AI搭載のVSTプラグインソフトウェアおすすめ7選【DTM】
音楽ソフトウェアに限らず、人工知能によるAIテクノロジーはますます多くのソフトウェアに組み込まれつつあります。
音楽分野のAIについて考えるとき、AIに頼ることで人間のインスピレーションの邪魔になるのではないか?または、AIで自動化してコーヒーを飲みながらでも勝手に曲が出来る。といったことを想像するかと思いますが、実際には少し異なります。
音楽ソフトウェアに搭載されているAIは、バックグラウンドで目に見えない補助的な役割をしている製品もあれば、ミックスの正しい開始点や着地点を「提案」してくれるような役割を果たしていることがほとんどです。
AIプラグインのメリット
音楽制作において、AI導入のメリットは制作速度と正確性の向上です。
音楽ジャンルごとのセオリーや、正しいミックスバランスを知ることは、長年の経験が必要になるため、特にこれから音楽制作を始める方には非常に高いハードルとなってしまいます。
さらに熟練のエンジニアであっても、長い作業で疲労することで、正しい音量バランスの判断がずれてしまうこともよくあります。そういった音楽制作で起こりやすい「ヒューマンエラー」を回避する為にも、AIを利用することによるより正確で素早い判断を下すことができます。
特に作曲、レコーディング、ミキシング、マスタリングなど、自分ですべてを行う独立タイプのプロデューサーにとっては、作業の負担を減らし、生産性を向上させるという意味でもAIプラグインは注目を集めています。
ここからはAIを利用している人気プラグインのいくつかをご紹介します。
iZotope Ozone 11
iZotopeによる人気マスタリングソフト「Ozone」には、バージョン8以降、マスターアシスタントが含まれるようになりました。
アシスタントボタンをクリックして曲を再生すると、トラックのEQバランス、ダイナミクス、その他さまざまなパラメーターの分析が開始され、希望に沿ったマスタリングテンプレートが作成されます。
マスターアシスタントが最適なバランスを提供してくれますが、必ずしもそれが完璧なマスターであるとは限りません。もちろん、希望どうりならそのままでも構いませんが、ほとんどの場合はそこを出発点として使用し、そこから独自に調整することをおすすめします。
iZotope Ozone 11
Izotope Neutron 4
同じくiZotope社のNeutronには、オーディオを分析し、EQ、圧縮、倍音、ステレオイメージングなどの処理を自動的に適用する「ミックスアシスタント」機能が含まれています。
シングルトラックでも使用できますが、特に複数のトラックをまとめた"バス処理"の際に効果的です。ミックス アシスタントの最も優れた点は、自動処理の後にいつでもパラメーターを微調整できることです。
トラックのコントロール性を犠牲にすることなく、優れたミックス結果をより速く得ることができるようになります。
Izotope Neutron 4
Focusrite Fast Bundle
オーディオインターフェイスで有名な「Focusrite」からリリースされているFASTシリーズは、AI技術を使用してミキシングプロセスを簡単に素早く行うことができるようになります。
付属の各エフェクト(Limiter、EQ、Compressor、Reverb、Reveal)は、オーディオデータ応じて自動的に調整を行うことができ、一般的なプラグインにある「デフォルトプリセット」よりも優れたバランス調整が可能です。
自動処理が完了したあとに、各設定を個別に変更することで、さらに突き詰めたミックス結果得ることができます。
Focusrite Fast Bundle
Zynaptiq Adaptiverb
ADAPTIVERBは反響音に依存しない革新的なリバーブプラグインで、従来の反響に基づく音響空間モデリングとは異なり、ADAPTIVERBはソースを不明瞭にすることなく、音の深さ、倍音の豊かさ、滑らかなテイルを付加します。
さらにレイトレーシングリバーブ、アダプティブシミラリティフィルタリング、およびリバーブテールが他の楽器との衝突を回避できるようにする革新的な新しいAI技術を使用しています。
先進的なテクノロジーで自動的に魔法のようなサウンドを作り出すプラグインとして人気ですが、CPU使用率が高めな為、スペックの確認は必須です。
Zynaptiq Adaptiverb
Sonible Pure Bundle
SonibleのPure Bundleには、EQ、コンプレッサー、リミッター、リバーブのAI搭載ワンノブプラグインが含まれています。受信したオーディオ信号に応じてパラメーターを自動的に調整し、あとはノブを調整するだけのシンプル操作が特徴です。
ミキシングプロセスを高速化する為の優れた選択肢で、高度な編集オプションは搭載されていませんが、ワンノブ式のワークフローは初心者にとっても非常に便利です。
シンプルな操作だけで、より優れたミックス結果を得ることを目的としたプロデューサーの方におすすめです。
Sonible Pure Bundle
Hexachords Orb Composer Pro S
Orb Composer Pro Sは、完成度の高い音楽作曲支援ソフトウェアとして支持を得ており、その独自のテクノロジーにより、素早くプロ品質の音楽を作成するように促します。人工知能を使用して、指示に基づいてコードやメロディーの作成を手助けするスタンドアロンプログラムとして機能します。
プロの編曲者と同じような編曲スタイルやその他のストリングスのようなクラシック要素の追加を実現するのに役立ちます。
ムード、テンポ、その他の重要な要素を指示することで、プログラムがさらに洗練された音楽を作成できるようになります。リファレンスとしてMIDIまたはオーディオデータをDAWにエクスポートすることもできます。
Hexachords Orb Composer Pro S
Algonaut Atlas
Algonaut社の話題のドラム生成ツール「Atlas」はサンプルコレクションを自動分析し、マップレイアウトに楽器タイプとキャラクターに分けて配置してくれます。
簡単にサンプル音源を見つけだして、ドラムサンプラーのようにして使うことができます。また、様々なタイプのマップを複数作成することもできるので、ドラムサンプルコレクションを視覚的に分かりやすく整理する為にも役立ちます。
Atlasはプログラミング用の16個の正方形MPCスタイルのグリッドを備えたサンプルプレーヤーとしても機能し、サンプルはDAWにドラッグアンドドロップすることも可能です。
Algonaut Atlas
まとめ
AI搭載のVSTプラグインソフトをご紹介しました。
- iZotope Ozone 11
- iZotope Neutron 4
- Focusrite Fast Bundle
- Zynaptiq Adaptiverb
- Focusrite Fast Bundle
- Hexachords Orb Composer Pro S
- Algonaut Atlas
AIテクノロジーを利用することで、ミックスで頭を悩ますことが少なくなり、より多くの時間を制作に当てることができるようになります。
提案された内容をそのまま使用することもできますが、基本的にはミックスの開始地点として、そこからさらに自分なりに微調整を加えることで、より独自性の高いサウンドを入手することができるようになります。
制作速度と生産性を向上させたいプロデューサーは、AI搭載ソフトの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
以上、「AI搭載のVSTプラグインソフトウェアおすすめ7選【DTM】」でした。