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ビートリーシングについて【HIPHOP、TRAP】

2019年11月28日


ビートリーシングについて【HIPHOP、TRAP】


2017年頃から世界の音楽はHip-hop一色に染まりました。

新しいシーンが来ると新しい音楽の仕組みが生まれ、今回はその中のビートリーシングについてお話します。

ビートを契約販売する


ビートリーシングとは日本で言うトラックメイカー(海外ではビートメイカーと呼ばれます)がラッパーやシンガーに対して自作したトラックを貸し出すことです。

実際にはビート販売サイトに行き、いくつかの契約オプションが用意されているので、使用用途に合わせて契約してビートを借ります。

  • Non-Exclusive ($24.99): MP3+使用制限あり
  • Premium Lease ($34.99): MP3+WAV+使用制限あり
  • Trackout Lease ($69.99): MP3+WAV+Stems+使用制限あり
  • Unlimited Lease ($199.99): MP3+WAV+Stems+使用制限なし
  • Exclusive (最高付け値): 独占使用


「曲の雰囲気が気に入ったから試しにリリックを書いてビートに乗せてみよう」
「ミックスマスタリングは外注で」
「買い取りで自身のオリジナルソングとしてリリース」



といった具合に目的に合わせて料金が変わってくる仕組みです。

おそらく日本にいると全く馴染みのない言葉だと思いますが、海外の音楽シーンにおいてビートリーシングは既に飽和状態にあり、世界中のトラックメイカーとラッパー達がこぞって参加しています。

クリエイターの資産になる


楽曲の権利や印税など個人では不安定だった部分がBeatStarsAirbit等ビート販売サイトの出現で、今までよりも簡単になり、アマチュアプロデューサーが作った楽曲が複数人にリースされ、収益に繋がるという流れが生まれました。

このことで自分の作ったビートが資産となり、ビートストアを通じてクリエイターとアーティストに利益をもたらし続けることになります。

現在は海外のHip-hopやR&Bに特化した形になっていますが、国内でもアイドル楽曲やJ-POPに向けてトラックメイカーがトラックリーシングという形で提供できるようになれば、安定した収入源に悩まされ続けてきたプロデューサーにとっての活路となるのではないでしょうか。

気軽にトラックを入手できる

ビートストア

シンガーやラッパーにとってもビートリースを利用するメリットは大きいです。

以前は個人で活動しているアーティストが、楽曲提供を受けるというのは中々ハードルが高く、価格や楽曲ライセンスの関係もあり、気軽に手を出せるものではなかったのが実情です。

しかし、ビートリースが登場したことで、レーベルに所属していない個人のラッパーであっても、安くて年間数千円という価格帯で、めんどうなやり取りもなく、わずか数クリックでトラックを入手することが可能になりました。

基本的には楽曲から発生したロイヤリティも受け取れる形となっているので、余計な手続きや作業に時間を取られることも無くなり、リリックを書いたりライムを練ったりというようなアーティスト本来の活動に専念することができるようになります。

タイプビート文化


同時にタイプビートと呼ばれるYouTubeのSEOを利用したマーケティング手法も生まれました。

海外で主流のType Beat(タイプビート)とは?

例えば「Drake Type Beat」や「Travis Scott Type Beat」などのタイトルを付けてYouTube上に自作のビートをアップすることで、「ドレイクっぽいビート」や「トラヴィススコットっぽいビート」を探しているラッパーとマッチングしやすくなります。

ビートを探してる側からも、YouTubeでタイプビートをディグってそのままリンク先の販売サイトから購入する。ということが可能です。

現在はビートの探し方として、このタイプビートと呼ばれる方法が主流であり、YouTube上では1時間に10本ぐらいのペースでビートがアップされ続けています。


世界のトップアーティストもこのタイプビートを利用しており、全米シングルチャート最長1位を記録したLil Nas Xの「Old Town Road」


こちらの楽曲はオランダ人の19歳のYoung Kioが販売していたタイプビートを使って作られています。

その他にも人気ラッパーがアマチュアのビートを採用することもあったりと、一気にスターダムにのし上がるチャンスもあります。

まとめ


現在日本ではまったくといっていいほど認知されていないビートリーシングビジネス。

将来日本にもこの「楽曲をリースする」という流れがくる可能性は十分あるので、DTMerやプロディーサーの人たちは自作曲をたくさん作りこんでストックを貯めておくのもありかもしれませんね。



ビート販売サイト「Airbit」でのビートの購入方法

【必読】タイプビートを使う前に!学んでおくべき権利関係について

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