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ディレイの使い方【ミックスで使える5つのテクニック】

2020年4月9日

ディレイプラグインの画像

ディレイの使い方【ミックスで使える5つのテクニックについて】

音楽制作において、ディレイは非常に重要なエフェクトの一つです。ディレイを使って原音を反響させることで、音をやまびこのように繰り返し再生し、トラックに奥行や壮大さを加えることができます。

ディレイは、数あるエフェクトの中でも、パラメーターの設定次第でもっとも多用な使い方が可能なエフェクトで、ステレオ感を調節したり新しいフレーズを作ったりと様々です。

この記事では、ディレイの使い方について紹介します。ミックスで使える5つのテクニックを中心に、それぞれのテクニックの使い方や効果について詳しく解説していきます。

まずは基本的なディレイエフェクトの使い方についてお話します。

ディレイとは?その仕組みとコントロールについて

ディレイのパラメーターについて

ディレイの画像


製品によってパラメーターや、その名称は多少違いますが、基本的なディレイパラメーターは以下の通りです。

・Delay Time > 繰り返される周期
遅延時間を調整するパラメーターで、ミリ秒単位で設定されます。このパラメーターを調整することで、エフェクトの反響時間を変更することができます。

・Feedback > 何回繰り返すか

反響の強さを調整するパラメーターで、パーセンテージで表されます。このパラメーターを調整することで、エフェクトの反響の強さや長さを変更することができます。

・Filter > ディレイ音のローカット&ハイカット

ディレイ音に適用されるフィルターを調整するパラメーターで、低域カットや高域ブーストなどができます。このパラメーターを調整することで、エフェクトの音質を調整することができます。

・Mix > 原音とディレイ音の割合

ディレイ音の音量を調整するパラメーターで、このパラメーターを調整することで、エフェクトの音量を調整することができます。


主にこれらのパラメーターを使うことで、より表現力豊かなサウンドにすることができます。

では具体的なディレイエフェクターを使用したテクニックをいくつかご紹介します。

1. 隙間を埋める

ディレイエフェクトの画像


やまびこ効果を使って音の隙間を埋めることは、ディレイエフェクトにおいてもっとも一般的な使用方法です。

休符や音数の減少は楽曲にリズム感や緊張感を与えますが、空白が多すぎるとリスナーを退屈させます。そのような不要な隙間をディレイエコーを使って埋めることで、楽曲に深みと広がりを持たせることができます。

また付点8分のディレイを使ったような、ディレイ音自体もギターフレーズとして捉えた飛び道具的な使い方もあります。(通称U2ディレイ)

隙間を埋めるためには、ディレイのタイミングとレベルを調整することが重要です。

  1. 遅延時間(ディレイタイム)を楽曲のテンポに合わせて設定します。
  2. フィードバックを適切なレベルに設定し、反響音を生成します。
  3. ディレイのレベルを微調整して、元の音とディレイ音のバランスを調整します。

また、ディレイタイムを短く設定し、反復回数(フィードバック)を多くするテクニックもあります。

この方法を使うと、リズムに沿って繰り返されるエコー効果を作り出すことができます。ただし、反復回数を多くしすぎると、音が混ざりすぎて音がごちゃごちゃしてしまう可能性があるため、適度なバランスを保つことが重要です。

隙間を埋めるディレイ


2. ミックスに奥行を加える

ギタリストの画像

シンプルなソロギターやリードシンセにディレイを加えることで、奥行と深さを与え、よりサスティーン豊かな太いサウンドが得られます。

またフィードバックを長めに設定し、ミックス量を少なめに設定することでPADやコード系に合う、アンビエントな立体空間を演出することも可能です。

これらはリバーブと組み合わせることでさらに効果は増し、まるでコンサートホールで演奏しているかのような、ミックス内に大きな立体空間を生み出せます。

あまりやりすぎると原音を奥に引っ込め、濁ったミックスになってしまうので注意してください。


奥行と深さを加えるディレイ


3. ピンポンディレイ

卓球の画像


2つのディレイ音を左右に振り分けることで、卓球の打ち合いのように左右を行き来する「ピンポンディレイ」と呼ばれる効果を生み出せます。

最近だとディレイエフェクターの一つの機能としてピンポンディレイが含まれていることが多いので、簡単に再現することができます。

ピンポンディレイの画像

一例として、左側にパンニングされたギターの音を、わずかに遅延させて右側に出力し、同様に右側にパンニングされたキーボードの音を、わずかに遅延させて左側に出力することで、ギターとキーボードの音が交互に鳴り響き、より広がりのあるステレオ感を生み出すことができます。

ピンポンディレイを上手く使うことで、バイノーラルマイクを使ったような面白い効果を聴き手に与えることができます。

ピンポンディレイ(イヤホン推奨)


4. ショートディレイ

ショートディレイの画像

ショートディレイとは、非常に短い遅延時間を持つディレイのことです。通常、ショートディレイは10~50msの短いディレイタイムに設定することで鳴らすことができます。

この短いディレイタイムは、人が音の遅れを知覚できるギリギリの時間枠内であり、実際には2つの音が1つしか鳴っていないように錯覚させる効果があります。

これにより、音に厚みが生まれ、金属音的な独特な響きが得ることができます。

また、フィードバックを1回だけ返ってくるように設定して、ミックスレベルを大きめに設定することで、2つの楽器で演奏しているかのようなダブリング効果が得られます。

ショートディレイ


5. ハース効果

モノラル信号の画像


先程のショートディレイを利用した「ハース効果」と呼ばれるものがあります。

ハース効果とは、ステレオサウンドの再生において、左右のチャンネルに微妙な時間差を与えることで、音が広がり感や立体感を持つように聴こえる現象です。

具体的には、左右のチャンネルの音がほぼ同じタイミングで再生される場合、人の聴覚は両方の音源をひとつの音源として認識します。しかし、微妙な時間差を付けることで、左右の音源を別々に捉えるようになり、音が広がり感を持つように聴こえるようになります。

左側から聴こえた音を「遠い音源」と認識し、右側から聴こえた音を「近い音源」と認識し、立体的なサウンドを実現することができます。

ハース効果(イヤホン推奨)


まとめ


ここまでディレイを使ったテクニックをいくつかご紹介しました。

  1. 音の隙間を埋める
  2. 奥行きと深さを加える
  3. ピンポンディレイ
  4. ショートディレイ
  5. ショートディレイを使ったハース効果


ディレイ効果を上手く利用することでミックス空間の隙間を埋め、よりワイドな音像を生み出すことが可能となります。

以上、ディレイの使い方【ミックスで使えるテクニックについて】でした。

今回の内容をYouTubeでも詳しく解説しています。


【ギター】人気ディレイエフェクター 5選

ステレオ音像を大きく広げる為のミキシングテクニック。

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