【Lo-Fi】音楽で使われる"ローファイ"の意味とは?おすすめのプレイリストも紹介
最近音楽を聴いているとLo-Fi(ローファイ)という言葉を耳にする機会が増えてきました。
詳しく知らない方でも、なんとなく「ゆったりとした心地良い音楽のことかな?」とか「80年代の古い音楽のことでしょ?」とざっくりとしたイメージは持っているかと思います。
そこで今回は"ローファイ"について詳しくお話していきます。
ローファイとは?
ローファイをWikipediaで調べると「録音またはパフォーマンスの欠陥と通常見なされる要素が聞こえる音楽または制作品質であり、意図的な美的選択として聞こえることもあります。」とあります。
つまり簡単にいうと品質が劣化した音楽なのですが、ローファイを深く理解する為には「意図的な美的選択として」という部分が非常に重要になってきます。
現在はシンセサイザー等のデジタル楽器は非常に高性能で、ノイズのまったく無いクリアなサウンドが特徴的ですが、人のよっては「無機質」であったり「冷たさ」を感じてしまいます。
そこで意図的にノイズを付加したり、音を削り落としたりして、アナログ特有の温もりをトラックに付与します。
ローファイの歴史
ローファイ音楽は10年前ぐらいから人気ですが、最初のトラックは90年代にアンダーグラウンドな音楽シーンで登場したと言われています。
Roland等の音楽メーカーからリリースされている初期のドラムマシンやサンプラーを使い始めたところからジャンルが形成され始め、その古いタイプのマシンから生まれるまろやかで温かみのある音が注目されました。
それから多くのアーティストやバンドは、古い機材と低品質の音楽録音機器を使用して、これらの音楽スタイルを模倣するようになり、DIYの雰囲気を持ったアルバムが多くリリースされます。
Lo-Fiという言葉はラジオ局WFMUのDJである「WilliamBerger」によって広められたと言われており、「Low-Fi」と題された番組内では、低コストなレコーディング機器で制作された音源が多く紹介されました。
Lo-Fiは使用される音楽には意図的に低品質な素材が多く利用され、現在の他の作品と比較して録音と制作の品質が劣化していることが特徴です。アーティストがそのような楽器や劣化要素を楽曲に取り入れることで、逆説的に「新しいサウンド」が生まれていると言えます。
昔の音楽は全部ローファイなの?
2021年現在からみて、80年代や90年代の音楽は機材等の技術面でみると「劣化」して聴こえます。
しかし、当時はもちろん最新機材によって最高品質を目指して作られた音源で、意図した劣化ではないと言えるので、個人的には80年代、90年代の昔の音源そのものに対してローファイというのは違和感を感じます。
引き出しから出てきた古い写真と、スマホで録った高画質な写真をレトロ加工するのとでは意味合いが異なります。
現在のローファイ音楽はレトロな作品を模範しており、人が演奏したような音程やリズムの微妙なズレや、テープレコーダーによるノイズを付加するこで再現されますが、冒頭にも述べたように意図してやっていることに美的選択として芸術度を高めているのがローファイ化です。
逆に制作段階における意図しない音程やリズムのずれ、ノイズ関連はやはりミスとして評価されるべきであると思います。
ローファイ音楽の用途
ローファイ音楽の中でも「Lo-Fi Hip-Hop」はここ数年で特に大きな注目を集めています。
多数の音楽プラットフォーム上ではは、「チルド」、「メロウ」、「リラックス」のタグが付けられた多くのプレイリストが作成されています。
ずっと聴いていられるようなLo-Fi音楽の心地よさは、勉強、リラックス、仕事をしたりしながら聴くのに最適なBGMとして利用されることが多いです。リラックスするためにもビートが必要な場合–これはあなたにぴったりのジャンルです。
科学的にもヒーリング効果が立証されているローズピアノを取り入れたり、ほとんどの曲にはボーカルが存在しないインスト音楽なので、ボーカルに意識を奪われることもなくバッググラウンドで効果的に流れます。
日本アニメの世界観を取り入れている
ローファイミュージックの映像やジャケットのアートワークには日本のアニメーションの絵柄が用いられることが多いです。
