MIDI 2.0にバージョンアップについて
1983年から続く、電子楽器の演奏データを機器間で転送・共有するための共通規格であるMIDIが2020年2月22日に正式にアップデートされることが決定しました。
アメリカのMIDI管理団体であるThe MIDI Manufactures Association(MMA)と日本の団体である一般社団法人音楽電子事業協会(AMEI)が何度も検証や会議を繰り返し、今回の決定となりました。
MIDI 2.0規格について
MIDI 2.0規格の目的は、MIDI 1.0規格(1983年)以降の技術の進歩や社会の変化に対応することで、更なる音楽業界の発展に貢献することである。
一般社団法人 音楽電子事業協会 (AMEI)
MIDI 2.0規格は現行のMIDI 1.0規格の置き換えでは無く、MIDI 1.0機器との共存・共生を基に、さらに拡がっていくMIDIの世界を創るための規格である。この世界を実現するために、MIDI 2.0規格は双方向通信による問い合わせの機構(MIDI機器間ネゴシエーションと呼ばれる)を前提に設計されている。
MIDI 2.0規格で追加される新しい機能は、規格書「MIDI機器間ネゴシエーション」によって定義されている。双方向に接続されたMIDI機器間で互いに利用できる機能を問い合わせの上で実行する。
もし、接続先の機器が新しい機能に対応していなければ、その機能についてはMIDI 1.0の範囲で動作する。
このようにMIDI機器間ネゴシエーションを必須とすることで、MIDI 2.0規格はMIDI 1.0機器との後方互換性を担保している。
MIDI 2.0による改良点
・伝達速度の高速化
・チャンネル数が256チャンネルに
・ビット数が36ビットに
・ 一方向通信から双方向通信へ
・MIDI 1.0との互換性はそのまま
新しいMIDI 2.0では、このMIDI 1.0が持つ機能はそのままにすべてが強化されています。
今までは受信側へ一方通行で通信を行なう仕様でしたが、MIDI 2.0では機器間での双方向通信を実現。これにより、ある機材の設定値や演奏データを他の機材へ送り、接続された機器同士を同期して、自動的にセットアップすることも可能になります。
対象機器がMIDI 1.0であった場合には、双方向通信に対応していない機器であることを判断し、プロトコル通信に変わる。
さらに、解像度が32bitになったことで、表現力が格段に向上し、ベロシティーの分解能も今までは128段階が限界でしたが、最大で65,536段階となったり、 使いやすさや、電子楽器の表現力を向上させる機能も追加されています。
高分解能のベロシティーやパラメーターコントロールで、まるで人が演奏しているかのような繊細な音のニュアンスも表現可能になりました。
更に詳しい情報は「一般社団法人音楽電子事業協会」のホームページから企画書の一般向けダウンロードが可能になっているので、チェックしてみてください。
ダウンロードはこちらから。