オンラインセッションサービス「SYNCROOM」をYAMAHAが正式リリース!
自宅にいながらバンドセッションが楽しめるサービス「SYNCROOM」を2020年6月29日にYAMAHAが正式リリースしました。
演奏者同士がスタジオやライブハウスに集まって合奏することが難しい現在、ミュージシャンにとっては救世主となるサービスが始まりました。
「SYNCROOM」は、インターネット回線を介して遠隔地間の音楽合奏を実現し、複数のユーザー同士(最大5拠点)でオンラインセッションが楽しめるサービスです。インターネット回線に繋がったご自宅などのパソコンにアプリケーションをインストールし、ユーザー登録を行うことで、合奏に適したさまざまな機能を利用してオンラインセッションを無料で楽しむことができます。
https://syncroom.yamaha.com/topics/2020/01.html
「演奏者同士が同じ場所に居ないと成立しなかった音楽セッションを、どこに居ても気軽に楽しめるようにしたい」という想いから、ネットワーク越しの遠隔地間で実現させる技術の研究開発を始めました。
もともと「NETDUETTOβ」という名称で何年も実験的に運営されており、以前にYAMAHAのオンラインセッションサービス「SYNCROOM」が6月からスタート【自粛疲れの救世主?】の記事でも紹介しましたが、いよいよ本格スタートした形となります。
Windows、Mac、そして今回正式リリースに伴い、Androidのベータ版が新しく登場ししました。
DTM環境が整っているミュージシャンにとってはアカウント登録だけで簡単に利用できるますが、そうでない方は最低でもスマホかPC、オーディオインターフェイスが必要となります。
SYNCROOMの特徴
低遅延
SYNCROOMを利用したオンライン通信の最大の特徴として、レイテンシー(音の遅延)の少なさがあります。
SkypeやZoomのようなオンライン会議システムだと300〜500ms(約0.5秒)の音の遅延が発生します。
普段の会話のやりとりなら支障がなくても、バンドセッションとなると0.5秒の遅延は致命的です。
これがSYNCROOMを使うことでほぼ遅延が無い状態で同時演奏が可能となります。
機能
リバーブが搭載されており、自分の声や楽器にかけることができます。
DAWに搭載されていますが、オーディオインターフェイスから直接つなぐ場合にはうれしい機能です。
リバーブのかかり具合も設定できるので、状況に合わせて調節しましょう。
バンド練習には欠かせない、メトロノームと録音機能も搭載されており、セッションだけではなくバンドメンバーとの練習にも使える便利機能です。
ミュージシャンの新しい遊び場
5Gに向けてNTTドコモと共同で試験してきたというSYNCROOM。
5Gが本格的に普及すると、遅延や同時接続数はさらに解放されることが予想されます。
「普段のバンド合奏にプラスワンとしてオンラインセッションというものを用意したい」ぐらいの気持ちで始めてたプロジェクトが、環境が大きく変化した今、ミュージシャンにとっては無くてはならないツールにまで注目が集まってしまったことがプレッシャーだと開発者は語っています。
10年かけて試験を続けてきたオンラインセッションサービスが、企業にとって救世主となったオンライン会議ツール「Zoom」のように、SYNCROOMはミュージシャンにとって救世主となるのかに注目です。