
ディレイの使い方【ミックスで使える5つのテクニックについて】
ディレイは音をやまびこのように繰り返し再生し、トラックに奥行や壮大さを加えるエフェクトです。
数あるエフェクトの中でも、パラメーターの設定次第でもっとも多用な使い方が可能なエフェクトで、ステレオ感を調節したり新しいフレーズを作ったりと様々です。
まずは基本的なディレイエフェクトの使い方についてお話します。
→ディレイとは?その仕組みとコントロールについて
ディレイのパラメーターについて

製品によってパラメーターや、その名称は多少違いますが基本的には
・Delay Time > 繰り返される周期
・Feedback > 何回繰り返すか
・Filter > ディレイ音のローカット&ハイカット
・Mix > 原音とディレイ音の割合
主にこれらのパラメーターを使いサウンドメイクします。
では具体的なディレイエフェクターを使用したテクニックをいくつかご紹介します。
1. 隙間を埋める

やまびこ効果を使って音の隙間を埋めることは、ディレイエフェクトにおいてもっとも一般的な使用方法です。
休符や音数の減少は楽曲にリズム感や緊張感を与えますが、多すぎる空白はリスナーを退屈させます。
そのような不要な隙間をディレイエコーを使って埋めることで、楽曲をより鮮やかにします。
また付点8分のディレイを使ったような、ディレイ音自体もギターフレーズとして捉えた飛び道具的な使い方もあります。(通称U2ディレイ)
はっきりと聴こえるディレイ音はギターをもう1本追加したのと同じです。
フィードバックやミックス量を調節して、次の音に被りすぎないようにしたり、不協和音が生まれないように気を付けましょう。
2. ミックスに奥行を加える

シンプルなソロギターやリードシンセにディレイを加えることで、奥行と深さを与え、よりサスティーン豊かな太いサウンドが得られます。
またフィードバックを長めに設定し、ミックス量を少なめに設定することでPADやコード系に合う、アンビエントな立体空間を演出することも可能です。
これらはリバーブと組み合わせることでさらに効果は増し、まるでコンサートホールで演奏しているかのような、ミックス内に大きな立体空間を生み出せます。
あまりやりすぎると原音を奥に引っ込め、マディーな濁ったミックスになってしまうので注意してください。
3. ピンポンディレイ

2つのディレイ音を左右に振り分けることで、卓球の打ち合いのように左右を行き来する「ピンポンディレイ」と呼ばれる効果を生み出せます。
最近だとディレイエフェクターの一つの機能としてピンポンディレイが含まれていることが多いので、簡単に再現することができます。

ピンポンディレイを使うことで左右に広がるステレオ感が得られたり、バイノーラルマイクを使ったような面白い効果を聴き手に与えることができます。
4. ショートディレイ

ディレイタイムを10~50ms程度に設定するディレイ。
音に厚みが生まれ、金属音的な独特な響きが得ることができます。
フィードバックを1回だけ返ってくるように設定して、ミックスレベルを大きめに設定することで、2つの楽器で演奏しているかのようなダブリング効果が得られます。
5. ハース効果

先程のショートディレイを使った「ハース効果」と呼ばれるものがあります。
「2つの音を1つの音として認識する」人間の錯覚を利用した、ミックスをワイドに広げる為の非常に便利なテクニックです。
ハース効果についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事でも解説しているので、合わせてご覧ください。
まとめ
ここまでディレイを使ったテクニックをいくつかご紹介しました。
- 音の隙間を埋める
- 奥行きと深さを加える
- ピンポンディレイ
- ショートディレイ
- ショートディレイを使ったハース効果
ディレイ効果を上手く利用することでミックス空間の隙間を埋め、よりワイドな音像を生み出すことが可能となります。
以上、ディレイの使い方【ミックスで使えるテクニックについて】でした。
今回の内容をYouTubeでも詳しく解説しています。