。
トップアーティストのレコーディング現場のような、より精密なサウンドが必要な時に採用されることもあるようですが、かなり時間のかかる作業です。個人の宅録のような、いくらでも時間が取れる状況であれば一度試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
ギターチューニングの時に役立つ豆知識は以下の通りです。
- 締めながら合わせる
- オクターブチューニング
- 弾いた瞬間の音?伸ばした音?
- ハーモニクスを使ったチューニング
- 純正律チューニング
締めながら合わせる、オクターブチューニングといった基本的なことから、チューニングを合わせるポイントや意外と知らない純正律チューニングについてお話しました。
チューニングを合わせてもすぐにズレてしまうといった方や、より正確なチューニングを求めている方は是非参考にしてみてください。
以上、「ギターチューニングする時に知ってると得する豆知識5選」でした。