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Lo-Fi(ローファイ)ヒップホップの作り方【DTM】

2021年2月23日

ローファイヒップホップの作り方

Lo-Fi(ローファイ)ヒップホップの作り方【DTM】

ローファイ(Lo-Fi)は「実際の音より低音質にしたサウンドのこと」をいい、古き良きアナログレコードの録音技術のようなあえて劣化させた音質を指す言葉です。

ハム、バックグラウンドノイズ、歪み、ヴァイナルノイズなどのノイズは、トラックにLo-Fi感を与え、現代のDAWではこれらのノイズを意図的に生成することが可能です。

そこで今回は、ローファイヒップホップの作り方についてお話します。

※基本的なビートの作曲方法を知りたい方は、まずはヒップホップビートの作り方【Beat Making】をご覧ください。


1. コードの作り方

ローファイビートの場合は、ジャズで使われる7th9thのようなテンションコードを使うことで、上手く楽曲にマッチします。

Dmin11 – Gmin7 – Dmin11 – Ebmin11 – C#dim7


コードは4小節をループさせる形にして、それを複製して楽曲全体に使用することが多いです。

退屈に聞こえる場合はループの後半に微妙なアレンジを加えることで、リスナーの意識を刺激することもできますが、基本的にはずっと聴いていられるような抑揚の少ない進行を作るようにしましょう。

コードに使う楽器

使用する楽器はピアノやローズピアノが効果的です。

特にローズピアノは元々戦場の兵士を癒すために発明された楽器で、科学的にも立証されたヒーリング効果をリスナーに与えることができるので、多くのチル、ローファイトラックで使用されています。


そのまま使用すると綺麗過ぎるので、エフェクトやノイズを使って加工することでアナログレコードのようなヴィンテージサウンドを再現します。

フィルター加工

lo-fi フィルター加工

楽器の周波数帯域が広すぎる場合は、ハイパスフィルターとローパスフィルターを使って音の鳴る範囲を絞り込むことで、Lo-Fi感を演出できます。

高音側を1.5~2kHzぐらいから、低音側を150〜200Hzぐらいからフィルターをかけるとベースとの住み分けもできるので、非常に効果的です。

ノイズを加える

さらにサチュレーションによる歪みやビットクラッシャー、ヴァイナルノイズをトラックに付与することで一気に雰囲気が出ます。

※多くのプロデューサーは「RC-20」と呼ばれるLo-Fiに使えるノイズやエフェクトが揃ったプラグインを使用しています。


予算が無い場合は少し機能は制限されますが、iZotope社からリリースされている無料の「Vinyl」というプラグインも人気です。

2. ビートの作り方

ビートの作成はローファイヒップホップに限らず、すべての音楽において重要な工程です。

アナログドラムキットを実際にマイク録音するのはかなりハードルが高いので、サンプル音源やドラムマシンを使うのが一般的です。

ビートを打ち込みで作成する場合は音源サンプルのチョイスが非常に重要なので、納得のいく音源が見つかるまで妥協しないようにしましょう。

サンプル音源販売サイトおすすめ5選

サンプルをあとからエフェクトで加工することもできますが、最適なサンプルを見つけてしまえばFXの数を最小限に抑えることができるのと、エフェクト処理のプロセスを飛ばすことができるので、より効率的に作業を進めることができます。

打ち込み方


基本的にはキック、スネア、ハットの3点のシンプルなリズムパターンから成り立っています。

スネアやハットのリズムを若干ズラすことで人が演奏しているかのようなリアルな質感を演出することができます。

ベロシティの設定も重要なので、叩く強さが一定にならないように適度にランダマイズすることも忘れないようにしましょう。


プロデューサーによってはMIDI PADコントローラーを使って、実際にリアルタイムで打ち込んでいく方法を採用している方もいます。

慣れればかなりのスピードでビートを完成させることができるので、制作スタイルやお好みに合わせて選択しましょう。

打ち込みが終わったら必要に応じて、フィルターやエフェクトを使ってコードと同じようにローファイ加工を施します。

3. ベースの作り方

lo-fi ベース


ローファイベースはコードのルート音をループさせるのもいいですが、リズミカルなベースアレンジやベースソロまで幅広く使えます。

惹きつけるベースラインを書く為の5つのヒント

ベースサウンドとしてはエッジの少ない、非常に丸みのあるサウンドが採用されることが多いです。

シンプルなサイン波や、ローエンドにフォーカスしながらサチュレーションやドライブによる倍音を付加することで、ローミッドを強化し、ベースキャラクターを目立たせることができます。

サイドチェインによるダッキング

ローファイはローミッド周辺に音が集まりやすいので、濁りが目立つ場合はサイドチェインによるダッキングが非常に効果的です。


キックが踏まれた瞬間にだけベースやその他のローミッド楽器を押し下げることができ、キックを効果的に鳴らすための広いスペースを確保することができます。

やり方は色んな方法がありますが、詳しくはサイドチェインコンプレッションの重要性とテクニックについての記事をご覧ください。

4. メロディーの作り方

ビートの土台が出来上がったらメロディを加えてトラックを華やかにしましょう。

ローファイヒップホップでは、ピアノクリーンギターフィドル等の楽器を使われることが多い印象です。

lo-fi メロディ


メロディー制作は最も音楽的センスが問われる部分で、ビート全体のキャラクターを決定付ける重要ポイントなので、たっぷりと時間をかけて納得いくメロディーを作りましょう。

ラップが入るのか、ボーカル無しのインストゥルメントかによっても、メロディの重要性は大きく変わります。

もしラップボーカルが入る場合は、メインであるボーカルを邪魔しないようなシンプルなメロディである必要があります。

メロディの打ち込み方

ローファイメロディはジャズ的な要素を多く含んでいるので、他のジャンルよりは少し難易度が高めといえます。

メロディーの作り方【音を外さない方法】を参考にしながら、コードトーンと外音を上手く使い分けて打ち込んでいきましょう。

どうしても上手く作れない場合はルート音5度の音を中心に音数を少なるすることを意識すれば、安定したメロディーになります。

メロディー


他の楽器と同じようにローファイ加工を施したり、ドラムよりも少しリズムを後ろにもたつく感じにすると雰囲気がでるのでオススメです。

さらにアナログレコードをスロー再生したような効果が得られる「ハーフスピードエフェクト」をかけるとかなりヴィンテージ感を再現できるので試してみてください。

まとめ

ローファイヒップホップの作り方についてお話しました。

今回の内容で作ったトラックがこんな感じです。


もちろん今回の内容以外にもたくさんのローファイテクニックが存在するので、色んなトラックを聴いて参考にしてみましょう。

以上、「Lo-Fi(ローファイ)ヒップホップの作り方【DTM】」でした。
※YouTubeでも詳しく解説しています。



ビートメイクに必要な5つの機材【DTM】

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