ミックス用モニタースピーカーの間違った設置方法
音楽制作におけるモニタースピーカーの役割は非常に重要です。誤った設置方法でミックスを進めていると、音質や音量バランスに大きな影響を与える可能性があります。
購入したモニタースピーカーをただ机の上に設置しただけでは、モニタースピーカーの性能を最大限活かすことができず、高音を正しく聞き取れていなかったり、位相の問題が発生していることもあります。
そこで今回は、モニタースピーカーを設置する際に陥りがちな失敗例をご紹介します。
1. 壁に近すぎる
モニタースピーカーを壁に近づけすぎると、反射や共鳴が起こり、音がこもったりすることがあります。
スピーカーから出た音の反射音は近くの壁の方が遠くにある壁よりも早く大きな音量で返ってきます。特に低音成分がスピーカーの背面に回りみ、音量が大きい状態で返ってくることで、直接聴こえてくる原音に混ざりやすくなります。
なるべく反射音による音の干渉を少なくする為にも、例えば、部屋の形が長方形の場合は短い壁の方に向かってデスクを配置して、壁から少し離して(15~30cm)設置してみましょう。
2. スピーカー同士が近すぎる
モニタースピーカー同士を近づけすぎると、位相のトラブルが生じて、音が弱くなることがあります。
スピーカーから出力される音には指向性があり、ある程度の距離を空けないと左右の音が混ざりすぎてしまい、ステレオ効果が薄れたり、位相による影響が発生します。
最適なステレオ感を感じる為にも、目安として1m以上離して設置すると、自然な音の広がりを感じることができます。 逆に左右を離しすぎると音も広がりすぎて、理想的な音が聴き取れないので注意が必要です。
3. 左右非対称になっている
ステレオ音像を正しくリスニングする為にもモニタースピーカーは左右対称になるように設置して、角度もなるべく左右が同じになるように設置します。
部屋の反響もサウンドに影響するので、スピーカー本体の配置場所が適切であっても、左スピーカーと右スピーカーからの音のバランスに違和感を感じることがあります。
反響音も出来る限り左右対象になるように、部屋の角にデスクスペースを置くよりもなるべく壁の中央に設置するのが最適です。
4. 間違った高さに置く
高音成分は直線的に飛ぶため、スピーカースタンドやブロックを使って、スピーカー本体を耳の高さに合わせるのがベストです。
モニタースピーカーのツイーターを耳の高さと平行になるように設置することで、音の分散を抑えることができ、特に高音成分を正しくモニターすることができるようになります。
高さを揃えることが難しい場合には、スピーカーを傾けて耳の方向に向くように設置しても構いません。
5. 机に直接設置する
スピーカーをDTMデスクに直接設置すると、振動によってノイズや反響が発生することがあります。
また、机とスピーカーの距離が近すぎることで、壁と同じように反響音が原音に混ざり過ぎてしまうことで、音質が変化する可能性があります。
スピーカー専用スタンドやアイソレーションパッドを使用することで、震動の影響や卓上反射の影響を抑えることができます。
まとめ
スピーカー設置による問題を避けるには、スピーカーの配置に関する取扱説明書や、一般的なガイドラインに従うことが重要です。
理想的には、モニタースピーカーは頑丈なスタンドの上に置き、壁から離して、耳の高さに置くことです。また、壁の反響を考慮してスピーカーの角度や距離を変えることができれば、自分に合った最適なリスニング環境を見つけることができます。
以上、「ミックス用モニタースピーカーの間違った設置方法」でした。