コンピングとは?知っておくべきオーディオ編集テクニック
レコーディング作業中に「素晴らしいテイクが録音できたのに、後半の一部分でミスを犯してしまった…。」という状況はよくあることです。
こういった状況でオーディオ編集テクニックの一つ「コンピング」が役に立ちます。
コンピングとは?
コンピングとは、複数のテイクの中から最高の部分を切り取り、それらをつなぎ合わせて1つの「完璧なテイク」を作成するプロセスです。
人の歌声や演奏は、すべてを完璧に録音することは難しいです。サビの前半は最高のテイクだったのに、後半でタイミングがずれた箇所があったりと、その度に頭から録り直すのは中々の時間と労力を消耗します。
そういった場合に、フレーズ、単語、または小節単位で切り取って、それを最良のテイクの変更したい場所に貼り付けて、ワンテイクで録音されたように聞こえるようにします。
コンピングは楽器でも行われますが、ボーカルを編集するときに最も効果を発揮するテクニックです。
トラックをキープしておく
レコーディング中に複数のテイクを録音した場合は、消さずに保存しておきます。あまりにキープするテイクが多すぎると、選択に時間がかかったり混乱の原因にもなるので、テイクは多すぎないようにしましょう。
エンジニアは常にアーティストのパフォーマンスに細心の注意を払い、ミスが少なかったテイクや、最も気に入っている様子を見逃さないようにします。
このようなアーティストにとって手ごたえのあるテイクを確認しておくことで、録り溜めたオーディオデータを確認することなく、ベストテイクを確定することができます。
コンピングのやり方
コンピングの最も簡単な方法は、オーディオデータをフレーズ単位で分割することです。
通常、フレーズとフレーズの間には空白の瞬間があるので、そのタイミングでクロスフェードを作成してオーディオデータ同士をつなぎ合わせると、編集点のトランジションが目立たなくなります。
音量、音質を合わせる
フレーズ、単語、またはセクション単位で選択するときは、それぞれの音量やトーンが元のデータと繋ぎ合わせたデータで、一致していることを確認する必要があります。
必要であればEQやボリュームオートメーションを追加し、フレーズや単語が上手く馴染むまで修正を加えます。
一貫性のある最終的なオーディオ録音を行うようにしてください。
DAWのコンピング機能を使う
最近の一部のDAWには便利な「コンピング機能」が備わっている製品もあります。
AbletonやLogicでは、作業を中断することなく、複数テイクをループ録音することができるので、気になる部分を重ね録りすることが可能です。
複数のテイクが自動でスタックされていき、録音が終わったら採用する部分を選択するだけで、それらを繋ぎ合わせたトラックを簡単に作成してくれます。
以上、「コンピングとは?知っておくべきオーディオ編集テクニック」でした。
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