YouTube上のローファイ放送には日本のアニメーションの一部をつかった短いループ動画が使用されていることが多く、大人気チャンネル「Lo-Fi Girl」チャンネルにも、日本のアニメ調のループ動画が使われています。
ジブリ映画の「耳をすませば」のワンシーンだという声も多いですが、よく見ると少し違っています。
少し調べると、このジブリっぽいアニメーションを作ったのはフランス在住のアニメーター「Juan Pablo Machado」という方らしく、ジブリを参考にしたのかどうかは謎ですが、日本のアニメが持つ淡い世界観にインスピレーションを得て作成していると思われます。
パンデミックによる音楽カルチャーの変化
ここまでローファイ音楽が注目を集めるようになってのも、パンデミックによる社会情勢の変化も大きく影響しています。
2020年には世界中で日常が大きく変化し、多くの人が外出を制限され、生活様式の変化を余儀なくされました。電車に揺られて通勤や通学をするかわりに、自宅で過ごす人が増え、リモートでの会議や打ち合わせも当たり前になりました。
オフィスではなく在宅で仕事をするようになった会社員、休校になった期間に自宅で学習を行う学生も増えたことで、作業用BGMやリラクゼーション音楽として取り入れられたのがこのローファイ音楽です。
ローズピアノによるヒーリング効果や、高音を抑えてまろやかにしたトーン、心地よく一定のリズムを刻み続けるビートは集中力を高め、自宅で作業する人達にとって欠かせない音楽として注目を集めました。
おすすめのローファイプレイリスト7選
ここからは人気&知名度の高いローファイミュージックチャンネルを7つご紹介します。
Lo-Fi Girl
Lo-fi Hip Hopを代表するチャンネルのひとつである「Lofi Girl」元々はChilled cowという名前で運営されていました。、
フランスのパリ郊外に拠点を置き、23歳のDimitriが運営しています。
現在の「日本のアニメーション+チルビート」というスタイルを定着させたのもLofi Girlといわれています。
Chillhop Music
Bas van Leeuwenによって設立されたオランダ発のYouTubeチャンネル。
アライグマのキャラクターが特徴的で、上記Lo-Fi Girlと同様に広く認知されているプレイリストの一つ。
the bootleg boy
本拠地をイギリスに置くYouTubeチャンネル。
Sad(悲しい)Lofi Hip Hopと謳ったメロウな楽曲を中心に、ライブ配信やミックスのほか、新作の紹介も毎日行われています。
LoFi Vibes
Lofi Vibesは比較的新しいローファイミュージックチャンネルで、勉強、リラックス、集中に最適な音楽を見つけることができます。
アンビエントサウンド、ニューエイジミュージック、作業に集中するためのサウンドスケープなど、幅広いローファイミュージックを聴くことができます。
InYourChill
InYourChillは、アンダーグラウンドなインディーズアーティストに焦点を当てたレーベルレコードです。
サイドレーベルであるAnthracite Dreams Recordsの音楽もプレイされているので、新しいローファイアーティストを発掘したいときにおすすめのチャンネルです。
Sleep Tales
睡眠の為のローファイミュージックに焦点を当てたレーベルです。
スローテンポなチル&アンビエントミュージックを探している方に最適です。
Johnnyʼs Shop Lofi Channel
2022年7月20日にスタートした国内のローファイ&チルミュージック配信。
カフェ「Hanauta」を舞台にチルアレンジしたジャニーズ楽曲を24時間ライブ配信で聴くことができます。
まとめ
ローファイとは意図的に品質を劣化させた音楽であり、勉強、リラックス、仕事をしたりしながら聴くのに最適なBGMとして人気です。
昔の曲調を再現することでノスタルジックな心地良さと、日本のアニメ映像と一緒に流されることが多いので視覚的な癒し効果も大きいので、自宅での作業のお供として流してみてはいかがでしょうか。
以上、「音楽で使われる"ローファイ"の意味とは?」でした。
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